CDやDVDを圧縮的に収納できるメディアパス

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


CDやDVDを圧縮的に収納できるメディアパス

 スタパブログにて「DVD/CDケースを処分しまくりたい」てな話を書いた。棚から溢れんばかりの音楽CDや映画DVD、もっと圧縮収納して省スペースを図りたい。つーかもう今スグ着手だ!!

 ということで、CDやDVDを圧縮的に収納するケースとしてサンワサプライの「DVD・CDケース ファイルタイプ」のFCD-4804/7204/9604/12004シリーズを購入。早速このファイルタイプケースに、音楽CDなどを詰め始めた。

サンワサプライの「DVD・CDケース ファイルタイプ FCD-4804/7204/9604/12004シリーズ」。ファイルへの収納枚数は、48枚タイプ、72枚タイプ、96枚タイプ、120枚タイプがある音楽CDや付属ブックレットが入る。が、この状態だと収納枚数が既定の半分。ブックレットとCDを重ねて入れられるが、その場合は厚みが出て既定枚数のCDが収まらないことも俺の場合は1ポケットに1枚の音楽CDと適切なサイズに折った裏ジャケットを入れている。ほかのCD付属品は別途保管。これならなんとかギリギリ、1ファイルに既定枚数が収まる

 しかしチョイと問題が。音楽CDとかってモノによって少々厚手のブックレットが付属する。オビ的な印刷物やカード類が付属することもある。そういう付属品まで含めて上記の「DVD・CDケース ファイルタイプ」に収めようとすると、無理があったり全然収まらなかったりする。

 たとえば上記の48枚用ファイルに48枚の音楽CDおよびその付属品を入れるのは、基本的に無理。このファイルは裸のCDのみを入れるように作られているようで、ブックレットやジャケットなどまで詰め込むと(入ることは入るが)全体が厚くなってファイルを閉じられなくなる。

 また、このファイルに音楽CDを入れちゃうと検索性が下がる。棚に置いたCDは細いながらも背表紙が見えて、アルバム名やアーティスト名を目で追えた。が、このファイルに入れると各ページをめくるか、自分で背表紙部に収納CDリストを書くなどしないと、ファイルの中身がわからない。

 でもこのケースも使い方によっては超便利なんスよ。数十枚組のCDを収めるとか、シリーズもののドラマDVDを収納するとかにはよく向く。後述するがスペース的な「圧縮率」もかなり高い。ただ、アーティストもジャンルもバラバラな音楽CDを入れるのには、検索性を落とさない一工夫&一苦労が必要になるというわけだ。

 オリジナルのプラスチックケースに入れているときに近い検索性があって、厚みをギュッと圧縮できるようなケースはないものか? と探していたら、twitter上にて優しきお方がが「こんなの使ってますよ、便利ですよ」と情報をくださった。コクヨのメディアパス(MEDIA PASS!)である。

コクヨの「メディアパス(MEDIA PASS!)」各種。音楽CDや映画DVD/BDのディスク+付属品一式を収納できる薄いソフトケースだたとえば音楽CD。CD、ジャケットやブックレット、裏ジャケット、さらに背タイトル(オビ)もソフトケースへと収納できる音楽CDなどの内容物をメディアパスに収納すれば、プラスチックケースが不要になる。そのぶんスリムに収納することができる

 試しにそのメディアパスを使ってみたら、かなりイイ!! 俺の目的をビシッと達成できそう!! すぐに「今後はコレを使ってCD/DVDを圧縮収納するゼ!!」と決めた。てなわけで以降、メディアパスの使用感や効果について見ていきたい。

 

とことで、なぜ圧縮的に収納?

