みんなのケータイ

 さまざまなWebサービスがそうであるように、iOSの「Siri」も進化している。それも気がつかないうちに、いつのまにかに進化している。

一時期は1ドル100円で大ざっぱに暗算できたが、いまソレをするととてもキケン

 2カ月前(6月24日)掲載の「みんなのケータイ」で、筆者はSiriについて「もうちょっといろいろなことができて欲しいな」と、通貨や単位の換算などができないことについて指摘した。しかし現在、Siriは単位換算が可能になっている。いつ対応したかはわからないが、機能が追加されたようだ。

 たとえばSiriに「69.99ユーロは何円」と聞くと、最新のレートで換算してくれる。「42インチは何センチ」のような単位換算もできる。

Appe WatchのSiriでも計算や単位・通貨の換算ができる

 大きな数字の認識がちょっと苦手なようで、たとえば「78000」だと誤認識されにくく、「7.8万」だとかろうじて認識してくれる。「7.8万÷4」のように計算もできるが、誤認識も多いので、細かい数字で正確な計算をするときは、計算機アプリを使った方が早そうだ。

直線距離の計算は海外都市でも可能

 それ以外にもいろいろな質問に答えてくれる。たとえば「東京から大阪までの距離は」と聞くと、約397kmと答えてくれる。単純に座標情報から直線距離を割り出してるだけのようだが、「ここから富士山までの距離は」「富士山から草津白根山までの距離は」でもOKだったりと、実用性はともかく、けっこう面白い機能となっている。

 ただ、地図関連のデータは、Googleに比べるとまだまだ弱い。Androidの音声検索だと、「東京から大阪までの距離は」と聞けば、車や公共交通機関でのルートを算出してくれる。Siriでも「東京から大阪までのルート」と聞けば、ルートを検索してくれるが、アップルのマップは公共交通機関に対応しないなど、データの面からGoogleの方が実用性は高い。

営業時間は移動中に調べたいので、データを充実させて欲しい

 また、たとえば「ビックカメラ新宿西口店の営業時間は」と聞くと、Siri(アップルのマップ)にはデータがなく、「わかりません」と言われてしまうが、Googleの音声検索に「ビックカメラ新宿西口店」と聞くと、営業時間情報を含むGoogleマップのスポット情報を表示してくれる。アップルのマップはこうした細かいデータがGoogleに劣るので、もっと充実させて欲しいと思うところだ。

Apple Watchでメガロドンの写真を検索できる。これで古生物ファンにモテモテだ

 雑学知識の検索は、SiriもGoogleの音声検索もそこそこ対応していて、どちらも「東京の人口は」で数字を示してくれる。また、「××の写真を見せて」みたいな質問から写真検索も行なえる。実用性が高いかは微妙だが、酒を飲みながらの雑学検索には使えるのではないだろうか。

Siriのヘルプ画面にはない機能もたくさんあるので、いろいろ試してみよう

 iOS 9ではSiriが強化されることがアナウンスされているが、OSのバージョンアップとは関係なく、Siriの機能は随時追加されている。いつのまにかに単位換算に対応してくれたことにより、個人的にはさらに実用性が向上した。iPhone/iPadのSiriはホームボタン長押しだけで起動させられるので、アプリを使うより手っ取り早いことも多い。あまり使ってないという人も、まずは「何ができるの」と聞いてみて、どんな機能があるかを確認しつついろいろ試してみることをおすすめしたい。