BOSEのCompanion20で音遊び♪

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


BOSEのCompanion20で音遊び♪

 去年くらいからずっと「小さめで気軽かつ汎用的に使えるスピーカーが欲しいなぁ」と、わりと緩め薄めに考えていた。iPadでいろいろな楽器系アプリをイジり始めた頃から、かもしれない。ともあれ、拙者の用途にマッチすると思われるスピーカーが登場したので購入。BOSE(ボーズ)の「Companion20 multimedia speaker system」だ。

BOSEの「Companion20 multimedia speaker system」。大音量再生も可能なPC用スピーカーで、価格は3万3600円

 Companion20は一応PC用スピーカーだが、大音量再生にも対応しているマルチメディアスピーカーでもある。ていうか結局、音源のヘッドホン出力をつなぐだけで使える汎用的&大音量再生可能なアンプ内蔵のステレオスピーカーってわけですな。

 このスピーカー、ヘッドホン出力をつなぐ汎用のアクティブスピーカーとしてはかな~り高価。ちょっとしたアンプ+パッシブスピーカーが買える感じ。なのだが、敢えてこのスピーカーを選んだのは、拙者の使用目的/使用スタイルと超合いそうだったから。

 そして結果、超合った!! あら快適。まあ便利。よくよく使ってみるとやっぱり音がイイ!! てなわけで以降、購入理由なども含め、Companion20の機能や使用感をレポートしてみたい。

 

複数の楽器を同時接続OKなCompanion20

 拙者のCompanion20使用目的は、まあ汎用なんですけど、音楽関連機材をつなげて音を出すという目的が大きめ。音遊びのときに使うスピーカーとしてCompanion20を選んだとも言えよう。

 なぜCompanion20なのかと言うと、BOSEの高めのスピーカーだし音質的にガッカリすることもなさそーとか外観がカッコいーとかいう曖昧な理由のほか、2系統の音声入力があることが超デカい。そしてこの2系統入力、専用アクセサリにより4系統入力へと拡張可能なのだ。

 要するに、Companion20とアクセサリを買えば、4つの楽器など音源をつないで同時に音を出せる。iPadiPhoneOP-1テルミンをつないで音遊び~♪ なんて目的をサクッと達成できる。具体的には専用アクセサリIE-3IIを買えば、Companion20を入力4系統のアクティブスピーカーとして使えるようになる。

Companion20の電源や音量を制御する有線コントローラーのコントロールポッド。ヘッドホン出力端子や音声入力端子も備えるCompanion20には2系統の音声入力がある。そのままイキナリ、iPadとOP-1シンセサイザーとかをつなげて同時に音を出せるのだ専用アクセサリIE-3II。これをコントロールポッド下部に装着することで、Companion20の音声入力が4系統になる。価格は3360円

 1セットのスピーカーで複数音源を同時に鳴らすとなると、フツーはミキサーが必要。小さいミキサーも多々あるが、ミキサーと音源つないでさらにスピーカーに……とかメンド臭いじゃないスか。音遊び~音楽製作超好きな趣味人ならともかく、拙者とか突発的に思い立ったらチャチャッとつないで音出して、飽きたらササッと片付けたい。

 そういう使用スタイルにおいて、上記のように手軽に4系統の入力が使えて、使い終えたらコンパクトにしまえるCompanion20はピッタリでありバッチグーなのである。こういうコトできるスピーカー、なかなかナイんスよねえ。ともあれ、そんな理由で「かなり高いなぁ」と思いつつも購入したというわけだ。

 

低音も高音も、小さい音でも大きい音でも良好

 さてここでCompanion20の仕様などを少々。前述のように2系統の入力端子(3.5mmステレオミニジャック×2)を持つアンプ内蔵ステレオスピーカーですな。サイズは幅9×奥行き14.7×高さ22cmで、質量は右スピーカーが1.13kg、左スピーカーが1.07kg(接続ケーブル含む)。左右のスピーカーを結ぶ(左スピーカーから出ている)ケーブルの長さは約180cm。

 このケーブル長ゆえ、左右スピーカーを最大約180cmしか離せない。基本的にはスピーカーからわりと近い位置での使用が想定されている感じ。また、ナゼか定格出力は非公開だが、ぶっちゃけ、かなりデカい音が出る。最大音量で鳴らし続けると近所から苦情が来……る前に自分が苦痛になるレベル。しかし大きな音でも歪みやビビり的な不都合は起きにくい。ので、定位とかそーゆーコトを気にせず「音楽を部屋中に流したい」という目的も十分達成できると思う。