 以前から、音楽CDや映画DVDの樹脂ケースを処分したいと考えていた。CDのプラケースやDVDのトールケースは、それぞれ薄いが、枚数が増えると意外なほど嵩張る。実質必要なのはディスクだけだと考えれば、相当なスペースが無駄になっている。

 また最近では音楽CDは購入後すぐにリッピングしてポータブルミュージックプレイヤーなどに転送してしまうので、棚の音楽CDに触れる機会が極端に減っている。人によっては(わりとグレーだが)DVDもリップしてホームサーバーに……的なことをしているのではなかろうか。ともあれ、最近ではとりわけ強く「棚をディスク類に占拠されているなぁ。ギュッとコンパクトに圧縮収納したいなぁ」と思うようになった。

拙宅のCD/DVD収納棚(上部)。約幅3m×高さ1.1mくらいの本棚だ。現在はCD/DVDの圧縮収納が進んでいるが、以前はこの棚にビッシリとCD/DVDが入っていた棚の奥行きは音楽CDがピッタリ収まるくらいのサイズ。棚板は各段調節可能で、奥行きが音楽CDケース程度ならファイルでも本でも収納することができる棚板の高さを調節すればこのように映画DVDのトールサイズケースもピッタリと収まる。なおこの組み立て家具はヒガシのLB1000。以前はトスカというブランドの製品だった

 上記の大きめの本棚のほとんどが「ほぼ触れることのない音楽CDと、たまーに触れる映画DVDに占拠されている」って、モッタイナイでしょ? モッタイナイんですよ。そこで音楽CDや映画DVDの圧縮的収納を開始したのであった。

 その圧縮収納に使うソフトケースのメディアパス。どの程度の「圧縮効果」があるのか? まずはそれを見てみよう。

音楽CDを1枚収納できるタイプのメディアパス(EDC-CME1シリーズ)に音楽CDおよび付属品を収納。オリジナルのプラスチックケースの半分程度の厚みになった感じ。前述の棚の一部には、プラスチックケース入りの音楽CDなら34枚程度収納できる。これでもけっこー高密度に収納されているような印象ではあるのだが……。同じ棚に、メディアパスに入れた34枚の音楽CDおよび付属品を収めると、スペースが半分以上空いた。ということは、満杯の棚の半分が利用可能スペースになる計算!!
トールケース入りDVD1枚が入るタイプのメディアパス(EDC-DME1シリーズ)に、DVDおよび付属品を収納した。厚みはトールケースの1/3程度になった雰囲気前述の棚の一部に標準的なDVDトールケースを詰めると、24枚収納することができた。トールケースは高さも厚みもCDよりあるため、あんまり入りませんな同じ棚にDVD24枚と付属品を入れたメディアパスを並べると、1/3くらいのスペースに収まった。そーとーな圧縮率!! 出現したスペースを有効活用するゼ!!

 メディアパスの場合、従来は34枚しか収まらなかったスペースに、やや余裕を持って68枚程度、無理すれば80枚前後の音楽CDを収められる。棚のスペースが半分くらい空く、もしくは、棚が従来の半分で済む、という圧縮効果があるわけですな。

 ちなみに、前述のサンワサプライ「DVD・CDケース ファイルタイプ」を使った場合、上記の「34枚のCDケースが入る棚部分」に144枚の音楽CDを収納できたりする。34枚→144枚!! 約4.2倍の収納量!! スゴっ!! こういうメリットがあるので、「検索性が悪いファイルタイプケース」と書いたが、検索性があまり重要ではない場合に大活用している。

 なお、この「34枚→144枚の例」で具体的に使っているのは、FCD-4804/7204/9604/12004シリーズの48枚収納タイプ+96枚収納タイプ。ファイルの奥行きもCDのプラケースとだいたい同じなので、棚の奥行きが合わなくなるという問題も少なくてナイスである。

 ただし前述のとおり、このファイルは裸のCDを入れるように作られているので、付属ブックレットなどは別途収納する必要がある。CDとブックレットを一緒に詰めつつ既定枚数まで入れるとファイルが閉じなくなるからだ。まあこういう制限はあるものの、CDを入れたファイルとは別に束ねたブックレットなど付属品一式を含めて「34枚のCDケースが入るスペースに144枚の音楽CDを収納できた」のは確かだ。

 さて、ここまでの結論を言えば、ある程度クイックに検索できたり、あるいは容易に並べ替えたり、1枚だけをすぐ取り出したりすることを前提にした圧縮収納になら、メディアパスが非常に便利だ。が、とにかくできるだけ圧縮率を高めてCDやDVDを収納するならサンワサプライの「DVD・CDケース ファイルタイプ FCD-4804/7204/9604/12004シリーズ」がイケてると言えよう。俺の場合は適材適所で使い分けている。

 

これって問題? 無問題?

