電子タバコを楽しむゼ!! ~趣味編

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


電子タバコを楽しむゼ!! ~趣味編

 前回に引き続き、電子タバコについて。

 俺における電子タバコの世界は、大きく分けてふたつある。ひとつは国内流通品の電子タバコ。Amazonとかドンキホーテとか東急ハンズとかでフツーに売られている電子タバコ製品ですな。もうひとつは、海外から個人輸入などで手に入れる海外流通品だ。

Health e-cigaretteとDTターボプレミアム。どちらも日本国内で流通している電子タバコで、容易に扱える類だと思われる。ほかにも国内流通品は多々ある501系と801(302)系。海外で流通している電子タバコで、510系に関しては周辺機器や応用ノウハウも豊富にある。ただし基本的には個人輸入(海外通販)で手に入れる。こういった海外流通機種を日本語で購入できる国内ショップもある海外の電子タバコ系ショップを使えば、様々な大容量バッテリーMOD(Modification)やニコチン入りリキッドを個人輸入できる

 国内流通電子タバコと海外流通のソレについて、どちらがイイのかはユーザー次第。拙者的には、サクッと買えてすぐ利用するなら国内流通品で、さらにマニアックに突き詰めたいなら海外流通品がいいような気がする。

 で、現在の拙者は、主に海外流通の電子タバコを買いまくり中である。ナゼかと言うと、趣味性という観点での電子タバコに対する欲望を満足させるに十分な多様性があるからだ。また、それを実際に試す(購入する)においても、比較的に安価だということも大きい。安くイロイロ試せて遊べるという点で、専ら海外通販で電子タバコ関連のモノを買っているというわけだ。

 ということで、以降、主に海外流通品を中心として、拙者が買ったり使ったり喜んだり絶望したりした電子タバコおよび周辺機器各種を紹介しつつ、知り得たノウハウなども書いてみたいと思う。

初めての海外流通電タバ、510は「当たり」かも

 初めて買った海外流通電子タバコは510系。この件は前回でも書いたが、「ええっ!? 電子タバコってこんなに煙出るの? しかも旨いし!!」てな衝撃を初体験した機種である。

 この機種は知人から勧められたので、そのまま単純&鵜呑み的に購入した。海外流通品の電子タバコのコトがほとんどわからない時期だったので、とりあえず先人のオススメを購入、てな感じ。

煙屋本店という国内のショップで510PCCスターターKIT(ニコチンVer)を購入。電子タバコ使用開始に必要なものが一通り揃った詰め合わせだ。拙者における初の海外流通電子タバコであるキットに含まれていたPCC(Personal Charger Casing)。内部にバッテリーを備えた電子タバコケースで、電子タバコ(510系の標準バッテリー)に充電できる。ケースでありかつ、外での充電にも対応した外部バッテリーですな同時に購入したニコチン入りリキッド。風味はそれぞれタバコ(TAB)、カプチーノ、キャラメルとなる。どれもわりと好みの風味であった

 写真説明にあるように、この「510PCCスターターKIT(ニコチンVer)」は日本のショップから購入した。……つーか海外流通品とか言ってて最初は国内ショップで購入かよ!! とか突っ込まれそうだが、だって右も左もわかんなかったんだもーん。でもスグ欲しかったんだもーん。

 実際、ちょっと調べてみても略語や隠語ばっかりな電子タバコの世界、もしくは、いくらでもヒットする国内流通電子タバコ情報ばかり。また国内ショップで扱われている海外流通品についても、ショップウェブサイト上の日本語説明を読んでも意味がイマイチ……。

 ともかく、実機をサクッと買って、まずはイジって使って試行錯誤するのが近道だろう!! という勢いで情報よりモノを先にゲットする拙者であったが、結果、510購入は当たりだったと思う。後から知ったが、定番的な人気機種だし、後にほかの機種と比べたら使いやすいこともわかった。上の写真のPCCをはじめとする周辺機器の豊富さも510系電タバの良さだ。

