足でパソコンを操作、Kinesisのフットスイッチ
製品本体。パソコンとはUSBで接続する |
ものぐさな筆者は以前から、食事しながらネットをだらだらと見る場合など、キーボードから手を離してブラウジングする方法を模索し続けている。その顛末の一部は2年前に「やじうまPC Watch」に書いた通りなのだが、今回また新たに足で操作するデバイスを海外通販で購入したので紹介したい。
今回購入したのはKinesis社の「Savant Elite Programmable Foot Switch」という、3つのペダルがついた製品である。以前の製品のようにマウスポインタを操作する機能はなく、単純に各ペダルにキー操作を割り当てられるだけの製品である。いわば3つの「足踏み用ホットキー」ということになる。
前回PC Watchで紹介したデバイスはゲームセンターで見られるようなポップなカラーで、ボタンの質感はややチープだったが、今回の製品は車のアクセルやブレーキに近いペダル式で、重厚感もたっぷり。しっかり踏み込まないとオンにならないこともあり、つねにペダルの上に軽く足を乗せておけるので、足が不用意に宙に浮いた状態にならず疲れにくい。
本製品がユニークなのは、キーの割当内容を本体内に保存する仕組みを採用していることだ。設定時にはジャンパを組み合わせつつ着脱を繰り返すといった手間はかかるものの、パソコン上でユーティリティを常駐させずに済むのはありがたい。
難点はふたつ。ひとつはスイッチのストロークが重過ぎること。軽く踏んだ状態でクリックにならないのはよいのだが、それにしても重すぎると感じた。おそらくこれは、海外では靴を履いたまま踏むことが前提になっているからだろう。ハードウェア側に手を加える方法はないので、利用者がサンダルを履くといった、別の解決方法を模索したほうがよさそうである。
もうひとつはペダルの配置だ。かかとを支点に扇状にペダルが並ぶことが望ましいのだが、現状ではかかとを動かさずに押せるのはペダル2つが限界で、3つ目を押そうとするとかかとをすこし横に移動させる必要がある。そのため3つのキーをフルに使おうとすると足を持ち上げなくてはならず、結果的に疲れてしまうのだ。結果として、以前の製品と同じように両足でコントロールする格好になりがちである。車のアクセルやブレーキがそうであるように、足踏みペダルはもう一方の足で踏ん張っているからこそ踏みやすいわけで、現状の仕様はやや辛いと感じた。
以上のように、まだ100点満点というデキではないが、クリック感ならぬ「踏み感」は以前紹介の製品に比べて圧倒的に優れている。筆者のようにCtrl+Tabキー(タブ切り替え)、スペースキー(スクロール)、Ctrl+Wキー(タブを閉じる)の3つのパターンを割り当ててタブブラウザを操作する分には、以前の製品よりも便利に使える。そこまでして足で操作する必要はどこにあるのかという疑問はさておき、とりあえず本製品を使いつつ、これからも最適解となる製品を地道に探していければと思う。
車のアクセルやブレーキに似たペダル式で、かなり重い | いわばホットキーが3つ並んだ状態と同じ。本体の高さはそれほどなく安定感は抜群 |
ペダルの間隔がそこそこ離れているため、支点にしたかかとを動かさずに3つのペダルを押すのは難しいと感じた |
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
Savant Elite Programmable Foot Switch | Kinesis | 134ドル |
2010/1/29 06:00