 俺の場合、そろそろ「メディアパスによる音楽CD/映画DVDの圧縮収納」も終わりに近づいてきたという状況である。今後は音楽CDや映画DVD/BDを買ったら即座にメディアパスに詰め替えちゃおうと考えている。それほど好感触なメディアパスである。

 だがしかし、人によっては「ええ~っ、そういうクセがあるなら使いたくない」と思うかもしれないトコロもあるにはある。メディアパスの使いにくい部分ですな。でも人によってはその使いにくさを「ん? べつにそんなのどうでもいいよ」と思うかもしれない。というわけで、以下、ご参考までにメディアパスの使いにくさやクセ的なものを挙げてみよう。

 まず、CD/DVDをケースに入れた状態で棚に収めたときよりも「検索性が下がる」ということ。音楽CDも映画DVDも、メディアパスに入れると背表紙が見えにくくなるのだ。メディアパスを使うと、以前のように棚を真正面から見て目的のディスクを探すことが困難になるだろう。

 ただ、実際はメディアパスを棚に詰め込みすぎず、指を添えて斜めの方向から見れば、わりとちゃんと背表紙が見える。ぶっちゃけた話、メディアパスに入れたからと言って目視での検索が完全にできなくなるわけではなく、以前より少々検索性が落ちるといった程度だろう。

メディアパスに収納したCD/DVDを棚に入れると、背表紙が極端に見づらくなるこのように指を添えて斜め方向から見ていけば、まずまず目視で検索できるDVDも同様、斜め方向からなら背表紙が見えますな。棚に詰めすぎないのがポイント

 それから、メディアパスに収まりにくい音楽CDや映画DVDがあること。CDやDVDといったディスク自体は問題なく収まるが、付属品がうまく収まらないことがあるのだ。

 たとえば、トールサイズケースに収められたDVDなどに対応したメディアパスEDC-DME1シリーズ。やや古いDVDタイトルだと、メディアパスにジャケット(表紙/背表紙/裏表紙となる1枚の印刷物)が収まらないケースが多いように感じる。ほかのトールサイズ対応メディアパスでも同様。ジャケットが入らないのだ。

 この場合、ジャケットの端を切るか折るかしてメディアパスに入れる必要がある。俺の場合、1990年代後半~2000年代前半に購入した映画DVDが多かったためか、半分近くのDVDでジャケットの端を折る必要があった。折り目が付くのはもちろんジャケットの端にある文字情報が読めなくなって残念である。

やや昔に発売されたDVD映画によっては、ジャケットがメディアパスのサイズより大きかったりすることが少なくないそんなジャケットをメディアパスに収める場合、背表紙を正しい位置にするため、ジャケットの左右端を折る必要があるジャケットを折ればメディアパスに収まるが、ジャケットの端にある文字情報が読めなくなったりして非常にガッカリ

 新しめのDVDの場合はこのジャケット問題がほとんどないようだ。たぶんこの不都合はコクヨ側の調査不足ですな。同じトールケースでもやや横長のジャケットを封入したタイトルもあることまで踏まえ、ある程度余裕のあるサイズでメディアパスを作って欲しかった。ともかく「DVDをメディアパスに詰めようかな」と考えている方はこの問題に十分注意してほしい。

 ほかにも収まりにくいCD/DVDはある。たとえばかなり厚いブックレットが付属する場合などだ。ただしある程度の厚みまでのブックレットなら、厚手ブックレットにも対応するメディアパスプラス(MEDIA PASS+)シリーズを使えば収納可能だ。

