スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマホでもPCでも使えるサブディスプレイを購入♪

センチュリーの10.1インチ HDMIマルチモニター

スマホでもPCでも使えるサブディスプレイを購入♪

 ちょっとした必要性がいくつかあり、汎用性のあるディスプレイを購入しました。PCにもスマホにもつながる小型のディスプレイです。モノはセンチュリーの「10.1インチHDMIマルチモニター plus one HDMI (LCD-10000VH5)」(公式製品情報ページはコチラ)。ネット通販にて2万5000円くらいでした。

センチュリーの「10.1インチHDMIマルチモニター plus one HDMI (LCD-10000VH5)」。HDMI(HDCP対応)、VGA、コンポジットビデオの入力に対応した10.1インチディスプレイで、電源はPCなどのUSBバスパワーもしくは付属ACアダプターで使えます。小型軽量で持ち運びも容易です。スマートフォン用映像出力アダプタを使えば、スマートフォンの画面も表示可能です。※左画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 購入目的はいくつかあるんですが、ひとつはMacBook用のサブディスプレイとしてです。出先にてMacBookを使ってプレゼンのスライド(Keynoteドキュメント)を作る必要があるんですが、スキャナを使いつつスライドを作っていく感じ。いつもマルチディスプレイ環境を使っているので、「ノートPCの画面だけじゃ手狭過ぎる!」というストレスを感じまくりです。そこで「外出先でも手軽に使えるサブディスプレイが欲しいナ」と。

 また、以前からスマートフォンなどをつなげる汎用的なディスプレイが欲しかったというのもあります。今時的スマートフォン環境では、Wi-Fi経由でテレビなどに映像を映せますが、いつでもドコでも手っ取り早く「そういうコト」がしたいと思っていました。ので、単純明快にケーブル接続で映像を映し出せるこのディスプレイが「いいかも」と思った感じ。

 で、使用感的な結論から書いてしまいますと、「適した解像度以外だと細かい文字が粗く表示されたりする」などの制限があったりしますが、汎用性という面ではだいたい満足できました。また、MacBook用のサブディスプレイとして利用も(これも一部条件付きですが)実用的。ハッキリ言えば「カンペキを求めると価格的に不満が出るかも」ですが、「いろいろな機器とつながるし手軽&汎用的」という角度からは満足度が高い一台だと感じられました。

 それとこのディスプレイ、電源はUSBポートから取れますが、いわゆる「USBディスプレイ」とは違って、映像の入力はHDMIやVGA(D-Sub 15ピン)などで行います。「USBディスプレイ」の場合はPC側にドライバをインストールする必要があったりして、さらにスマートフォンなどは接続不可能だったりします。その点、こういう「とりあえずケーブル接続すればナントカなる」的なディスプレイはドライバの相性問題等々もナイですし、何かと手軽でイイ感じ。ともあれ以降、このサブディスプレイの機能や使用感について書いてみたいと思います。

ソレってどんなディスプレイ?

 まず「10.1インチHDMIマルチモニター plus one HDMI (LCD-10000VH5)」(公式製品情報ページはコチラ)の概要ですが、画面サイズは10.1型で解像度は1280×800ドットです。本体サイズは幅25.2×高さ17.5×厚さ3.2cmで、質量は約630g。PCのUSBポートやUSB-ACアダプターやUSBバッテリーを電源にできるので、「モバイル用途向けサブディスプレイ」という位置付けになると思います。

 入力端子は、HDMI、VGA(D-Sub 15ピン)、コンポジットビデオ、AUX入力(音声入力)で、背面にはスピーカーを内蔵しています(HDMI入力時やAUX入力時に有効)。簡易的な格納式スタンドも使えて、横置き(角度3段階)で自立します。じつは横置きでもう1段階角度を変えたり、ケーブルの取り回しを工夫しての縦置き(角度固定)も、一応できたりはします。

本体の使用イメージと付属品。AUX接続用の音声ケーブル以外のケーブルは付属していますので、ケーブルを買い増す必要はあまりなさそうです。ノートPCとのHDMI/VGA接続以外にも、スマートフォンや各種映像機器とも接続できます(HDMI入力はHDCP対応)。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。
背面の様子。中央上部にはスピーカーが内蔵されています。また、その下には簡易スタンドが格納されています。※右画像は製品説明書より抜粋。
左側面には入力ポートが並び、右側面にはスイッチが並んでいます。※画像はメーカーウェブサイトおよび製品説明書より抜粋。
背面の簡易スタンドを使えば、横置き時に3段階の角度で自立させることができます。サイズ感は9.7インチiPadとだいたい同じですが、iPadよりかなり厚いというイメージです。※左画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 電源をUSBから取れて、HDMI/VGA/コンポジットビデオの3種類の映像入力端子がある汎用的なディスプレイ、という感じです。が、念頭に置くべきは「解像度が1280×800ドット」ということと「画面のアスペクト比が16:10」だということです。

