本日の一品

リュックに“空調”で夏を乗り切ろう

黒いリュックサックに取り付けた「空調リュック」。少し離れると見分けがつかない

 また、暑い夏がやってきた。移動時の荷物が多くなりがちな筆者は、リュックサックを使っている。夏のリュックサックといえば背中の汗問題だ。昨年は「汗とおる君」を使ってかなり快適な夏を過ごすことができたが、それでも背中に風が通らないときは、汗が乾かず不快な思いをするときもあった。

 これ以上の汗対策をするには“パッシブ対策”ではなく“アクティブ対策”しかないだろうとは思ったが、まさか自分でリュックサックにファンを付けるわけにもなぁ、と思っていたら「空調服」で有名な株式会社空調服からリュックサック用の「空調リュック COOL PACK」がわりと手頃な金額で発売されていることを知って早速入手した。

クリオネのような形の「空調リュック」
「スーパースペーサー」(白い部分)によって内部の空気を拡散させる

 全体の形は大まかに言うと「黒いクリオネ」だ。 上下を逆転させたほうが見た目は安定しているが、下がすぼまった形状で使う。左右の羽の部分にファンと電池ボックスが収まっている。背中の部分はメッシュ素材になっていて、クッション性もあるので背中に当たる感触は悪くない。中を開けるとプラスチック製の構造物(スーパースペーサーという名前らしい)が入っていて、ファンの空気を背中全体に回せるようになっている。

 リュックへの装着は、ストラップで2カ所に取り付けるだけと簡単だ。ただし、羽の部分の太いストラップがリュックのポケットを塞いでしまわないように注意が必要だった。また、筆者のリュックでは、背中側にあるパソコン用のポケットが塞がってしまう。構造上仕方ないとはいえ残念なところだ。

上部と羽部分の2カ所を固定して装着する

 電源は単3電池4本。オプションとして専用リチウムイオン電池も用意されている。空調は強弱の切り替えが可能で、強運転でエネループ使用時に8.5時間、弱運転では44時間使えるという。出かける時は常時弱運転にしておけばよさそうだ。

電池ボックス。単3電池4本が入る。ケース上部に2段階の電源スイッチが付いている
ファン部分。指など入らないようにメッシュ上のカバーがかかっている

 気になるのは、装着した時に見た目の違和感がないかどうか。黒くて大きめのリュックならほとんど目立たなかったが、黒以外の色で、さらに小型のリュックだと少々目立つ。目立つといえばファンの音がどうかも気にされる方がいると思うが、ニッケル水素電池で弱モードで運転していると屋外ではほとんど聞こえない。エレベーターに乗るとファンが回っているのがわかるな、という程度だ。

 そして、肝心の効果を書かないといけないだろう。弱運転で丸一日使ってみて存在を忘れていたくらい効果があった。汗でベタベタにならないし、背中への違和感もないので、ファンの存在自体を忘れてしまっていたのだ。リュックを下ろそうとしたとき初めて、空調リュックを動かしていたのに気づくのだった。その時に背中を触ってみると少し湿っている感じはあったが、付けていない状態とは全く違っていて快適だった。

 空調服に比べれば安いとはいえ、下手をすればリュック本体よりも高いのと、電池込みで500gという重さを納得できるようなら、空調リュックはおすすめの一品だ。

製品名販売元購入価格
空調リュック COOL PACK KRKS01空調服7992円