 音楽CDについて、薄手のプラケースに入ったCDもちょいと問題がある。背表紙部分が極端に狭いCDですな。そのタイプのCDはメディアパスに収まるももの、背表紙が非常に見えにくくなるために検索性が大きく低下する。またメディアパスに入れても厚みが大して減らなかったりもする。ので、そういう音楽CDはそのまま薄手ケースのままメディアパスと並べておくほうがいいかもしれない。

 メディアパスに収まりにくいタイプのCD/DVDはほかにもあり、たとえば特殊な形状のボックスDVDなどは無理であり、3枚組以上でありかつ厚いブックレット付きのCDなんかも無理であって、8センチCDなんかも同様に収納不能だ。

 が、「付属品まで含めて収納することにはさほどこだわっていない」というなら、たとえばこういった裏ジャケット(CDケースボトム用カード)にCDタイトルなどを印刷し、CDとともにメディアパスに収めるという方法もある。カードを買うまでもなく、メディアパスの背表紙部にラベルライターで印刷したCDタイトル貼れば手っ取り早いですな。

 てな感じで、メディアパスへの収納に向かないCD/DVDは意外と少なくない。つーか「なーんで規格外サイズ的なCD/DVD作りやがるかな」とイラつくくらい、へんなサイズのCD/DVDパッケージは多い。前述のDVDジャケット問題なんかもあるし、音楽CDにも似た問題(裏ジャケットが微妙に大きめなものがあったりする)ので、試しに少量のメディアパスを買ってみて、入るかどうかチェックするのがいいだろう。

 それともうひとつ、音楽CDをメディアパスから出し入れする場合、CD表面に傷が付く可能性が否めないこと。収納部はCD表面に傷が付きにくい不織布で作られているが、出し入れすれば不織布との摩擦がある。不織布表面に硬いゴミが付着する可能性もあるし、出し入れ回数が多ければそれだけ傷が付く可能性が高まる。

 また、裏ジャケットをタイトルが見えるように収納すると、CD出し入れの際、気を抜いていると裏ジャケットとCD表面が擦れがちだったりする。傷が付かないように裏ジャケットをセットすることも可能だが、そうすると棚に並べたとき、CDタイトルが不織布に隠れて非常に読みにくく(もしくは完全に読めなく)なる。

裏ジャケットの端をこのように入れると、ディスク出し入れ時にCD表面と擦れやすくなる。が、こう入れないと背表紙が不織布に隠れてしまってタイトル検索性が極端に低下する裏ジャケット端とディスクが擦れやすい位置にセットしてあるが、CDタイトルはこのように良く見える。タイトル視認性を取るか、CDの保護を重視するか、ムツカシイところだ裏ジャケットの端=CDタイトルの視認性を重視して収納すると、CD出し入れ時にジャケット端とCD表面が擦れがち。まあ擦れても大した問題にはならないとは思うんですけどネ

 こういう問題、標準的なCD用プラケースでは非常に起きにくいですな。第一、CD表面がケース内部に接触するっつーことがほとんどないように作られている。てなわけで、「CDに傷が付く可能性が高まるなんて、絶対ダメ!!」と思う方は、メディアパスとかファイル型ケースとかそういうサードパーティー製のケースは使わないほうがいいと思われる。

 そういう細かなことをもっと言えば、メディアパスに入れて重ねて箱に入れてしまっていたらCDが歪んだとか、そーゆートラブルが起きても誰も保障してくれない、みたいな話ですな。オリジナルのプラケースに入れておいても誰も保障してくれないとは思うが、そのCDとかDVDが超マジで大切ってコトなら、そのまま大切に保管するのがいいと思う。

 いや、CD/DVDごときがこんなに幅を利かせてるのは納得できない。この棚の価格、そして棚専有面積分の家賃を考えたら、やっぱりCD/DVDは圧縮収納するしかない!! と思う方は、ぜひ一度メディアパスをチェックしてみて欲しい。CD/DVD棚、そーとーな空間ができますヨ♪

 

2011/10/17 06:00