 海外流通電タバについて拙者的結論から言えば、初めて手にするなら510から入るのもかなりオススメ。510なら情報も周辺機器も多く、海外市場における入手性も非常に高いからだ。あと、煙の量も味もイイと思う。

 さて、510を使い始めてその煙量や風味の良さを体験して喜んじゃったわけだが、同時にいくつかの問題や面倒くささも知った。

 具体的には、510に限った難点ではないが、たとえばバッテリーの保ち、カートリッジからのリキッド漏れ、違和感のある煙が発生する、風味や煙がイマヒトツ、等々。

 これは電子タバコという発展途上な感じのハードウェアの問題でもあるが、同時にユーザー(拙者)の未熟さも大きな原因である。が、都度、試行錯誤しつつネットで調べつつ、対処法やテクニックを得つつ……てなコトを繰り返していくと、非常にスゴくまったく快適に電タバ生活を送れるようになったりする。

 しかし、その前にひとつ、クリアすべきポイントがある。

専門用語や隠語をマスターしよう

 電子タバコに関する情報源として、初心者にまずオススメしたいのは電子タバコWiki電子タバコ用語あたりの読破。どんな分野でもそうだが、用語/基礎知識の習得ですな。

 というのは、前述のように、ネットで電子タバコの情報を集めようとすると、隠語や略語だらけなのだ。「そのアト力茶しすぎるとドロー重くなるし力漏れするよ」とか「ステッキV2より赤鬼eGo銀買えば」とか「天国のHGもいいけどおっさんのF3メンソにニコリキ入れるとモーモーだし旨い」とか、意味がちっとも全く微塵もわからん!! みたいな情報が多い。

 ちなみに、上記の例文を翻訳(!?)すると以下のとおり。

「そのアト力茶しすぎるとドロー重くなるし力漏れするよ」=「そのアトマイザにリキッドをチャージ(注入)しすぎると、吸い心地が重くなるし、カートリッジからリキッドが漏れてくるよ」

「ステッキV2より赤鬼eGo銀買えば」=「JANTY STICKのバージョン2(現在はバージョン3が最新)より、Totally WickedにあるTORNADO E-NIの銀色を買えば」

 「天国のHGもいいけどおっさんのF3メンソ3にニコリキ入れるとモーモーだし旨い」=「Heaven GiftsHG E-juiceもいいけど、Blue CigF3シリーズリキッド MENTHOL No.03にニコチン入りリキッドを入れると煙量も多いし旨い」

 とかなるわけだが、もはやディープな趣味用語ばかりですな。まずはこういった用語をクリアしないとその先の情報収集もおぼつかない。し、楽しくてしょうがねえ電タバ世界を知ることも難しい。

 でも、クリアしちゃえば、専門用語/隠語だらけの会話からヒッジョーに貴重な情報が得られまくる。ま、趣味の世界だからしょうがないとして、まずはゼヒ、こういった用語類をマスターしちまおう。

510系の良さと不便

 話を戻して510系のコトを。

 510系は総じて良い電子タバコ機種だと感じている。前述のとおり煙量は多めだしリキッドの風味も豊かだと思う。スマートな本体は携帯にも向く。それと、機構的に故障しにくいという点も大きい。

 電子タバコはスイッチがオンになるとリキッドで濡れたアトマイザーが加熱され、煙のようなものを発する。このスイッチの動作方法は2種類あり、吸い口を吸えば自動的にオンになるオート(バッテリー)タイプと、ボタン押下でオンになるマニュアル(バッテリー)タイプとなる。

 オートタイプは、センサが吸引を感知して自動的オンオフするという機構だが、このタイプ、吸わなくてもスイッチオンになったり、センサ部がリキッドで濡れたりすると誤動作~故障したりする。使用感は本タバ同様で平易だし、くわえタバコができたりしてイイんだが、センサの誤作動がトラブルを招くのも事実。

 510系には、オートタイプとマニュアルタイプがある。オートもマニュアルも、基本的には電源部の機構によるものなので、要は装着するバッテリーによって自動でも手動でも使えるというわけだ。

