思いがけず万年筆が欲しくなった「ショットノート」


どこもMサイズだけ売り切れ、というタイミングだったため、LとS、および専用カバーのみを入手

 日頃から、コレ、というメモ帳やノートを固定化していないせいか、書いたメモをなくしたり、せっかく書いたのに忘れてきたり、どれに書いたかわからなくなったりするので困っていた。それがiPhoneの登場でちょっと変わった。これは重要だと思えるメモは、なくさないうちにiPhoneのカメラで撮影するクセがついたのだ。ただし、カメラロールに保存しっぱなしでは、いつかうっかり消してしまう恐れもある。そこで、メモ類は「Evernote」にアップロードするか、「Dropbox」に保存するなどして、必要なときに見られる工夫をするようになった。メモそのものは画像で、ゆがんでいても、ないよりはマシだからだ。

 そんなところへ、前述の内容そのまんまの製品が登場した。すでに世間でも話題の「ショットノート」だ。「ショットノート」は、専用のノートに書いたメモを、無料でダウンロードできる専用アプリ「ショットノート App」で撮影すると、見やすく台形補正をしたうえで、画像として保存できるというものだ。ノートの四隅にはマーカーがあり、これがアプリで補正する際のカギになっている。また、OCR(自動文字認識)機能を搭載しているので、専用エリアに書いた日付や番号はテキストとして読み取ってくれる。保存した画像は、メールで送信できるほか、Evernoteにアップロードもできる。

 読み取る際の注意点といえば、できるだけ明るい場所で撮影するのはもちろんだが、あとは4つのマーカーがしっかり撮影時のガイド内に入るようにするくらい。かなりざっくりした位置でも読みとってくれるからありがたい。

 iPhoneには、いわゆる手書きメモアプリの類は多数あるので、画面上で直接書けばいいじゃないか、と思うかもしれない。どうしてもメモ帳がないときは確かに便利だし、革新的な感じは楽しいのだが、自由さには限界がある。結局ノートとペンに勝る自由度とスピードはないと感じている。

 「ショットノート専用カバー」のしっかりした材質にも感動した。「ショットノート」自体も、表紙を折り曲げて裏返せば、ノート自体がたわむことなく、安定してメモをかけるのだが、その使い勝手を専用カバーがさらに強固なものにしてくれるのだ。携帯用メモ帳カバーというと、太めの4色ボールペンが刺さらないこともあるが、この製品は安心。Sサイズ用しかないのが残念である。

 使い始めてすぐに、ある変化がおきた。急に万年筆が使いたくなったのだ。最初は愛用のボールペンで書いていたのだが、どうも紙質とあわないようで、ペン先が流れて気持ち悪い。あれこれ試したら、万年筆がもっとも書きやすかった。使い捨ても悪くないが、そうでないほうがいい。というわけで、万年筆ビギナーとして、書きやすさに定評のあるLAMYのサファリに手を出すこととなった。

 これが、手になじむわ、「ショットノート」が書きやすいわで感激! 字がうまくなったような気すらする。「ショットノート専用カバー」のお供はLAMYのサファリに決定! ついでに限定モデル集めちゃおうかしら! と思っていたら、本誌でもおなじみの“文具王”にサクっと先を越されていた……。

専用カバーの内部Sサイズの「ショットノート」を収納してみた。4色ボールペンも挿しやすい
表紙+専用カバーで抜群の安定感。メモが減っても書きやすそう書いたメモをiPhone用アプリ「ショットノート App」で撮影。黄色いガイド内にマーカーが入るように気をつける
アプリに取り込まれたメモ。撮影日も読み込まれている補正され、取り込まれたメモ
「ショットノート」と相性のよい筆記用具として選んだのは万年筆。思わぬところでアナログブームの予感

 

製品名製造元購入価格
ショットノートキングジム600円(L)
320円(S)
専用カバーキングジム1260円

 




(すずまり)

2011/3/29 06:00