みんなのケータイ
iPhone 6の画面サイズには「慣れ」と「対応アプリ」が必要
【iPhone 6】
白根雅彦
(2014/10/22 06:00)
iPhone 6/6 Plusの両方を購入したが、結局iPhone 6をメインに使うことにした。iPhone 6は4.7インチと、最近のAndroidスマホと比べれば小ぶりな部類に入るが、しかし4インチのiPhone 5s/5c/5に比べると、けっこうな「大画面化」となっている。
筆者の場合、すっかり4インチのiPhoneに慣れきっていたので、この「大画面化」により、「片手での操作」に大きな影響を受けている。
筆者はこれまでのiPhoneを「小指を下端に引っかける」というスタイルで操作していた。この握り方に慣れているせいで、iPhone 6でもこの握り方の方が文字入力などがしやすいのだが、そのままだと画面の右上(左手で操作)が致命的にタッチしづらい。そこで、画面右上の操作が必要なときは少し上を握るように握り替えている。
iOSの画面右上は、検索フィールド消去の「×」やメールの「送信」など、文字入力と合わせてタップするUI要素が表示されるので、握り方を変えることが多く、慣れていない現時点では煩わしさを感じている。
ホームボタンをダブルタップすると、画面表示が下にスライドするサポート機能もあるが、それを使うくらいならば握りを変えて指を伸ばすかな、と思ってしまう。指を伸ばした瞬間は不安定になるので、落としてしまわないよう、これまで以上の注意が必要になりそうだ。
「大画面化」により、アプリの対応にも影響が出ている。iPhone 6/6 Plusは画面サイズと解像度が変わったことに合わせ、各アプリの画面表示の仕様も変更されている。
iPhone 6/6 Plusには「標準」と「拡大」の2種類の表示モードが用意されていて、設定アプリでどちらかを選ぶことができる。
「標準」の場合は、どの機種でも文字やアイコンなどの表示サイズはほぼ同じになる(iPhone 6 Plusだけ微妙に大きい)。下のスクリーンショットは、各機種の画面サイズに合わせて縮小している(正確なサイズがわからないので誤差アリ)。
「拡大」の場合は、文字やアイコンなどの表示サイズが約1.18倍になる。ちなみにiPhone 6で「拡大」にすると、iPhone 5相当の表示になり、iPhone 6 Plusで「拡大」にすると、iPhone 6の「標準」相当の表示になる。
筆者は「標準」表示で利用している。これまでのiPhoneでも文字の大きさには不満がなかったので、表示できる情報量が増えた方が嬉しいからだ。上のスクリーンショットを見るとおわかりいただけるかと思うが、結構な差がある。
しかし、こうした表示切り替えに対応するのは、解像度の切り替えに対応したアプリのみで、非対応アプリはiPhone 5と同じ表示が単純拡大されるようになっている。
解像度の切り替えに対応したアプリは、まだまだ少ない。たとえば筆者がよく使うアプリでは、「Twitter」と「Facebook」、「Facebook Messenger」、「Evernote」、「Gmail」は解像度の切り替えに対応している。しかし「Google Maps」、「LINE」、「食べログ」、「乗換案内」、「Reeder」などは対応していない。定番アプリ、公式アプリ、有料アプリでも対応率はまだ5割未満という印象だ。
「新ハードにアプリの対応が追いつかない」という現象は、iPhone 4のRetinaディスプレイやiPhone 5のワイド比率ディスプレイのときにもあった。そのときも、対応に1カ月以上かかるアプリは少なくなかった。
スマホにとって、画面が大きくなることにはメリットとデメリットが存在する。メリットは表示できる情報量が増えたり、文字などを大きく表示して見やすくできることだ。しかし、解像度切り替え対応アプリが少ない現時点は、前者のメリットを100%享受できる状態ではない。一方で画面が大きくなることにより、片手で操作しにくくなるというデメリットがある。とくに筆者の場合、iPhone 5sまでの片手操作に慣れきっていたので、デメリットの影響が大きい。
さすがにiPhone 5sに戻す、ということはないと思う。慣れは必要だが、iPhone 6は片手操作できるサイズだ。あとは大画面のメリットを享受できる対応アプリがもっと増えると良いのだけど……。