みんなのケータイ

 ドコモのLTE網を使う「OCN モバイル ONE」のSIMカードを装着して利用している「Nexus 6」。筆者の端末は、10月23日に最新のAndroid 6.0へのアップデートが可能になったと通知が出た。

Android 6.0のアップデートファイルをダウンロード
基本は5.xと変わらないAndroid 6.0のホーム画面。日本語フォントは角ゴシック系に変更された

 10月23日というのはAndroid 6.0をプリインストールして出荷される「Nexus 5X」が発売された直後とあって、事実上の人柱状態であるため不安もあったが、筆者が利用している大人しめのアプリはいずれも問題なく動いている。例えば、不安なのは銀行系やクレジットカード系アプリだったが、三菱東京UFJ、じぶん銀行、三井住友カード(Vpass)はいずれもエラーなど出ずに起動した。デレステもしまむーが可愛いままで安心した。スクウェア・エニックスのワンタイムパスワード用アプリは、万が一起動できないとエオルゼアにある自宅に帰れなくなるが、こちらも問題なし。ヘビーユーザーになりつつある「BOOK★WALKER」も変わらず動いた。ハッカドールが通信によく失敗するドジっ娘なのは多分前からだ。

 というか、iOSの騒動を見ていると、SIMカードの動作そのものも大丈夫かな? と不安が頭をよぎったが、問題はなかった。ただ、APN設定ではプリインストールされている項目数が若干整理されて少なくなったようだ。

 Android 6.0では内部的にはいろいろ変更もあり、アプリ権限の変更により、一部のアプリはAndroid 6.0にアップデート後、初回起動時に再承認のダイアログが出る場合がある。検索についても強化されているが、こちらは今後試していきたい。

 アプリトレイ(一覧画面)については上下スクロールのみになり、最上段によく使うアプリが優先して表示される。実はこの仕様変更については、Android 6.0にアップデートされる直前、Android 5.x時代にもNexusシリーズには先行して適用されていた。

 日常的な利用で最も大きく影響があるのは、Android 6.0の日本語フォントが、それまでのデフォルトである丸ゴシック系ではなく、角ゴシック系になったことだろうか。しかもフォントに関する設定が存在せず、開発者系のアプローチでないと変更できないようだ。いわゆる“中華フォント”のような代替フォントではなく、きちんとした美しい角ゴシックで、アルファベットのフォントとバランスが取れた言えばそれまでだが、Androidらしい“選択の自由”が少し失われてしまったのは残念な気がする。もっとも、これはあくまでNexusシリーズに提供されるAndroid 6.0の話であり、端末のメーカーが違えば事情は異なると思われる。

 日常的にもうひとつお世話になりそうなのが、「通知」機能のカスタマイズ性の強化だ。

 スマホに「通知」が表示され、手元の作業を中断して確認してみたら、配信停止を忘れているショッピングサイトのメルマガだった……などという経験は誰しもあることだろう。メールに限らず、SNSなどの通知でも同様だが、“緊急の用事が通知によってもたらされた”という経験が過去にある限り、通知の類には、即座に開封しなければならないインセンティブが常について回る。

 加えて、アプリがそれぞれ自在に通知を行えることで、通知の頻度は益々増加傾向にあり、ユーザーが重要度を付けて、ふるいにかけなければいけない状況にきている。Android 6.0では、通知の制限機能として、まったく通知を表示しない「サイレント」、「アラームのみ」、アラームを含むリマインダーや予定、指定した人からの着信を表示・通知する「重要な通知のみ」を選べるようになった。「重要な通知のみ」は内容のカスタマイズも可能なほか、これら通知の制限時間を限定して適用することも可能になっている。

 例えば、「これから1時間」は「重要な通知のみ」という設定もできる。従来から、就寝中などの時間帯を指定して着信音をミュートにすることはできたが(★マークになるアレ)、もう一歩、カスタマイズ性を進めた形だ。

 ロック画面や通知エリアに表示される具体的な内容をマスクする機能もある。

 ちょっと離席した際に「ケータイ鳴ってるよ~」とスマホを渡されたものの、ロック画面にはニジエのメルマガのイキイキとした冒頭の文が表示されていた……などという事態は、円滑な社会生活のためには可能な限り避けねばならない。Android 6.0“マシュマロ”は、こうした尖った通知も優しく包み込んでくれるのである。