Companion20を真正面から見たところ。アクのないシンプルなデザインですな机上に置いて近距離で使うスピーカーのため、このように傾いた形状なのだ右スピーカー背面にはコネクタ類が。ACアダプタも右スピーカーに接続する
電源や音量を制御する有線コントローラーことコントロールポッドコントロールポッドにはヘッドホン出力端子と音声入力端子がある右スピーカー背面にも入力端子アリ。計2系統の入力を同時に使える
ACアダプターは約12×5×3cmで、若干大きめ少々邪魔めな感じフロントグリルはアルミ製。見ても触れても高級感があるBOSEロゴも金属製。フロントグリル以外の本体周囲は樹脂製
使用イメージその1。デスクトップPCと併用の図使用イメージその2。ノートPCと併用の図タブレット端末との併用もイイですな

 で、肝心の音質だが、拙者的感覚では低音も高音もボーカル域も、バランス良く出ていると感じた。高音はクリアで音のディテイルまでよく聞こえる。低音は「BOSEの低音だから厚過ぎ強過ぎ!?」と若干心配していたが、そういう感じではなく、自然でありかつ十分な重厚さを伴った低音、みたいな印象。

 もはやPC用スピーカーって感じじゃナイですな。音楽鑑賞できるレベルの汎用スピーカーだと思う。のだが、独自の立体感を感じさせる「TrueSpace ステレオデジタルプロセッシング回路」によるものか、サウンドがほーんの少しキラビヤカになるような印象もある。音にツヤが出る感じで好印象なんだが、Companion20をモニタースピーカーのように使う用途──たとえば音楽製作や映像製作などには微妙に向かないような気がした。

 ともあれ、サイズからはちょっと想像しにくい音質や音量を持つスピーカーであることは確か。「BOSE Micro Music Monitor(M3)」(http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/28187.html)の実力には驚かされたが、Companion20もまた驚ける要素を持っているスピーカーなので、ぜひ実機で音質や音量を確かめてほしい。

 

もうモトを取った……ような気がする

 Companion20を購入して10日程度だが、かな~り役立ってくれている。ノートPCやタブレット、iPhoneなどのスマートフォンにiPodなどのポータブルオーディオ、そして楽器類等々、いろいろな音源をちょいとつないでサクッと音を出せる利便がグレイト。まあこういうタイプの汎用的なアクティブスピーカーならだいたい同様の利便があるわけだが、Companion20は非常に音が良く、ある程度の大音量まで出せるってのがイケてる。

 実質的なハンドリングも良く、結局は小型ゆえの便利さ。場所を問わず設置でき、移動もラクだし、片付けて完全にしまっちゃうのも容易。必要なときだけ出してこられるスピーカーってのは意外なほど気持ちよく使えますな。実際、出したりしまったりするときは、右スピーカーに4本のケーブル(ACアダプタ/音源/コントロールポッド/左スピーカー)を挿抜するだけなので、作業的にもスムーズだ。

 あと、やはり便利なのが有線コントローラーであるコントロールポッド。電源(オンもしくはスリープ)の制御、音量調節、ミュート、ヘッドホンや外部音源の接続を、コントロールポッド部分で行える。有線なので1本ケーブルが伸びるものの、コントロールポッドさえ手近にあればソコで集中してCompanion20の機能を活用できて非常にラク。

 ちなみにこのコントロールポッド、サイズは直径6.25×高さ2.85cm。右スピーカーと接続するが、ケーブル長は97cm。設置位置的にけっこー融通が利くのであった。

 なお、Companion20は音声信号が2時間入力されない(もしくは音量が2時間最小)のままだと、スタンバイに移行する。自動で電源オフ(というか待機状態)に入るわけですな。この自動スタンバイ機能、やはりコントロールポッドの操作でオンオフを切り替えられる。

 使っていて気になったのは、電源オフ(スタンバイ)時のごく小さなノイズ。電源オンの状態ではノイズがないが、ナゼかオフにするとノイズが出る。拙宅の電源とか周囲の電気製品のせいだろうか? 原因はよくわからない。

 あとACアダプタの大きさ。ちょっと邪魔ですな。ACアダプタをスピーカー本体に内蔵してくれたりすると、さらにコンパクトかつ煩雑さを抑えて活用できると思う。

 個人的にはスピーカー本体がもう一回りコンパクトだったりすると嬉しい。ていうかこの実用性と音質を保持しつつ、どんどん小型化してくれれば有り難い。ってアタリマエの感想か。でもまあ、こんな小さなスピーカーからイイ音&大音量が得られるって、いい時代ですな。

 てな感じで、結局はかなり気に入れているCompanion20。3万3600円という価格は確かに「PC用スピーカーとしてはかなり高い」のだが、汎用しやすさと、サイズからは想像しにくい音質と音量は大きな魅力だ。ていうか、扱いやすいのでいろいろな場面で使う気になるし、使うたびにその音質に喜べるので、まだ使用開始後10日程度ではあるものの、なーんか既にモトが取れたと見通している気が早い拙者である。ステキなアクティブスピーカーなので、ぜひ実機に触れてみておくんニャさい~。

2011/8/8 06:00