DVDドライブ搭載、MKVの再生も可能な高機能メディアプレーヤー

製品本体。正面から見ると台形の珍しい形状だが、AV機器と並べて置くと映えるデザインだ

　いまから数年前、DivXやXViD、WMVなどで記録した動画データをテレビに出力する機能を持ったネットワークメディアプレーヤーは、パソコン周辺機器メーカーの売れ筋商品のひとつだった。当時のネットワークメディアプレーヤーはそのほとんどがDVDドライブを搭載しており、その頃まだDVDプレーヤーを所持していなかったユーザーが初めて手にするDVD再生機器として購入するケースも多かったのだ。

　現在ではDVD再生用の機器は珍しくなくなり、また動画の保存先がDVD-RではなくNASになることが多くなってしまったせいか、ネットワークメディアプレーヤーにDVDドライブが搭載されることは、ほとんどなくなってしまった。現在市販されている製品の多くは、DVDドライブを搭載せず、テレビの横に置けるような小型筐体の製品がほとんどだ。

　もっとも筆者のように、当時VHSテープから移植した大量の動画データをDVD-Rで所有している立場からすると、DVDドライブのないネットワークメディアプレーヤーは残念ながら買い替えの選択肢に入ってこない。DVD-Rの動画データをさっさとNASにコンバートすべきなのかもしれないが、それほど利用頻度が高いわけでもない動画データをまるごとNASに移すというのは非効率だし、何百枚もの自作したDVD-Rから動画をコピーするというのは考えただけでも気が遠くなる。

　その点、今回紹介するデジタルアルケミストのネットワークメディアプレーヤー「MOVIE PIRATES」（DA-MP101）は、筆者のニーズをドンピシャで満たす製品だ。よくある海外製の怪しい製品と違ってインターフェイスもこなれていて操作しやすく、対応フォーマットの数も多い。なによりDVDドライブを搭載しながら筐体がコンパクトで、設置に場所をとらないのがよい。1.3倍の早見再生機能など、かつてのネットワークメディアプレーヤーが弱点としていた再生機能もしっかり押さえているところも嬉しい。

　惜しむらくはこのご時世、DVDではなくBlu-rayに対応してほしかった、ということくらいだろうか。もしそうであれば、冒頭に書いた数年前のネットワークメディアプレーヤーがそうだったように、新しいメディアの再生用機器としての売れ行きも増えるかもしれないからだ。筆者は基本機能しか使っていないが、MKV対応やAVCHDカメラとの連携など機能の豊富さでは折り紙付きだけに、ヘビーユーザーは多彩な楽しみ方ができるだろう。今後の製品展開にも期待したいところだ。

HDMI端子のほか、インターフェイスは豊富に搭載する。USBハードディスクを接続することも可能だ	DVDドライブを搭載。非搭載モデルもある。本体内に3.5インチのハードディスクを内蔵することも可能
メディアプレーヤーの中には、リモコンがまるで使い物にならない製品も少なくないが、本製品のそれはじゅうぶんに実用的	DVDドライブを搭載していながら筐体はコンパクト。高さもそれほどないため、テレビの前に設置しても邪魔にならない
インターフェイスはもちろん日本語化されている。かなりこなれている印象で、サクサク操作できる