みんなのケータイ

 「電子書籍元年」と言われ続けて早数年。いまだに元年が明けていない気がするのは自分だけだろうか。というか、「電子書籍元年」と騒いでいるのは一部のメディアであり、ユーザーやプレイヤーは、そんなことを気にすることなく、普通にスマホやタブレットで書籍や漫画を楽しんでいると思う。

 自分も、タブレットで「ビューン」や「dマガジン」を愛用し、暇なときは、立ち読み感覚で雑誌を読むのが当たり前になってきた。音楽配信ビジネスはストリーミングによる定額制が一般的になりつつあるが、雑誌も「読み放題」というのが、ユーザーに定着しそうな気がしている。

 書籍に関しても、できるだけ紙の本は買わないように努力している。「どうしても読みたいけど電子書籍で売っていない」という場合は仕方ないが、「電子」と「紙」が選べる場合は迷わず電子書籍で購入している。なんといっても「その場ですぐに買える」という魅力は大きい。

 Amazonの「Kindle」やソニーの「Reader」が出始めたころは、それぞれ買って読んでみたが、いつの間にかスマホやタブレットのアプリで読むようになっていた。やはり、「電車の中だろうが、すぐに本を買える」「本を読むのに飽きたら、別のアプリを使える」と言う点で、スマホやタブレットのほうが利便性が高いと感じたからだ。

 かといってReaderを全く使わなくなったかといえば、そんなことはない。執筆が終わったばかりの原稿のテキストファイルをReaderに転送し、じっくり読んで校正するというのに使っていたのだった。電子ペーパーに表示させて読むと、パソコンの液晶画面とは違った見え方になるので、誤字脱字が見つけやすい。本来であれば紙に印刷して校正すればいいのだが、ソフトバンクを見習って、ペーパーレスを実践していることもあり、できるだけ紙の出力は避けたい。ならば、紙に近いとされる電子ペーパーに出力しようと、Readerを活用していたのだった。

 しかし、先日、海外出張の際にReaderをスーツケースの中に入れていたら、壊れてしまい、使い物にならなくなってしまった。そこで、次の「電子書籍端末」として、物欲をそそられたのが「Kindle Voyage」だった。

Kindle Voyage

 久々にKindleを購入したが、何と言っても解像度が高く、文字の表示が美しいのがいい。昔も電子ペーパーは「紙に近い」と言っていたが、さらに読みやすくなったように感じる。本体も軽く携帯性も申し分ない。左右の縁の部分を触ってのページめくりの操作性はまだしっくりこないが、いずれ慣れてくるだろう。

 ただ、仕事柄、3G内蔵モデルを購入したが、2万6680円は正直言って高いように感じる。Kindle Paperwhiteが1万円前後で買えることを考えると、Kindle Voyageを買おうか迷ったのも事実だ。

 とはいえ、せっかく購入したので、しばらくはスマホやタブレットではなく、Kindle Voyageで本を読んでみようと思っている。