スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

あっそうだ、あのLED電球スピーカー、試してみよう♪

ソニー「LED電球スピーカー LSPX-103E26」

あっそうだ、あのLED電球スピーカー、試してみよう♪

 ここ数年、頓挫しっぱなしの事案がございまして。仕事場の天井へのスピーカー取り付けです。一応、スピーカー台座までは取り付けたんですけどネ。単純に「天井とか壁とかの配線が面倒」というコトで、ソコから先に進んでいません。

 天井付近の台座を見て「は~、とっとと配線しないとな」と思う日々が過ぎているなか、「あっそうだ!」と。もしかしたらアレがイイのかもしれないと思い、ソニーの「LED電球スピーカー LSPX-103E26」(公式ページ)を試してみることにしました。

ソニーの「LED電球スピーカー LSPX-103E26」。LED電球のなかにスピーカーが組み込まれたもので、照明器具としてもBluetoothスピーカーとしても使えます。1個で使うとモノラルですが、2個組み合わせればステレオでの使用ができます。ソニーストア価格は税別2万3880円(1本)。
天井の頓挫案件の風景。自分を中心に左右天井にスピーカーを取り付けて、気分良く音楽を聴きながら仕事をするのダ! という予定ですが、スピーカー台座までは取り付けたものの、配線が面倒で作業がストップしております。

 このLED電球スピーカーの存在は以前から知っていました。ですが、「はぁ? 電球にスピーカー? 無理に合体させてない!?」とか思い込んでいて、ほぼスルー状態でした。でも、よくよく考えてみたら「……いいかもしれない」と。

 フツーの電球用ソケット(E26口金)が使えるので、既存のソケットを使えば電源の確保が要りません。それに、ほぼ電球サイズで重くもないようなので、特別な取り付け金具なども不要。Bluetooth接続により無線で音楽などを再生できるので、面倒な配線も不要。天井にスピーカーを取り付けたいというワタクシの要望をアッサリ叶えてくれそうです。

 けど、1個2万円以上する製品です。ステレオで使うなら2個必要なので4万円以上。いきなり買うのもな~、というわけでソニーから2個を借りて、しばらく試用してみました。てなわけで以降、この「LED電球スピーカー LSPX-103E26」の機能や使用感について書いてみたいと思います。

あ~ら簡単! まあ便利♪

 早速「LED電球スピーカー LSPX-103E26」を天井に取り付けてみました。天井と言っても、仕事場の天井にはライティングレールが備わっているので、ライティングレールにE26口金を取り付け、そこにLED電球スピーカーをネジ込んだだけです。

天井にあるライティングレールに「LED電球スピーカー LSPX-103E26」をセットした様子。あとは付属のリモコンやスマートフォンなどでLED電球スピーカーを使います。操作のためにLED電球スピーカーに触れる必要はありません。
ライティングレール用の電球ソケットとしては、ELPAの「LRS-BNE26B(IV)」(公式ページ)を使いました。曲がるので、スピーカー部を自分の方向に向けられます。LED電球スピーカーは一般的な電球とほぼ同じサイズで重くないので、器具へバランス良く装着できました。
LED電球スピーカーの操作は、付属のリモコンやスマートデバイス用アプリで行います。主な操作はリモコンから行えて、コンパクトで扱いやすく、回して調光できるボタンも備えています。より細かな操作や設定は「SongPal」 アプリや「LED電球スピーカーアプリケーション」から行えます。

 使い方は簡単で、LED電球スピーカーの電源を入れ(つまり点灯して)リモコンのペアリングボタンを長押しし、スマートデバイス側からBluetooth接続するだけです。2台目のLED電球スピーカーをつないでステレオとして使う場合も、リモコンでボタン操作する程度。説明書はソニーのサポートサイトからダウンロードできますが、容易に使い始められると思います。

