【GALAXY S III SC-06D】

周辺機器でGALAXY S IIIがパワーアップ

2012年8月10日 06:00
(石野純也)

 「GALAXY S III SC-06D」には、「GALAXY Note SC-05D」と同様、「Sメモ」や「7notes with mazec-T」というアプリがプリインストールされている。ご存じの方も多いとは思うが改めて簡単に紹介しておくと、これらは文字や絵を書く(描く)ためのアプリだ。前者はサムスン製で、絵や簡単な手書きメモを作成するためのもの。後者はMetaMoJiが開発したもので、手書きの文字をそのまま保存し、あとからフォントに変換できるのが特徴となる。手書きの場合でも1文字ずつ戻ったり、削除したりといったことが可能で、メモを取るのに欠かせない1本として人気が高い。Android版は文字入力システムとアプリ本体が切り分けられており、手書き入力はGALAXY S III標準の「Samsung日本語キーパッド」に組み込まれているため、7notes with mazec-T以外のアプリでも利用できる。

多機能なメモアプリの「Sメモ」。サムスンアカウントにバックアップもできる「7notes with mazec-T」は、メモを取ることに特化したアプリ

 せっかくこれらのアプリが搭載されているのに、使わないのはもったいない。ただ、GALAXY S IIIはGALAXY Noteとは異なり、あくまで指での操作が基本となるスマートフォンだ。当然ながら、これらのアプリを活かすペンも付属していない。そのため、まずはGALAXY S III用のペンを購入することにした。実は、海外ではサムスン電子がGALAXY S III用の「Cペン」を販売しており、端末と同時に発表もされている。サムスン電子によると、「GALAXY S IIIのタッチパネル専用に設計されていて、ペン先が細く非常に書き心地がいい」とのこと。ほかの機種では動かない可能性があるぶん、GALAXY S IIIでの使い勝手は抜群にいいらしい。

「Cペン」は質感もGALAXY S III本体のPebble Blueに非常に近く、高級感がある

 これはぜひ手に入れておきたいところだが、残念ながらCペンは日本で発売されていない。ネットで調べても売り切れのところが多い。そこで、海の日の3連休に韓国旅行をしたついでに、ソウルのサムスン電子地下にあるショップに行ってみた。韓国でもGALAXY S IIIは発売されたばかりでまだ周辺機器はポツポツとしかなく、Cペンは完売。キャリアショップなども何店か回り、最終的に明洞の「コンシェルジュ」という家電量販店で購入できた。

 実際使ってみると、なるほど、サムスン電子が言うとおり書き心地は抜群だ。これまで、iPad用に4本程度タッチパネル用のペンを試してきたが、どれよりも文字が正確に書ける。これならノートとペンの代わりになると思い、以降、取材時のメモにはGALAXY S IIIとCペンを活用している。囲み取材や、展示会で説明を聞く際には、特に重宝している。GALAXY Noteと比べると本体が小さいぶん文字を書けるスペースが狭くなってしまうが、使いづらいというほどではない。あえて難点を挙げるとすれば、手書きの際の文字入力システムが限られているところだろう。筆者は普段、Google Playで購入したATOKを使用しているため、メモを取る際には、Samsung日本語キーパッドに切り替えなければならない。7notes with mazec-Tでは画面の長押しで文字入力システムの変更を行うメニューが出るため、ほかのアプリよりは操作しやすいが、それでも若干面倒なことに変わりはない。ATOKを断念することも考えたが、キーパッドでの入力のしやすさを考えると悩ましいところだ。

ペン先が細く、メモをスラスラ書くことが可能だただし、文字入力方法は「Samsung日本語キーパッド」にしなければならない

 韓国旅行時には、もうひとつ、どうしてもほしいものがあった。それが、GALAXY S III用のドックだ。こちらも残念ながら日本で発売されていないサムスン純正の周辺機器となる。GALAXY S IIIはmicroUSB端子が本体下部にありカバーもないため充電しづらいわけではないが、ケーブルをピンポイントで挿すにはもう一方の手で本体を支えなければならない。ドックがあれば片手でガチャっとセットするだけでいいので、より手軽になるというわけだ。本体を立てたままにでき、電卓やアラームなどの必要なアプリをサッと呼び出せるのもドックの魅力と言えるだろう。

 こちらも、Cペンと同様、明洞のコンシェルジュで入手できた。ドック自体は未発売だが日本のドコモ版GALAXY S IIIでも、充電時には専用のランチャーが起動する。ランチャーには日時と天気予報が大きく表示され、下段には4つのアプリへのショートカットを設置できる。机の上で使う際に必要なアプリをまとめておけば、利便性がさらに高まるはずだ。

ドックの質感もGALAXY S IIIの背面に近く、セットした際の統一感もある充電しないときは、カバーを閉じておける仕掛けだ
ドック接続時に現れるランチャー。時刻や天気予報が表示されるランチャーの下部に並ぶアプリのショートカットは、追加や削除も可能だ

 Cペン、ドックともに日本では未発売だが、ドコモ版GALAXY S III本体にもこれらの周辺機器を活かすアプリや設定が入っているため、取り扱いがないのはもったいない気がする。今後の展開にも期待したいところだ。