スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
Olasonicの卵形スピーカーを使う
(2013/3/4 06:00)
Olasonicの卵形スピーカーを使う
東和電子のオーディオブランドOlasonic(オラソニック)。「音がイイ卵形スピーカー」と言えば、「あっアレね」と思い出す方が少なくないと思う。今回のネタは、そのOlasonicの「薄型TV用スピーカー Olasonic TW-D7OPT(B)」だ。前から気になっていた製品だが、いろいろ試したくなり購入した。
このスピーカーのモトは、2010年04月01日に発売された「Olasonic TW-S7」という小型のUSBスピーカーだ。これを使った人は「あのカタチからはちょっと想像できない音質の良さ」と評する。それを聞いて「そうなのか~、一度使ってみたいなあ」と思っていた。
しかし、とりあえず小型スピーカーは「間に合ってます状態」なので結局手を出さず。でも最近になって必要性が生じ「もしかしたらアレがマッチするかも」と思い、この薄型テレビ用スピーカーのTW-D7OPTを買ったのであった。
TW-D7OPTで目論んだことは2つ。ひとつはベタに「テレビ用スピーカーとして使いたい」ということ。ウチのテレビ、アナウンサーの声が微妙に聞き取りにくいけど、そーゆーの直ったらいいなぁ、と。
もうひとつは「音楽用スピーカーとして使ってみたい」ということ。詳しくは後述するが、TW-D7OPTはどうも「光デジタル入力があったら自動的に電源がオン」になるらしい。ので、TW-D7OPTとAirMac Expressと組み合わせて、電源さえ供給できれば使える「天井吊り下げスタイルのBGM用オーディオ機器」として利用できないかな、と考えたのであった。
ともあれ以降、TW-D7OPTの機能や使用感を見ていきたい。が、結論から言っちゃうと、価格のわりには機能も音質もシッカリしていて、テレビ用としてだけではない汎用性の高さがあると感じた。イロイロと使い回せる製品だと思う。
テレビの音が各段に良くなる♪
TW-D7OPTは卵形スピーカーとアンプ内蔵メインユニットから成る。スピーカーのサイズは幅10.8×奥行き10.8×高さ14.1cm。メインユニットは幅10.6×奥行き18×高さ3.9cmと薄型になっている。
メインユニットには、光デジタル音声入力×1系統、アナログ音声入力×1系統、イヤフォン出力×1系がある。ボリューム調節をはじめとする操作は、メインユニットを直接操作しても、付属リモコンを使っても行える。電源は比較的にコンパクトなACアダプタ。
今時的な薄型テレビとメインユニットを光デジタル接続して使う。TW-D7OPTには長さ2mの光デジタルケーブルも付属しているので、とりあえず買い足すモノはナシですな。テレビとメインユニットをこの光ケーブルで接続し、メインユニットに左右スピーカーをつなぎ、メインユニットに付属ACアダプタをつなげばセットアップ完了だ。
早速テレビの音をTW-D7OPTで聞いてみると、けっこービックリ。これまでのテレビの音が各段に良くなった。正確に言えば「各段に音の細部が聞こえてくるようになった」てな感じ。
すぐ気づくのはアナウンサーの声の通り。ニュースの音声などが非常に聞き取りやすくなる。あと「アナウンサーって声がいいなあ」なんて再確認できたりも。
現場中継のニュースは生々しさUPですな。レポーターのマイクに入ってくる周辺音がリアル。近くで慌ただしく打ち合わせをするスタッフの声なんかもかなり聞こえてくる。
あとドラマ。良くも悪くも、ドラマの舞台の音声がよ~く聞こえるようになる。屋外のシーンだと、空気感というか臨場感が増し、よりリアルな映像に見える。逆に、室内のシーンなどは、場合によっては「あの畳はなーんか薄っぺらそう」とか「いかにもセットという感じの音の響き」ということもわかる。……ドラマ作りにかけられた予算が音から伝わってくるとも言えよう。
スポーツ番組は総じて臨場感が増しますな。あと映画もイイ感じ。TW-D7OPTにはBASSBOOBT機能があり、低音の迫力を増せるので、映画やスポーツをさらなる臨場感で楽しむことができる。
地デジ&ハイビジョン放送になってから、テレビの映像の細部が見えまくりになったじゃないスか。出演者の服のシワや髪の乱れまで見えちゃう感じで。アレが音にも起きるというイメージですな。良くも悪くも細部までしっかり聞こえちゃうTW-D7OPTなのであった。
テレビを高音質化するという点では総じてナイスなTW-D7OPTだが、しかし、音がシッカリ聞こえてくるので、ときとして「ウザっ」と思うことも。たとえば、バラエティ番組なんかの突然の大声や大騒ぎに「ああもうウルサい」と思ったり、番組より一段音が大きくやかましいCMに「イラっ」としたり。ヤな音もしっかり聞こえてくるTW-D7OPTではある。
音楽鑑賞用にも向く!!
