スカイツリーの撮影にも便利なカメラ「DSC-WX10」


デジタルカメラ ソニー DSC-WX10

 ソニーのデジタルカメラは、一昨年以来、スイングパノラマをはじめとする面白い機能を搭載しており、筆者がたいへん注目している製品だ。この春もまた新製品が多数出たので、そのなかのひとつ「DSC-WX10」を初日買い(正確には事前予約購入)してしまった。

 筆者が写真撮影をケータイではなく専用カメラにこだわるのは、専用カメラならではの使い心地にある。特にケータイカメラが絶対に及ばない点は、静かに、かつスムーズに連続した撮影ができる点。だからといって、あまりにクラシックな機能だけのカメラもいただけない。デジタルなのだからデジタルらしい何か便利機能がほしい。最近のソニーの裏面照射型CMOSを搭載した製品は、スイングパノラマをはじめ、オリジナル機能で活用の場を広げてくれる。

 そこで、今回買ったのDSC-WX10。GPSも10倍ズームもない製品だが、24~168mm(35mm換算)までの7倍ズームと、F値が明るめのレンズ、しかもピント合わせが早く、本体が軽量コンパクトなことが気に入ったポイントだ。しかも、CMOSセンサーの世代が新しくなっているので、その分の改善も期待できるかもしれない。

 筆者がイチオシのスイングパノラマ機能は、この機種ではいくつかのモードを備えており、さらに多彩な撮影方法が選べるようになった。単なるパノラマだけでなく、超広角レンズの代用のような使い方ができるようになっている。

 試しに、広角レンズが生きると思える600mを超えた工事中のスカイツリーの撮影に出かけてみた。パノラマ機能は強力で、スカイツリーでは土台から先端を超えて向いのビルまで写るくらい。通常の広角レンズでは、間近で撮影すると塔の部分しか映らないが、パノラマ撮影なら、形は歪むものの、こんな長いモノでも写し込むことができる。

 さらに進化したのは充電方法。今までの製品なら、小さい充電器が付属していて、充電池を本体から外して充電器にセット、充電器ごとコンセントに差し込んで充電していた。しかし、DSC-WX10ではUSBケーブルとUSB充電器が付属しており、本体にケーブルをつなぎ、USBポートやUSB充電器に接続する方法に変わった。

 パソコンをはじめUSB電源は増えており、モバイルバッテリーへの対応など、充電できる環境が広がるように配慮したことは評価できる。ただ少し残念なのが専用ケーブルがないと充電できないこと。できることならケーブルは専用でなくて汎用のマイクロUSBにでもすればもっと便利だったはず。しかも、専用ケーブルは見た目がマイクロUSBに似ているだけに余計ややこしい。

 そんな細かな気になる点はあっても、全体的には自分の気に入っていた機能が正常進化し、より使いやすく便利なカメラになったことに大満足。ケータイのカメラを否定してしまうような話だが、ケータイカメラの苦手な場面には、やっぱり専用カメラは必要だと思うのだ。

充電器はUSBケーブルを接続して行う。ケーブルだけ持っていればPCでも充電可能USBケーブルは並べれば大きさの違いで区別はできるものの、形状はマイクロUSBとそっくりでややこしい
広角で話題のスカイツリーを間近で撮影してみたが、下のほうまでは入らないここでスイングパノラマの出番。横位置で上に振る撮影法なら歪むものの下から写し込める
縦位置で横に振るようにして撮影。てっぺんだけでなく向いのビルまで入ってしまった。途中から黒いのは、振り方が悪いとこうなるさらに幅広のモードもあるので、うまく使えば足元から反り返って後ろ側まで写し込める

 

製品名製造元購入価格
DSC-WX10ソニー3万4800円

 

 

(江須田)

2011/4/8 06:00