バリアングルモニターで快適撮影「LUMIX DMC-G2」


本体。よく確かめずに買ったところブラックではなくコンフォートレッドが届いたという裏話があるのだが……最初はギョッとしたが、いまではむしろ気に入っている

 20年近く前こそ一眼レフカメラを使っていたものの、カシオの「QV-10」でデジカメの世界に足を踏み入れて以来、カメラにはバリアングルモニターが必須となってしまった筆者。この15年ほどで使ってきたデジカメの多くが、バリアングルモニターを搭載した機種であり、いまでも新しく購入を検討する際はバリアングルモニターの搭載を必須要件としている。

 マイクロフォーサーズ規格のパナソニック「LUMIX G1」が発売された時も、筆者が注目したのはマイクロフォーサーズならではのコンパクトさではなく、バリアングルモニターを搭載しているということだった。G1は結果的に当時は購入に至らなかったものの、約1年を経て後継機種「LUMIX G2」を購入するに至った。レンズがセットになった、型番で言うと「DMC-G2K」という製品だ。

 バリアングルモニターの使用例として、運動会などの人垣の上から腕を伸ばして子どもの走っている姿を撮影したり、小動物や草花などをローアングルから捉えられるといったシチュエーションがよく挙げられる。これはこれで正しい使い方なのだが、筆者のように広くない部屋でレビュー用のブツ撮りをしたり、手など自分の体の一部が写り込むようなアングルで撮影する際に、限られたスペースの中でモニタの向きを変えられるのは非常に便利である。通常のファインダーを覗いていては撮影できないアングルで、当てずっぽうではなく正確なショットが撮影できるからだ。

 また、製品発表会やインタビューの際も、見るからにシャッターチャンスを狙っている雰囲気を醸し出さずに、自然にシャッターを切れるのもメリットだ。とくに対象が人物の場合、カメラに撮られ慣れている人でない限り、カメラを向けるとどうしても身構えられてしまうもの。こうした場合でも相手にプレッシャーをかけることなく自然なカットがおさえられるというのは、バリアングルモニター搭載カメラの最大のメリットではないかと感じている。

 とまあ、G2よりもバリアングルモニターの紹介になってしまったが、実際に使ってみた限りではよく手になじみ、非常に気に入っている。タッチパネルによる操作も実際に使ってみるまでは懐疑的だったが、いざという時にはなかなか便利に使える。価格はレンズキットで5万円台の場合もあるようで、コストパフォーマンスの高さも魅力だ。

 敢えてマイナスのポイントを挙げるならば、動画撮影時に外部マイクがオフにできないなど、動画まわりで融通が利かない点がいくつかあることだろうか。もっとも、編集側のソフトで解決できる問題なので、ぼちぼちと対応策を探していこうと思っている。これから当面の間、仕事やプライベートで活躍してくれることになりそうだ。

側面。この写真だけでは分かりづらいが、マイクロフォーサーズ規格ということもあり、一般的な一眼レフに比べると一回り以上小さい上部にはフラッシュを内蔵。が、実はほとんど使った試しがない
バリアングルモニター(フリーアングル液晶モニター)を展開したところ。左右に180度、上下に270度回転するちなみに液晶はタッチパネルになっており、ピント位置の変更のほか、撮影済み画像を表示する際はフリックで画像をめくることができる
操作系は右上部に集中している。とくに違和感なく利用でき、操作ミスもしづらいホールドした状態。親指はどうしても液晶画面の右上にあたる位置を押さえてしまいがち
電池ボックスとSDカードスロットは隣り合っており、共通のフタを開けて取り出す。SDカードの出し入れのみをしたい場合、やや大げさな感はある

 

製品名製造元購入価格
LUMIX DMC-G2Kパナソニック6万9800円

 

 

(山口 真弘)

2010/9/27 06:00