510のオートタイプとマニュアルタイプ(ボタンがあるほう)。オートタイプは吸うだけで煙が出る。マニュアルタイプはボタンを押している間だけ煙が出る。ちなみに、このオートタイプ(バッテリー)は標準よりも容量の大きいメガバッテリーオートかマニュアルかはバッテリー部の機構による。バッテリー部を交換すればオートでもマニュアルでも使えるというのが510の利便のひとつだ国内流通電子タバコのHealth e-cigaretteはオートタイプ。今考えると、拙者のHECが壊れたのは、バッテリー内のセンサ故障だったように思う

 510はオートで使うとカンタンだしくわえタバコもできてイイ感じ。じゃあマニュアルだと? 前述のように、まずは比較的に故障しにくいことがある。また、煙量をボタン操作でわりあい自由に調整できるのもメリットだ。ケースなどに入れてボタンの不意な押下を防げば誤動作(アトマイザが焦げたりする)を防げるだろう。故障のしにくさや意図したとおりの動作をさせられる点も加えると、(510に限らず)マニュアルタイプの電タバはより初心者に向くと思う。

 といったあたりが510系の良さだと思うが、その一方でいくつか不便っつーか難点もある。

 たとえば、マニュアルタイプだと吸うたびに指でボタンを押す必要があるので、くわえタバコができなかったり、操作に若干の慣れが必要ってのはある。ボタンを押す時間が長すぎるとイガイガした感じの煙が出るとか。

 それから510特有の問題として、カートリッジからのリキッド漏れがある。同時に(拙者の場合は)わりと頻繁にカートリッジへのリキッド注入(チャージ)を行う必要があること。あと、吸引時のズルズル音(←これは他機種でも起きがち)。

 リキッド漏れについては、使う(というか買った)カートリッジの個体差にもよるようだが、拙者の場合はよく漏れる。吸い口とアトマイザの継ぎ目からリキッドがジワリと。

 それから510は煙量多めの電タバなので、リキッドの消費量もやや多い。そのため、やや頻繁にカートリッジへのリキッドチャージを行う必要があるが、これが面倒なので一度に多めのリキッドを入れちゃいがちだ。

 しかしそうすると、上記のリキッド漏れを起こしやすくなるほか、余分なリキッドが吸い口近くにまで流れ、吸引時に「ズッズズズ」てな音が。それが過ぎると吸い口からリキッドが漏れ出して口に入って「まず!!」みたいな。結局、適切な量のリキッドを、やは頻繁にチャージするしかなくなる。

 リキッド漏れは510系にて顕著な問題だが、リキッドチャージが面倒!! というのは電タバ各機種共通の悩みだったりする。ヘビーな電タバスモーカーほど悩んでいるんだが、面倒がってリキッドを入れすぎると漏れたりするし、機種によってはセンサ部の故障を招く。リキッドが少ないと(つまりリキッドチャージを怠ると)、リキッドを保持している綿(実際は樹脂繊維)が焦げて喉に厳しい煙が出るしで、悩ましい。

 ひとつの解決策としては、DSE901という機種用のカートリッジを510で使う方法がある。901カートリッジはギリギリ510アトマイザに装着でき、510用カートリッジよりも隙間ができないため、リキッドが漏れにくいのだ。

 もうひとつ、拙者が現在実施中の方法がある。Japan e-Cigarette Forumで見つけた方法だが、カートリッジ内の綿の代わりに観賞魚の水槽用の濾過フィルターを使うというものだ。

エーハイム2213用粗目フィルターパッド。水槽用の濾過フィルターだが、ナンとコレを電タバのカートリッジに詰めるカートリッジに入っていた綿(白色のがソレ)を抜き、適切なサイズに切った水槽用フィルター詰めるのだ左ができあがったもの(カートリッジMOD)。ノーマルのカートリッジよりもリキッド保持量が増え、また、アトマイザへのリキッド供給もスムーズになった感じ

