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ドコモの「PREMIUM 4G」は下り最大300Mbpsへ高速化。写真は有楽町の「ドコモラウンジ」

 携帯電話各社は、2015年冬-2016年春モデルの新機種を発表。ドコモとKDDIからは従来よりも高速な通信速度である、下り最大300Mbpsに対応する機種が発表されました。

 ドコモの「PREMIUM 4G」は「キャリアアグリゲーション」(CA)や「高度化C-RANアーキテクチャ」を用いることで、通信速度の最高速度高速化だけでなく、通信の混雑地域における実効速度の改善などにも効果があることをドコモはアピールしています。

 ただし、PREMIUM 4G対応機種をPREMIUM 4G対応のサービスエリア内で使った場合でも、スマートフォン・タブレット・モバイルWi-Fiルーターの本体に「PREMIUM 4Gが有効」という類いの表示はされないため、ユーザー側で実際にPREMIUM 4Gが有効な状態で接続中かどうかを簡単に知る方法は用意されておらず、端末の表示上はあくまでも従来と同様に「4G」あるいは「LTE」接続中と表示されます。

PREMIUM 4G対応「Wi-Fi STATION N-01H」。下り最大300Mbps接続時でも表示は「LTE」接続となる

 このような仕様についてはドコモに限った話ではなく、KDDIやソフトバンクが発売する各機種、またはSIMフリーのモバイルルーターでCAに対応する「Aterm MR04LN」などでも、CAが有効になっている状態かどうかを知る方法が無く、CA接続が有効かどうかが明確にわかる機種は国内向けに発売されていません。

台湾向けのGalaxy S6 edge。CA有効中に「4G+」の表記に

 一方で、海外向けのスマートフォンではCA接続中に、端末上の表示が「4G+」などになる機種もあり、CAが有効となっていることがが一目でわかる機種も販売されています。

 国内の通信事業者や端末メーカーにも何らかの考えがあって現在の仕様にしていることとは思いますので、単純に「海外ではCA接続中であることがわかる機種があるから、日本のキャリアも同様にすべき」とは思いません。しかしながら、各キャリアが盛んにアピールする「従来より高速な通信方式での接続」が、端末のディスプレイ上に表示するという最もわかりやすい方法で表示されないのは、少々もったいないように思います。

 端末ディスプレイ上の表示ではありませんが、3G時代にはドコモが提供する「FOMA」サービスの通信速度を高速化した「FOMAハイスピード」が利用可能な状態かどうかを判別するiアプリ「FOMA通信環境確認アプリ」が提供されており、現在利用中の環境で高速な通信が利用可能かどうかを判別できました。同アプリが多くのユーザーに使われていたかどうかは不明ですが、スマートフォン時代になりデータ通信速度がより重視される今、高速通信が有効になっているかどうかを調べる手段が用意されていないのは少々寂しく感じます。

 そういった点をユーザーが意識することなく、いつでもどこでも快適なモバイルデータ通信が行える状況になれば、実用上は特に不便があるわけではなく、各キャリアもそれを理想としていることも考えられるのですが、各キャリアが高速な通信速度や新しい通信速度をアピールする度に「そんなにアピールするなら、わかりやすく見せて欲しいし、ワクワクするのに」というのが筆者の本音です。