本日の一品

ゲーム自作もできるオープンソースのゲーム機「Arduboy」

「Arduboy」。microUSBケーブルの端子部分が磁石でくっつくようになっていて持ち歩きやすい

 “レトロゲーム”がゲームの1ジャンルとして存在し、本家任天堂がファミコンをリバイバルさせてしまっている昨今。当時のゲームを遊ぶだけでなく自分で作って遊ぼうという人達も少なくない。自作ゲームのゲームプラットフォームとして、過去に市販されていたゲーム機を使うのは荷が重いので、レトロゲーム相当の性能を持ったゲームプラットフォームがいくつか存在する。その中の1つ、「Arduboy」を紹介しよう

 ファミコンカセットくらいの大きさの箱を開けると、本体とmicroUSBケーブルが出てくる。本体は任天堂のゲームボーイに似た形だが、それよりもかなり小さくクレジットカードサイズだ。この中にCPUと液晶、スピーカー、バッテリーを搭載していて、一度の充電で8時間遊べる。

ディスプレイ部分の拡大。左上のスライドスイッチは電源スイッチ。液晶ではなく有機ELなのでコントラストが大きく見やすい

 初めからMystic Balloonというソフトが入っているので、すぐにプレイできる。サンプルで入っているこのゲーム、なかなかよくできていてジャンプアクションゲームが好きな人ならこれだけでも結構遊べるのではないかと思う。

microUSBコネクターの左側にあるのはリセットボタンで、押すためには細い針金などが必要だ。リセットボタンの上に3つ並んでいるのがLEDで、シリアル通信(送受信)と電池の充電中に光る

 もちろん、他のゲームも楽しめる。Arduboyには1つのゲームしか入れておけないので、違うゲームを遊びたいときにはコンパイルしてインストールする必要がある。コンパイルには電子工作では有名なArduino IDEを使う。すでにインストールしている場合は、ライブラリとボードサポートのインストールだけでいい。

 ダウンロードしたり設定したりと最初の手間が結構あるのだが、一度やってしまえばあとはさほど難しくないと思う。30本以上が紹介されている公式ゲームリストがあり、他にゲームを公開している人もいるので、しばらくは遊べることだろう。

箱の表裏。説明書などが同梱されていないので、箱の説明はよく読もう

 自分でゲームを作ることもできる。前述の通りArduino IDE上でプログラムを作れば、キャラクターを動かしたり音を出したりすることができるのだ。今のリッチなコンピュータ環境だとキャラクター1つを作るのも大変だし、上手下手がモロに出てしまうが、Arduboyなら白黒で8×8ピクセルしかないのでそれほど苦労する(悩む)こともない。面白いゲームにするのはなかなか難しいのだが、ドット絵や音楽に悩む時間を減らせるのは素人にはありがたい。

「K-tai WATCH!」を実行してみた

 早速自分でもゲームを、と思ったがすぐには難しそうなので、まずは「Hello World!」ならぬ「K-tai WATCH!」を表示してみた。ArduboyをパソコンにつないでもArduino IDEから認識されずとまどったが、Arduboyの電源を入れたらシリアルポートがメニューに出てきたので無事書き込んで実行できた。

 入手手段が個人輸入するしかなかった夏頃までは、手に入れるまでかなり時間がかかっていたのだが、9月に入って日本国内の通信販売ショップで取り扱うようになり、簡単に手に入れられるようになった。最近のリッチな(そして電池消費量の多い)スマートフォンのゲームに食傷気味の方はチャレンジしてみてはいかがだろうか。

製品名販売元購入価格
ArduboyArduboy6458円