 この方法を試してみた結果、カートリッジをノーマルな状態で使っていたときより、保持できるリキッド量が増えた。また、アトマイザへのリキッド供給もスムーズになったようで、安定した煙量が得られている。ただ、510のバッテリー部を下にして立てて置いたりするとアトマイザへ多量のリキッドが流れ込んで要メンテナンスに。また、この水槽用フィルターも無理して使えば焦げるようで、ヘンな煙が出て喉がイガイガしたりすることも。

 って、な~んか細かい話ばっかり書いてる俺だが、電タバにハマり始めるとこのよーなカスタマイズやブラッシュアップばかりするようになる人が多いようだ。でも、そういったコトをして、巧く行くとマジ快適。拙者などはこの水槽フィルターテクニックを試して感動した!! 素晴らしい!! 510での電タバライフがさらに快適になったッ!! 的に。

 結局、追求しがいがある趣味の世界なんである。また、まだ生まれたばっかりって感じの電タバゆえ、改良しどころが多々。イジリ甲斐がある趣味として考えれば、飽きない遊びでもある。そーゆー方向って好きかも~、と思う方は、ゼヒ!! 海外流通の愉快な電タバをお試しあれ。

 って、まだ終わりませんよ。今回は激長記事になっても気にせず書き続けちゃうんですヨ。

やめられないMOD、止まらないMOD

 電子タバコに共通する問題は、電池の保ち。何しろ電池が切れると煙が出なくなるのだ。吸えないのだ。口寂しいのだ。この電タバユーザー共通の問題を解決すべく、いろいろなメーカーから様々な電源MODが発売されまくっている。すなわち大容量電池ボックス。

iVapour ElixirのSilver Bullet(通称:銀弾)と呼ばれるMOD。18650リチウムイオン二次電池を使用し、非常に長時間の連続駆動が可能だ。510アトマイザ+カートリッジを付けた状態だが、Silver Bullet本体はこのように大きく重いEastmallのIndulgence(通称:エロMOD)と呼ばれるMOD。電源に18650よりも小さい(短い)18350リチウムイオン二次電池を使用しているため、わりとコンパクトである。比較的に低価格で、510系、901系、401系、801系の各アダプタが付属する。後々も遊べる入門機としてイイかもJantyのJANTY eGo。MODとは少々呼びにくい電子タバコメーカー製の大容量電源だが、細めでわりと長時間使用できるため携帯にもよく向く。作りも良い

 MODを使うメリットは、もちろん電池交換の頻度を抑えられること。たとえば拙者のケースでは、510の標準バッテリーを使った場合は1日にバッテリーが2~3本必要はになる。1日中外に出る人なら、バッテリー切れを回避するため、必要分のバッテリーを携帯する必要があるし、複数の標準バッテリーをそれぞれ充電するのも面倒だ。

 また、標準バッテリーはMODに比べて蓄電容量が小さい。ので、バッテリーが減ってくると徐々に流せる電流が少なくなったりする。要は長時間にわたって安定した電力を(アトマイザに)供給できないので、煙量が減少するなどの影響が出てくる。この問題も大容量バッテリーであるMODを使えば抑えられる。

 あと、多くのMODは基本的にマニュアル式のバッテリーになる(別途アダプタがある機種はオート式にもなる)。吸引してセンサが働くオート式ではないので、センサの故障も基本的にはない。

 拙者の場合、現在はIndulgenceとJanty eGoを併用中。室内では専らIndulgence。出かけるときはeGo。複数の風味を平行して味わいたいときはIndulgenceでタバコ風味を、2本のeGo(eGoには2本のバッテリーが付属している)でメンソールと甘味系、みたいな。

 このパターンがわりと長く続いているが、標準バッテリーを使っているときよりもずーっと充電の手間が少なくて済むので快適だ。じつは電タバ(510)使用開始当初、こりゃイイ!! とか思って510標準バッテリーを7~8本買い増したのだが、こういったMODを使い始めてからというもの、標準バッテリーはお蔵入り状態。モッタイね~。