 使ってみたら、「そうかコレは電球ソケット用のLEDスピーカーで、どちらかと言えば電球部分はオマケなのかもしれない」とか思いました。何しろ電球用ソケットがある場所ならネジ込んで使えます。Bluetooth接続なので配線不要。「E26口金用のLEDランプ付きBluetoothスピーカーなのだなコレは!」と改めて思いました。

 しかしまあ、物凄く手っ取り早く設置できるスピーカーです。しかも机上とか床とかに置くわけではありませんので、使うために設置場所を改めてつくるのが不要であるケースがほとんどだと思います。そんなふうにサクッと設置し、すぐにスマートフォンなどスマートデバイス内のサウンドを自由に流せます。また、E26口金の照明器具は多種多様でホントに星の数ほどあるので、使う器具次第で自由自在に無線スピーカーを配置できたりします。

 なんか予想外に便利ですねコレ。スピーカーっていうと「さてどこに置こうか、電源はどうしようか、配線は……」みたいなコトになりがち。無線のBluetoothスピーカーでも「どこに置いて、電源はどうしよう」くらいは考える必要があります。このLED電球スピーカーの場合、「どのソケットにネジ込むか」という点は考える必要があるわけですが、ほかは悩む必要ナシ。気軽に設置できて無線でスッキリ使えるということで、この手っ取り早さ&スマートさを気に入る人は少なくないように思います。

音質は? 2本使うとどうなる?

 続いて音質。ワタクシ的な結論を言ってしまえば、音楽をBGMとして聴くくらいならまずまずの音質ですが、高音が少し強すぎて、低音がやや弱い、という印象です。かける曲にもよるんですが、ジックリと音楽を鑑賞するような用途には向きにくいと思います。

 たとえば低音と高音が強い(いわゆるドンシャリの)曲だと、低音が弱いので迫力が足りず、高音が目立つので聴き疲れしてしまうように思います。ただ、ボーカル域はわりとよく聞こえて、低音がかぶりにくくて聞き取りやすいです。また、低音もそれなりに出ますので、高音があまり含まれない曲は案外自然に聞こえます。

 アコースティック楽器演奏の曲とか、その上にボーカルが乗った曲とか、そういうアナログっぽい音だと心地良く響く感じ。意外に和楽器系の演奏は全体的にイイ感じで聴けます。一方、電子音が多く極端な高音も多々含まれる曲だと、耳が疲れるというイメージです。

 あと、意外に良かったのがラジオ。RadikoアプリのFM放送などを流すと、全体的にトークが明瞭に聞こえてイイ感じ。途中にかかる曲によってはうるさく聞こえますが、何かしながらラジオを流すにはよく向く音質だと思います。

 それと、音の広がり方が独特かも。まあ天井付近に付けているスピーカーだからとも言えますが、音が自然に室内に広がる感じ。上の方から聞こえてくるという印象でもなく、室内全体に音が流れているという印象です。

 なので、水の音や風の音、虫の声などを流す環境サウンドアプリなんかを使うと非常にイイ感じ。音楽だと強めの高音が目立ちますが、こういった効果音だと小さな音でも高音がしっかり際立ってくれて、そういう音が室内全体に自然に広がるので、とても良い「音の演出」になります。

 それから、この「LED電球スピーカー LSPX-103E26」は2本セットでも使えます。その場合の動作モードは2つあり、ステレオの音声が楽しめるステレオモードと、2本のスピーカーから同じ音が出るダブルモードです。両モードの切り替えは、リモコンのボタンを1度押すだけ。

 それぞれ試してみましたが、ステレオモードはわりとハッキリしたステレオ感が得られます。たぶん高音が強いからだと思いますが、部屋全体に音が漂っているものの、立体感は感じられるというイメージ。ただ、2本のスピーカーと等距離くらいの位置で聴かないと、どちらかのスピーカーからの音が大きく聞こえがちです。前述の環境サウンドですが、ステレオ収録されているものなら、ステレオモードで流すと空間の広がりがより強く感じられてリアルでイイです。

