通勤通学時の暇つぶしに手のひらマイペディア


手のひらサイズの電子辞書。筆者自身、通勤途中で愛用中

 筆者はWikipediaが大好きだ。息抜きにWikipediaで気になったことをあれこれ調べるのはもはや日常となっている。いや、むしろ気になった単語を検索すればWikipediaが一番にヒットすることが多いので、見てしまうことが多いのだ。Wikipediaのページの中でさらにリンクをたどり、己の知的好奇心を満たすためにWikipedia内でWebサーフィンしてしまうことが日常的にある。そんな人は筆者だけでないと信じたい。

 キヤノンの「wordtank s500」は、高価すぎない本体に、百科事典マイペディアを収録し、さらに紙なら分厚くて重い広辞苑や学研の英和/和英辞典を詰め込んだカラー液晶の電子辞書だ。電卓のような形状であることから、手のひらサイズで電卓のように軽いのがこの製品のポイントだろう。カラー液晶が結構綺麗なのも嬉しい。

 もちろん携帯電話で百科事典サイトにアクセスしても同様の事はできるが、オフラインかつ専用機だけに、レスポンスは軽快。単語を検索したときに、広辞苑とマイペディアの双方のリンクを表示してくれる点や、各単語の説明の冒頭2行を表示する点も便利だ。

 手のひらサイズゆえに、電車やバスの車内でちょっと気になる情報を得て知の快楽を得ることができる。リンクをクリックするように、表示結果で気になった単語にフォーカスを当て、その単語の説明を見ることもできる。情報はWikipediaとは違った趣きになるものの、少なくとも筆者はその「知のサーフィン」がたまらない。

 本体の写真を見てもらえれば一目瞭然だが、キーボードの各キーの刻印のメインはひらがなで、アルファベットと数字は申し訳程度に各ボタンの左上に書かれている。QWERTY配列でなく、カナの配列も右から順に50音で並べられ、PCのキーボードを普段あまり使わないユーザー層に向けられているようだ。一方、この配列では、ポケットから片手で取り出し、片手の指だけで素早くカナ入力できる。

 英和や和英辞典が利用のメインで、百科事典はオマケと思っている人には、個人的にはほかの電子辞書をオススメする。もちろん、あいまい検索など英和・和英辞典の内容もしっかりしており、仕事のシーンでも電子辞書として活躍する。しかし、この製品は百科事典が存分に堪能できる、百科事典好きのための一品と感じている。

後ろから見れば電卓そのもの。ちなみに電源は単4電池×2複数の辞書からヒットした検索結果を表示する
右に「A」と書いていればアルファベット入力、「あ」と書いてあればかな入力

 

製品名製造元購入価格
wordtank S500キヤノン7980円

 

(山谷 剛史)

2010/9/24 06:00