 バッテリーの保ちは電タバ生活の快適度をかな~り左右するわけであり、ヘビーな電タバユーザーは結局MODに目が向く。そんな理由から、海外流通電タバの最初の1台としてMODから入るのもいいように思う。最初から電池の保ちがいいほうが快適だしネ。

 ただしMODから入る場合、前述の電タバ用語のマスターなどのほか、もう少々知識を仕入れる必要がある。

 まず、欲しいと思うMODが(デフォルトでは)どのアトマイザに対応しているかだ。上の3つのMODは全て510系アトマイザにデフォルトで対応しているが、そうでないMODもある。510系アトマイザを使いたいと思っていても、ソレに対応していないMODを買えば接続不能で使えないってわけだ。

 そういう場合は、電源部とアトマイザ部をつなぐ変換アダプタが必要になる。たとえばHeavenGiftsで売られているE-cig Multi Adaptersの類なんかですな。ただ、こういったアダプタを使えば必ずしも電源部とアトマイザ部を接続して動作させられるかは、MOD機種やアダプタにもよったりする。このあたりが微妙で、まあだいたいはうまく動くようだが、時々「ソレナリのアダプタを使ったのに通電しニャい~」ということも起きているようだ。

Silver Bulletに510系のアトマイザ+カートリッジを装着したところ。Silver Bulletはデフォルトでは510系にしか対応していない。隣にあるのは801系のアトマイザ+カートリッジだが、これはこのままだとSilver Bulletに付かないんですなそこでHeavenGiftsの510-801 silver adapterを使用。「510-801」とは、510系用バッテリーに801系用アトマイザを装着するアダプタを意味するアダプタを使えばこのようにバッテリー部とアトマイザ部の組合せ幅を広げられる

 それから、MODつまり電源の電圧。フツー的な電タバは電源電圧が3.7Vとかだが、MODによっては6Vの電源電圧で使うものもある。その場合、アトマイザがその電圧に対応した(というか適した)ものでないと、トラブルが起きることがある。MODを買うときは、電源電圧表示にも注意すべき、と。

 てな感じで、電タバの基本的な種類や構造を知っていれば、アダプタを使っていろいろな電源とアトマイザを組み合わせることができる。好みの形状/デザイン/機構のMODに、好みのアトマイザを装着して使えるってことですな。

 MODを一度使い始めると、電池の保ちという点で手放せない存在になりがちだ。が、それだけで終わりにしづらいのが、MODの恐ろしい(!?)ところ。

 たとえば、気に入ったMODを使っていたら、ある日その色違いが出た!! うわ、あの色そーとー良くなくない? みたいに欲しくなるんですな。で、買っちゃったり。とかヤッてたら、別のショップ(メーカー)から、より洗練されてるっぽい新型MODが!! 超欲しぇーッ!! で、買ったりして。買ったらその新型の拡張部品が速攻で出たりして、色違いも出たりして……と、MOD沼にずぶずぶと。

 MODは、使えば電タバライフが快適になるとわかっている存在だけに、それが後押し理由にもなって、いろいろなMODを買っちゃう人が少なくないようだ。お友達でMOD使っている人がいても「これまでに電タバにいくらくらい使いました?」なんて聞いちゃダメなんである。彼/彼女はきっと微妙な表情になって返答に困るであろー。

電タバの煙のモト──市販リキッド

 国内流通の電タバは、カートリッジ内にあらかじめリキッド(フレーバー入り煙のモト/ジュースとも呼ばれる)が入っているものがほとんど。なので、バッテリーとカートリッジをつなげればすぐにフレーバーを味わえる。

 一方、海外流通品の電タバの多くは、空のカートリッジに自分でリキッドを注入し、それをアトマイザに装着するなどしてから吸う。ちょっと面倒ではあるが、長い目で見るとランニングコスト面でも有利だし、リキッド選び自体が楽しかったりする。

