みんなのケータイ

 9月30日のソフトバンクを皮切りに、10月2日のau、10月10日のNTTドコモと、各社から冬商戦、もしくは冬春商戦へ向けた新商品が発表された。このコーナーでもそろそろ次のモデルを選ぶ時期に来ていて、いろいろと悩んでいるところだけど、今回はちょっと別の話を……。

 以前、このコーナーでカーナビにBluetoothで接続する話題を取り上げた。現在、家族が使っているクルマには、パイオニアの「サイバーナビ AVIC-ZH07」が搭載されていて、ケータイをBluetoothで接続することにより、インターネットからプローブ情報を送受信することができる。同社のカロッツェリアシリーズにはわりと古くから搭載されている機能で、フィーチャーフォンの時代は何の問題もなく利用できていたのに、スマートフォンではうまくつながらないことがあり、それを「FoxFi」というアプリで解決できたというのが昨年の話。

 その後、機種変更を重ねても同じように「FoxFi」をダウンロードし、時には他の端末にもインストールしてみて、試してみたけど、何も問題なく、使えていた。ところが、今年の夏モデルあたりから、ほとんどの機種で使えなくなってしまったのだ。

 いろいろな設定を試してみたり、調べてみたりしたんだけど、結局、答えがわからずじまい。こういうときは原点に立ち返るということで、パイオニアのWebページで「携帯電話接続確認情報」をチェックしてみた。たとえば、昨年の記事で取り上げていた「MEDIAS LTE N-04D」を検索してみると、「インターネット接続可否」のところに「※ 携帯電話にデータ通信機能がありません。」と表記されている。前々回まで取り上げていたNTTドコモの「ELUGA P P-03E」も同じだ。

ARROWS NX F-06EをカーナビにBluetoothに接続すると、データ通信開始時に注意を促す画面が表示される。継続して利用するときは「次回以降は表示しない」をチェック

 じゃあ、どういう機種がインターネット接続可否で「○」が付いているのかというと、全般的にスマートフォンでは富士通製端末が多い。富士通製スマートフォンはBluetoothのプロファイルで「DUN(Dial Up Netowork)」をサポートしており、手元にある「ARROWS NX F-06E」を使って、カーナビにBluetoothで接続してみたところ、インターネットにも問題なく接続され、渋滞情報や気象情報を取得することができた。ただし、Wi-FiがONになっていると、正しく接続されないケースが多いので、注意が必要だ。

 では、他の機種では接続できないかというと、必ずしもそんなことはない。たとえば、auで使っていた2012年冬モデルの「AQUOS PHONE SERIE SHL21」、2013年夏モデルの「AQUOS PHONE SERIE SHL22」は、パイオニアの携帯電話接続確認情報を見ると、どちらも「※ 携帯電話にデータ通信機能がありません。」という表記と共に、接続できないとされている。しかし、前回も取り上げたアプリ「FoxFi」を起動することにより、AQUOS PHONE SERIE SHL21では接続できるのに対し、AQUOS PHONE SERIE SHL22は接続できないという結果になった。

 さらに、もっと新しい機種ということで、先週発売されたばかりのNTTドコモのLGエレクトロニクス製「G2 L-01F」を試してみたところ、こちらも標準設定では接続できないものの、「FoxFi」を使えば、接続することができた。

無事にデータ通信が始めると、ステータスバーにメッセージが表示される
G2 L-01Fでもおなじみの「FoxFi」を使うことにより、Bluetooth経由での接続とデータ通信が可能

 できれば、もう少しいろんな機種を調べたいところだけど、今回はこれにてタイムアップ。今のところ、ボクが試した範囲の推論を含めて、少し整理すると、

 ○サイバーナビのBluetooth経由のインターネット接続には、DUNプロファイルが必要
 ○富士通製スマートフォンはほぼ全機種がDUNプロファイル対応
 △その他の機種は、元々、プラットフォームにBluetoothのDUNプロファイルが実装されているが、それが隠されていて、『FoxFi』というアプリによって、使うことができた
 △2013年夏以降のモデルではプラットフォームで完全に無効化されたのか、ほとんどの機種で『FoxFi』でも利用できなくなった
 ○LGエレクトロニクス製「G2」はグローバルモデルをベースにしているため、Bluetooth DUNが隠されているだけで(カタログには記載なし)、『FoxFi』で動作可能
※○は確定、△は推測

ということになる。まあ、カーナビのBluetooth接続がどれだけ重要なのかは人によって、いろいろな解釈があるだろうけど、こういうことも次期モデル選びの指針のひとつになるかもしれない。

 ただ、もうひとつ付け加えると、カーナビの製品ライフって、クルマの買い換えサイクルと同等以上に長いこともあるんだし、タダですらカーナビがスマートフォンに浸食されているって言われてるんだから、もう少し積極的にスマートフォンとつながるようなしくみを持つなり、情報を提供していかないと、どんどん縁遠くなってしまう気がします。