 ダブルモードでは、同じモノラルの音が2つのスピーカーから出ます。BGMとして音楽を流しておくなら、ステレオ感が気にならない(音に気を取られにくい)こちらのモードが良いかもしれません。

 なお、音量ですが、大きくすれば会話ができないくらいの音量まで出ます。大きくすると高音が耳に刺さる感じですが、高音が多くない曲の場合、音量を上げると低音の迫力も増しますので、曲によっては大きめの音で聴いたほうがイイ音に聞こえると思います。

 でもまあ、音質や音の広がり方は、実際に展示実機を試聴するなどしてチェックしてみてください。LED電球からそこそこちゃんと聞こえるサウンドが流れているのは、ちょっとオモシロい体験になると思います。

LEDランプとしてはどうなの?

 このスピーカー、LEDランプ機能も備えているわけですが、明るさは32段階で調節でき、リモコンからでもアプリからでも行えます。いちばん明るくしたときで40ワット電球相当とのこと。光の色は赤みを少し抑えた電球色という感じ。

 実際に夜間にランプとして使ってみると、天井付近に取り付けた状態で最大光量にしても、読書をするにはちょっと厳しいという印象。ややリラックスして何かをするのにちょうどいい感じの明るさです。LED電球の位置が近くになるスタンドで使えば、十分読書できる明るさになります。

 天井に付けた状態でいちばん暗くすると、明るめの常夜灯という感じ。グラスを傾けて物思いに耽るとか、静かに話をするときなんかに合うような、暗くて落ち着く明るさです。

 それから、好みのカラーで点灯させることもできます。色はリモコンのリングもしくはアプリから192色に変更可能。ただしカラーでの点灯時は明るさは固定となり、調光することはできません。

 もちろん、スピーカーとして使いつつ点灯させておくことができます。また、消灯して音だけ流すこともできます。

電球色で点灯させた場合、明るさは32段階で調光できます。カラーを192色に変えて点灯させることもできますが、その場合は調光ができません。

 ほか、音楽のリズムやボリュームに合わせて、点灯状態をリアルタイムで自動変更することもできます。音楽のリズムに合わせてランプ色が細かく変わる機能は、ある程度大きな音を出さないと効果が現れませんが、ちょっと楽しげな点灯モードです。暖色系、寒色系、パステルカラー、高彩度(ハデ)などのプリセットが選べるほか、ユーザーが「ここからここまでの色の範囲」などと指定できるカスタム設定も選べます。

点灯色を自動的に変化させる機能があります。細かな設定は「LED電球スピーカーアプリケーション」から行えます。
アプリからスリープタイマーも使えます。マニュアル設定では、5分~180分まで、5分刻みでスリープタイマーを設定できます。
こちらはアプリから点灯・消灯・調光をしている様子。

 全体的に演出用のLED照明というイメージです。生活のために明るく照らすような用途には向きませんが、BGMとともに雰囲気を盛り上げる灯りとしては活用幅が広いと思います。色の変化の様子や色合いそのものも、ソニーらしいというか、野暮な色の変化や色合いでなく、生活のなかにあって違和感が少ない光の演出と感じられました。

 てな感じの「LED電球スピーカー LSPX-103E26」。LED電球として十二分に明るいわけでもなく、Bluetoothスピーカーとしては「BGMとして流すならソコソコ聴ける音質」ではありますが、電球ソケットにネジ込めば即使える手軽さ、スピーカー設置に関わる細々した面倒がほぼナイというスマートさは大きな魅力です。

 余談ですが、ワタクシはこの原稿を書いている途中でポチッと購入しちゃいました♪ 台座まで取り付けた頓挫中のスピーカーはスッ飛ばして、無線で天井から降ってくるサウンドを楽しんじゃう予定。気軽に使えて楽しめて場所も取らないし面倒もないBluetoothスピーカーだと思いますので、興味のある方はぜひジックリとチェックしてみてください!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。