国内のショップBlue Cigで購入したリキッド。国内販売のリキッドにニコチンは含まれていない。拙者的にはBlue CigのF3シリーズリキッドがお気に入り。510系などの3ピース電タバで使うと、煙量も多いし風味もしっかりしていると思う海外から個人輸入したニコチン入りリキッド。世界中で超多数の風味のリキッドが売られている。ニコチン量は注文時に選べることが多く、ニコチン無しに指定できたりも。同じ名称の風味でもショップによって味が異なることが少なくないので、お気に入りの1本を見つけるのが少々難しいリキッドをカートリッジに詰めている様子。詰めるっつーか、ゆっくり垂らすんですな。新品のカートリッジやアトマイザを使う場合は、リキッド注入後、しばらくの時間馴染ませるといい。注入量は……あまり少ないとリキッド保持部が焦げたりして喉がイガイガし、多すぎると漏れたりトラブルを起こしたり。トライ&エラーで適量を見つけよう

 リキッドは国内ショップからでも海外ショップからでも購入できる。国内ショップで売られているリキッドと海外のリキッドの違いは、国内ショップのものにはニコチンが含まれていないこと。それから国内/国外では販売価格に大きな差があったりもする。価格差については電タバ本体も同様で、安い高いだけ言えば個人輸入をしたほうがそーとー安価と言える。

 ニコチン無しのリキッドは、純粋にその風味を楽しむためのものですな。種類にもよるが、ニコチン無しのリキッドでも十分タバコな感じで楽しめるものもある。ニコチンの有無に関わらず、フレーバーによっては部屋のなかが少しイイ香りになったりすることも。

 ニコチン入りリキッドは、ニコチンが体に及ぼす害を敢えてゲットしてクラクラしようゼ的な存在っていうか、本タバに近い吸引感を得られるリキッドだ。拙者的印象で言えば、ニコチン無しリキッドは総じて喉ごしがソフト。非常に軽い本タバを吸っているかそれ以下の刺激だ。ニコチン入りリキッドは喉に刺激的。含有量にもよるが、ある程度ニコチン量が多いと本タバの吸引感に非常に近い感覚が得られる。含有量が多すぎると頭がクラクラしたりも(←危険なのでなるべく含有量少なめを)。

 なお、海外で売られているニコチン入りリキッドにはニコチン含有量が記されている。が、本タバの表記とは異なる。たとえば、リキッドのボトルに24mgとか書いてあるんですけど、これはニコチン24mg表示の本タバ相当ではない(てかそんなに入ってる本タバはナイですな)。一般的な目安として、リキッドのニコチンmg数が24mgなら本タバの0.911mg相当、16mgなら0.519mg相当、11mgなら0.318mg相当……と、電子タバコWikiにあった。

 あと、海外からニコチン入りリキッドを個人輸入する(輸入代行サービスを含む)場合、薬事法の規定により輸入上限量が定められている。明確な数値はないがココにあるとおりで、1カ月に個人が消費する量以内までとなるようだ。ニコチン入りリキッドなら30~60ml、ニコチン入りカートリッジなら30本くらいという話もあるが、このあたりも曖昧。ひとりで多量に大人買いしたりすると税関で止められ、必要分以外を送り返したり破棄されたりすることになる。

 ちなみに、拙者の場合、24mgなどの強めのニコチン入りリキッドを少量(30ml前後)購入し、これをニコチン無しリキッドとブレンド、もしくは、リキッドを自分で調合する際のベース液として使うことが多い。「割ったり」するわけですな。そのための無味無臭なニコチン入りリキッドも売られている。たとえばJuicyLiquid.comで売られているFlavorless E-Liquidがそうだ。

 さて、電タバ用リキッドの世界も奥が深い。てか、試してみるまでその風味がわからないってのが現実。たとえば拙者の場合、マルボロ風味リキッドってのを試したが、全然マルボロじゃないじゃんコレ!! みたいな結果に。マズいわけではなかったが、リキッドの風味名はあまりアテにならないんだなぁ、と。

 逆に、アリエナイ風味名が付いていたけど、意外にイケる!! てのもあった。人それぞれだと思うが、拙者はカプチーノとかキャラメルがちょいと好き。なるほど、本タバの味ではアリエナイ系だけど電タバでは有り得るのか、と思っていろいろ挑戦したら「うわ激マズ!!」という結果になり廃棄処分寸前ってコトも少なくない。が、そういう激マズリキッドって、クセが強いからか、数日後にまた吸ってみると「あれ、意外にイケるじゃん」てな結果になったりして。拙者の臭覚とかってあまりアテになんないのかも!?

