103SH、かなりいい感じです

2012年5月14日 06:00
(村元正剛)
ちょうど手に馴染むサイズで、片手での操作もしやすい印象

 4月下旬に「103SH」を購入した。実は、ソフトバンクのAndroidスマートフォンを自分名義で契約して使うのは、これが初めてだ。筆者は、ソフトバンク回線はiPhone 4S、iPad、フィーチャーフォン(812SH)の3回線を契約している。すっかり使う機会が少なくなった812SHを今回機種変更した次第だ。

 機種変更に際し、「My SoftBank」にアクセスしてみたところ、この812SH、ほとんど使っていないにも関わらず、毎月結構な利用料を支払い続けていたことが発覚。動作確認のために登録した有料サイトや、端末購入時に半ば強制加入させられた有料サービスをそのまま放置していたからだ。読者のみなさんは、そんな愚かなミスをすることはないと思うが、Webでの明細確認はうっかり見逃したり、複数回線を契約しているとメインの回線しかチェックしなかったりということもあると思うので、重々注意していただきたい。というか、「気をつけろよ、自分」と、自戒の念を新たにした。

 ソフトバンクのAndroid選びは非常に悩んだ。機能面やブランドに対する信用度などからシャープ製のAQUOS PHONEにすることは決めていたが、Android 4.0を搭載した104SH、全部入りでハイスペックの102SH、スペックを少し抑えた103SH、さらにテンキー付きの101SHもある。

 まだまだ発展途上にあるスマホは、最新OSの機種を選ぶと使えない機能やサービスがあったり、スペック重視で選ぶとOSやCPUが一世代前だったりと、「これぞ!」と思う1台に絞り込むのは難しい。現在のラインナップでは「104SHが全部入りだったら即決なんだけどなぁ~」というのが正直なところ。おそらく近いうちに、そうした端末が出てくるであろうから、今回は、さほど長くは使わないだろうという前提で103SHを選んだ。

この背面処理もお気に入りのポイント。カバー不要でコンパクトなままで使える

 103SHは、CPUは1.4GHのシングルコア、RAMは512MB。スペックとしてはミドルレンジだ。102SHや104SHよりは安く買えるだろう……と思ったのだが、一括価格は7万3920円と意外に高かった。毎月2200円の月月割が付くが、使用期間を1年程度と考えている筆者にとっては、7万3920円-(2200円×12カ月)=実質4万7520円。ん~、安くない。いや、高い。高すぎるかもしれない。一括でも4万6080円で購入でき、毎月1920円の月月割が受けられ、しかもパケット定額制が割安(4410円で使い放題)なiPhone 4S(16GB)に比べると、めちゃくちゃ高いなぁ~というのが率直な感想だ。

 というわけで、コスト面では納得がいかない部分もあった103SHだが、実際に使ってみると、満足度は高い。「これはすごい!」と驚くような機能はないが、とても“いい感じ”なのだ。新しいスマートフォンを使うと、一度はありがちなイラッという事態にもまだ遭遇していない。

 103SHは4インチのディスプレイを搭載しているが、横幅はiPhoneより若干大きい程度の61mmで、非常に持ちやすい。シングルコアながらWebやアプリの操作感はサクサク。見た目に似合わず機敏な“できるヤツ”という印象を受けている。もちろん、デュアルコアCPUのGALAXY S IIやiPhone 4Sなどに比べると、地図画像の読み出しが若干もたつくかな? といった面はあるのだが、そもそもハイスペックを売りにしているモデルではないので、動作性を過度に期待することはなく、逆に「こいつ、なかなかやるな」と感じてしまうのかもしれない。

 103SHに限らず、他のソフトバンク向けシャープ製スマートフォンに共通することだろうが、フィーチャーフォンからスムーズに乗り換えられることも魅力。たとえば、ドコモのスマートフォンの場合、さまざまな機能やサービスを使いこなすためには、なにかにつけてspモードやdocomo ID、ネットワーク暗証番号などの入力を求められるのだが、ソフトバンクはとてもシンプル。

 S!メールは買った瞬間から普通に使えるし、メールアプリの使い勝手も従来のフィーチャーフォンに近い。ソフトバンクWi-Fiスポットの利用設定も契約時の暗証番号を入れるだけで済んだ。Google Playストアで購入する有料アプリをソフトバンク決済で行う設定も非常にスムーズにできた。日常的に行う設定のほとんどを通知パネルで確認でき、そこから設定画面に移行できるのも便利。ご親切なことに「使い方ガイド」もすぐに起動し、閲覧できる。

ソフトバンク製スマートフォンは、通知パネルでひと通りの設定確認、オン・オフ切り替えができるのが魅力。初期設定されている「使い方ガイド」は非表示にもできるプリインアプリはカテゴリ別に整理されていて、追加したアプリも分類できる
ケータイで使っていたアドレスのままで、違和感なく使えるS!メールのアプリ電話帳からだけでなく送受信履歴からも宛先を引用できるなど、細かい部分もフィーチャーフォンの仕様が継承されている

 ソフトバンクユーザーの友人から「おすすめのスマホはどれ?」と聞かれたとき、これまでは「やっぱりiPhoneでしょう!」と即答していたのだが、いま買うのならAndroidでもいいかもしれないと思ったりもした。ただし、2年きっちり使って月月割の恩恵をフルに受けられる人に限りますが……。