TW-D7OPTをテレビと接続し、テレビから流れる音楽を聞いたときに「これならTW-D7OPTを音楽鑑賞用途に十分使えるな」と感じた。音質的な結論から言えば、低音がほんの少し足りない気はするが、前述のBASSBOOBT機能を使えば補えるし、ボーカル域も高音域もバランスが良く解像感に優れている。実勢価格1万5000円前後の製品としては、ヒッジョーにコストパフォーマンスが高いと思う。
光デジタル音声入力端子とアナログ音声入力端子の、2系統の入力端子がある点もイイですな。この時点で汎用的。PCと組み合わせるもよし、iPodなどのポータブルオーディーと組み合わせるもよし、あるいはAirPlay使用時のAirMac ExpressやApple TVから光デジタル音声出力を受けて音楽を再生するのにも向く。
リモコンも便利っス。手のひらサイズっていうかポケットサイズの小さなリモコンなんだが、TW-D7OPTの全ての機能をリモコンだけでコントロールできる。
ただ、リモコン操作時のメインユニットの反応が微妙に鈍いことがある。細かく書くと、メインユニットのリモコン受光部にわりとしっかりリモコンを向けていないと操作できないことが多い。当たり前と言えばアタリマエのことなんですけどネ。でも、非常に小さいリモコンなので「メインユニットの受光部を狙いにくい」のもまた事実。もうちょっとリモコンに対するメインユニットの反応感度を上げて欲しい気がしなくもない。
スピーカー、吊れるかな?
じつは、TW-D7OPTを買って最初に試したのが「卵形スピーカーをヒモで吊せるかどうか」だ。コレができると、「天井や天井付近の壁にTW-D7OPTとAirMac Expressを取り付けて、その近くにスピーカーを宙吊りにして、電源以外配線不要のAirPlay天井オーディオ」を実現できると思ったのである。AirPlayについてはコチラを。
で、スピーカーを吊れるかどうかの結論から言えば、特に問題なく吊すことができた。TW-D7OPTのスピーカーには、前後に穴があり、それを覆うプラスチックのメッシュ構造がある。ので、そこにヒモを通せばラクに吊せる。また、簡単に角度=スピーカーの向きを変えることもできた。
写真ではわかりやすいようにタコ糸を使っているが、実際に吊す場合は透明のナイロン糸を使おうと考えている。ちなみに、スピーカー1個の質量は約406g(実測値)。スピーカーを吊しての使用は「メーカーが全然推奨しない使い方」だとは思うが、太めのナイロン糸なら余裕で天井から吊しておける「軽さ」だと思う。
……ただ、まだ吊しての活用はしておりません~。というのはまず、メインユニット(およびAirMac Express)をどうするか迷っているからだ。天井付近にどうセットしたら「みっともなくならない」かを模索中。
あと、メインユニットとスピーカーを接続するためのケーブル長。スピーカーからは約120cmのケーブルが伸びているが、も~ちょっと長さがないと余裕をもって宙吊り運用ができない。延長ケーブルを買うか自作するか、どうしよう、的な。
……TW-D7OPTの色もあるんですよね~。真っ黒。天井に吊したらきっと目立つんだろーなー、と。いっそのこと白とかに塗るか? だったらスピーカーは分解して白く塗りつつ、白くて長いケーブルと交換か? てな感じでイロイロと悩み中である。
ともあれTW-D7OPT、テレビ用としても音楽鑑賞用としてもバッチリ使えるスピーカーセットなので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみて欲しい。コレ、コストパフォーマンスかなり高いと思います~。