リキッドのブレンドや自作

 いろいろなリキッドを試していると、「この風味にもうちょっと苦みがあればいいなぁ」とか「コレにフルーティさが加われば旨いかも」などと思ったりする。そこで多くの人がリキッドのブレンドや自作に手を出す。単に違う風味のリキッドを混ぜたりするケースが多いと思うが、リキッドの完全自作も容易だったりする。

 いちばんカンタンなのは、何らかの風味のリキッドにメンソール風味リキッドを混ぜること。結果、全部メンソール系の風味になるわけだが、メンソールタバコが嫌いって人以外には「ソコソコ吸える新しい風味のメンソール」てなリキッドができる。また、「うっ、コレ、げろマズ!!」てなリキッドでも、メンソール風味リキッドを混ぜちゃうとアラ不思議。案外フツーに吸えるリキッドになったりする。

 リキッドの完全自作も容易……だが、旨いリキッドの完全自作だと、拙者はあまり成功した試しがない。ともあれ、手近な材料でリキッドを作ることができる。

 電タバ用リキッドの主な原料は、グリセリン、プロピレングリコール、精製水、香料などであることが知られている。市販リキッドにはフレーバーを出すための様々な成分(香料系)が含まれていると思われるが、たとえば単純なメンソール味ならグリセリンとハッカ油、精製水、エタノールをあたりを混ぜるだけでも作れる。

電タバ用リキッドはわりと容易に自作できる。ベースの原料となるのは、グリセリンやエタノール、精製水、それから香料など。その多くは薬局/薬店で購入することができる調合に使えそうなリキッドも市販されている。写真はJohnson Creekで購入したJohnson Creek Sample Pack v2。お試し用のリキッドだが、ニコチン無しで買うと調合用に便利な感じ食用のエッセンスなどでリキッドに風味を付加するのもひとつの方法だ。ほか、スパイスやハーブ、コーヒーなどから自家製チンキを抽出するやり方もある。拙者はガラムマサラチンキを作って試したが、わりとキテレツな風味であった。失敗ナリ

 リキッド自作の基本的なレシピの一部が電子タバコWiki自作リキッドレシピの項目にある。ほか、ネット上で電子タバコ用リキッドの自作レシピを見つけられるので、それらを参考に作ってみると愉快である。

 ただ、リキッドの自作~吸引はリスクを伴う行為でもある。たとえば混ぜる材料によっては有害な煙になる可能性もあるし、刺激物(唐辛子類やアルコール類)が入れば吸引時に肺が苦しくなる可能性も。アレルギー反応を引き起こす物質も同様、十二分に注意しないと肉体的なトラブルのもとになると思われる。また、ニコチン入りリキッド調合時、リキッド(ニコチン)が皮膚に付くのもよろしくない。ので、あくまでも自己責任で。てか、ヘンなモンの吸引にチャレンジしニャいでくニャさい~アブナイから。

 てな感じで、おもしろ愉快な電タバの世界。じつはまだまだ書きたいコトが多々──たとえば電タバケースの自作にフライフィッシング用のケースが案外イイとか、カートリッジの底へリキッド注入するにはコレが便利とか、このリキッドボトルケースが使いやすいとか話は尽きない。けど、このへんで。

 以上、拙者視点の電タバ案内になったが、まだまだわかりにくい電子タバコのアレコレ、知りたい方々のお役に立てば幸いっス。

2010/2/8 06:00