 このディスプレイの場合、1280×800ドット以外の解像度の映像が入力されると、ほぼ全ての場合でスケーリングされ、多くのケースで強制的に画面サイズに縮小表示されます。つまり、1280×800ドット以外だとドットバイドットでは表示されないわけですな。またその場合、元の映像のアスペクト比が16:10以外だと、縦もしくは横が引き延ばされて、若干縦横比が正しくない映像となってしまいます。このあたりについては説明書(PDFのリンクはコチラ http://www.century.co.jp/support/download/lib/manual/LCD10000VH5_m01.pdf)の49ページにも明記されていますので、購入を考えるならご一読を。

 ツイデに、スケーリングされた映像は、高コントラスト部にノイズのようなものが見え隠れしたりも。「カンペキを求めると価格的に不満が出る感じ」と前述したのは、そういう「映像に対して常に最適な表示を行ってくれるわけではない」という、やや目立つ制限・性能があるからですな。

 ただ、「とりあえず1画面→デュアルディスプレイになればOK」「スマホの写真や動画が大きく表示されればいい」というのであれば、そ~んなには気にならない制限・性能でもあります。場合によっては上記のクセが気になるものの、入力端子も豊富でつなぐだけでOKなので、「まあ手軽で汎用的」とも言える製品です。

 って書いてる時点で「ちょっとビミョーなんだろうな」とご想像されたかと思います。確かに、見方によってはビミョーかも、ですが、ともあれ実際どういう感じで使えているかを以降に。

MacBookと接続してみて

 まずはMacBook各種とHDMIやVGAで接続してみました。どちらもMac側で表示解像度を選べます。HDMI接続時だと「1920×1080」もしくは「1280×720」からひとつを、VGA接続時だと「1280×800」もしくは「1280×720」からひとつを選べました。

 で、とりあえず、結論的なコトを言ってしまいますネ。大雑把ですが。

 まず、HDMI接続時は(上記解像度のアスペクト比が16:9なので)映像がすこ~し縦に伸びたりしつつ、ディスプレイ側のスケーリング処理により画像のハイコントラスト部周辺が粗くなったりします。ので、「細部をジックリ読んだり正確なカタチを見る用途には向かないけど、だいたいどんなモノが表示されているかザックリ見るならOK」という印象です。

 また、HDMI接続時はディスプレイ背面のスピーカーから(MacBookからの)音が出ます。音質はさほど良くないですが、HDMIケーブル+電源用USBケーブルだけでサブディスプレイとの接続が完了するのは手軽でナイスです。

MacBookとHDMI接続し「1280×720ドット」で表示した場合のサブディスプレイ表示(部分拡大)。細かな文字はかなり粗く表示されてしまいます。サムネイルなども粗く見えますが、大まかな内容をチェックするなら大きな問題はないレベルです。ただし、若干縦長の映像になり、「○」は縦長の楕円に見えます。

 続いて、VGA接続時。VGA接続というと「表示が汚い」という先入観があるワタクシなんですけど、つないで表示させた瞬間「あらっキレイ!」とか言っちゃいました。上記のHDMI接続と比べると、文字の視認性は高いし、サムネイルも滑らかに表示されるし、解像度も実用的なので、とても実用性が高い接続方法だと思います。

MacBookとHDMI接続し「1280×800ドット」で表示した場合のサブディスプレイ表示(部分拡大)。文字も画像も十分キレイに見えるドットバイドット表示になるようです。映像の縦横比が狂うような問題も感じられません。

 キレイでナイス! なんですが、残念ながらディスプレイからは音が出ません。音を出すためには、MacBookなど映像ソースの音声出力端子とディスプレイのAUX端子を、オーディオケーブルで接続する必要があります。とは言っても、MacBookとディスプレイは近距離にあり、MacBookから音が出ますので、実際はオーディオケーブルをつなぐ必要はなさそうです。

 ちなみにですが、VGA接続時に「1280×720」を選んでも、画面上下がトリミングされつつのドットバイドット表示になっているようです。この解像度のアスペクト比は16:9なので、用途によってはこの表示設定のほうが好都合かもしれません。

