みんなのケータイ

 千代田区によるレンタサイクルサービス「ちよくる」(※関連記事)が10月1日にスタートした。NTTドコモのシステムを使ったもので、同じくドコモの仕組みを使ったサービスは他の都市でも提供されており、特徴はいくつかある。たとえば一度、会員登録するとおサイフケータイ(ICカード))をかざしてレンタルできる、あるいはポートがある場所ならば借りた場所と返す場所が異なってもよく、いわば乗り捨てできるということ。価格も、現在は30分100円と利用しやすい。

 そして、こうしたレンタサイクルは、最近話題の位置情報ゲーム「Ingress」のプレイヤー、もとい、エージェントたちから注目を浴びている。「Ingress」は現実を舞台にした陣取りゲームであり、陣を広げるためにはさまざまな場所を訪れるため、徒歩だけではなく、より機動力のある移動手段が好まれる。ただ電車など高速移動中はプレイできない。また一定以上のレベルになるために、さまざまな場所を訪れる必要が出てくる。そこで適度な速度で移動するバス、そして一気に移動できる自転車などを活用する人は少なくない。自宅周辺ならば自転車を利用する場合でも、勤務先の都内も……となると、これまではなかなか難しかった人は少なくないだろう。そこに登場したのが「ちよくる」というわけ。

前カゴに利用開始時や返却時の手続きを案内したシートがある。わかりやすい
電動アシストは軽やか

 「Ingress」のエージェントになってもうすぐ1年になる筆者も同じく「ちよくる」に高い関心を持った1人。「GALAXY S5 SC-04F」を手にして、さっそく使ってみた。「ちよくる」の手順は、最初の会員登録がやや面倒ながら、基本的に自転車に据え付けられた装置にスマホをかざすだけでレンタルを開始でき、返却時も鍵をかけてかざすだけ。開始時、返却時などその都度メールでお知らせも届き、手続きがきちんとできているか、確認しやすい。ちょっと店に立ち寄るために一時駐輪するのももちろんできる。千代田区内には坂もそれなりにあるのだが、「ちよくる」で貸し出されるのは電動アシスト自転車なので、蹴り出しも軽やか、坂も楽に登れて、晴れた日の休み時間に乗ったりすると、なんだかリラックスできてウキウキしてくる。

 Ingressを楽しむ、という視点で見ると、なるほど、これまで訪れる機会がなかなか見つけられなかったような場所へ行きやすくなることは確か。ただし、いくつか注意点がある。当然のことだが“ながらスマホ”といった、自転車に乗ったままでのスマホの操作は厳禁。一旦停止すればいい場面もあるように思えるかもしれないが、都内中心部では、車や人がたくさんいて、たとえば不注意からの急停止なんてことになると、とても危険だ。また、それなりに図体のでかい「ちよくる」の自転車は、取り回しにちょっと苦労するかもしれない。そうした乗り方はIngressに限った話ではないが、Ingressはところどころにあるポータルを訪れてプレイする、というスタイルのため、“自転車に乗りながらスマホ操作”という誘惑がとても大きい。繰り返しになるが、これは本当にやってはいけないこと、と肝に銘じておきたいポイントだ。

初回では40分少々、利用した。満足度は高い

 もっとも、A地点からB地点へ行き、自転車を置いて、その周囲のポータル群を訪れる、といった使い方はできる。Ingressでは、それまで訪れたことがない場所でプレイするとそのことが実績としてカウントされる。「ちよくる」のようなレンタサイクルを使うことで、それまで縁がなかったようなエリアを訪れて、その地にしかないもの、あるいはその地の歴史など新たな発見に触れていく、というIngressならではの醍醐味を味わいやすくなるだろう。

会員情報
メールで通知
一時停車でロックしたときにも通知

 そういえばIngressでは、定期的にグローバル規模で、両軍の優劣を競い合うイベントが開催される。これまでも京都や大阪、札幌、名古屋、福岡、5月の石巻などでイベントが実施され、エージェントたちがしのぎをけずった。そして、この12月、東京を舞台にしたイベント「Darsana」の開催が決定。過去にも東京が舞台となったことはあるそうだが、なんといっても今夏、iOS版が登場して、うなぎ登りにエージェントが増え続けている現在、Google+のイベントページには相当数のエージェントが名乗りを挙げ、来たる日に向けて準備を整え始めたよう。まだプレイしたことがない方も、今や2週間もあれば、かなり強いレベル(Lv8が1つの目安)まで到達可能とされており、12月のイベントにはまだまだ間に合う。そんなあなたの相棒としての「ちよくる」が利用される機会もありそうだ。