 なお、接続に試したMacBookは、11インチ MacBook Air(Mid-2013)、12インチ MacBook(Early 2015)、13インチ MacBook Air(Mid-2013)、15インチ MacBook Pro(Late 2013)です。機種/出力タイプによってはサードパーティの映像出力アダプタを使いました。どの機種でも、MacBookのUSB出力から、このディスプレイの電源を取ることができました。

 余談ですが、MacBook(12インチAirを使いました)を出先で使ってのプレゼン用スライド作成、このディスプレイを追加したらヒッジョーに捗りました。接続方法はVGAとHDMIの両方を試しましたが、サブディスプレイで行ったことはスキャン用ドライバの範囲選択とスキャン結果確認程度でしたので、より多くの要素を表示可能なHDMI接続が便利でした。やはり、モバイルでもデュアルディスプレイが使えると快適ですな♪

iOS端末と接続してみて

 iPhoneやiPadなど、iOS端末とも接続してみました。接続にはアップル純正の「Lightning - Digital AVアダプタ」や「Lightning - VGAアダプタ」を使いました。その結果をザッと書いてみますと……。

 まずHDMI接続では、表示が少々粗めな感じ。ホーム画面ではアスペクト比が合わないようで、アイコンなどの縦横比も少々狂います。音はそのまま出力されます。サブディスプレイ上で文字を読むなどする場合は見づらいですが、写真や動画を「精査するようなスタンスでなく眺めるような感じでなら」大きな問題はないように感じました。

 それからVGA接続時ですが、表示は滑らか。ホーム画面ではアスペクト比も正しいようで、アイコンなどの縦横比も正しく見えます。

iOS端末とHDMI接続したときの表示。アイコンやサムネイルは粗い印象の表示になり、縦横比も少し狂ってしまうようです。階調もイマイチな感じです。動画などのコンテンツはさほど違和感はないのですが……。
iOS端末とVGA接続したときの表示。映像も滑らかで、文字などの視認性も高いです。ホーム画面や写真表示に関しては、縦横比も正しく見えます。わりと快適に「コンテンツをより大きいディスプレイに表示」できて快適に利用できます。

 ワタクシ的結論としては、iOS端末接続時は、VGA接続だと文字を読むにしても動画を楽しむにしても快適です。階調表現も滑らかとう印象。ただし音はiOS端末から出てしまいますので、使い方によっては若干の違和感があるかもしれません。

 iOS端末と接続する場合は、HDMI接続にするメリットはあまり感じられませんでした。唯一メリットはディスプレイ背面から音が出るということですが、しかし、実際はディスプレイからの音よりもiOS端末からの音のほうが数段高音質だったりします。ので、iOS端末とはVGA接続したほうがイイ感じで使えると思います。

 ……MacBookとの接続時も、VGA接続の方が良好な使い勝手でした。ので、このディスプレイ、鋭意VGA接続して使ったほうがシアワセになれる度がより高い製品なのかもしれません。もしかして、コナレたVGA表示サブディスプレイにHDMI表示を無理に追加して作った製品なのかな、などと妄想しちゃったりもします。

 ほか、細かな難点まで挙げておきますと、各種機能設定を行うためのメニュー表示はフツーなんですが、ボタン類が背面にあるのでかなり操作しにくい感じです。設定時、いちいちディスプレイ背面を見てボタン操作する感じ。

 また、入力モードを変更するスイッチがスライド式で、入力モード変更がちょっとしづらい感じもあります。でもコレは頻繁に行うものでもないので、実用上あまり気にならないと思います。

 それと、これは個体差かもしれませんが、購入したディスプレイは初期設定だと色味がほんの少し薄くアンバーがかっている印象でした。これは色調節で補正できますが、上記のようにメニュー操作が少々やりにくいので、ビミョーな手間を感じたりしました。

 あと、画面がグレア(光沢)なので映り込みが少し気になったりも。でも、十分明るく表示できるディスプレイなので、多くのケースでそ~んなに気にならない感じ。

 前述のように、9.7インチiPadと同じようなサイズ感でわりと軽いのと、USBから電源が取れるので、わりと利用する(持ち運んで使う)機会が多かったりするディスプレイです。ので、携帯時に画面を保護できるカバー的なモノが付属していたら、より実用性が高いかも、とも思いました。

 てな感じの10.1インチHDMIマルチモニター plus one HDMI (LCD-10000VH5)」。細々書いてきましたが、HDMIもVGAもコンポジットも受け付けたりUSB電源で動作する汎用性、小型軽量からくる携帯性や手っ取り早さなど、なかなかヒキの強い製品だと思います。HDMI接続時とVGA接続時では性能面での印象が異なりますが、用途や使い方によっては「悪くないコストパフォーマンス」を発揮してくれたりしますので、興味のある方はジックリとチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。