Android 4.0専用「Chrome for Android」を使う
ただし、Android 4.0は非対応――ニュース記事の中でそうした記述を加えることはまだまだ多い。現時点でキャリアから発売されているAndroid 4.0の端末が「GALAXY NEXUS SC-04D」「AQUOS PHONE 104SH」の2機種だけという現状を考えれば仕方がないところだが、使ってみたいアプリやサービスでそうした壁にぶつかると、残念な気持ちというか、ちょっと悔しい気持ちになる。
そんな中、逆に“Android 4.0専用”となっているのが、Googleの提供するブラウザアプリ「Chrome for Android」(ベータ版)だ。筆者が使っている「GALAXY NEXUS SC-04D」はせっかくこの先進的なプラットフォームを搭載しているのだから、優越感が薄れないうちに(笑)「Chrome」に慣れ親しんでおきたいものだ。
もっとも、「Chrome」がAndroid 4.0専用となっているのは単なる嫌がらせではなく、Google曰く「GPUアクセラレーションによる描画」関連でAndroid 4.0以降が必須になっているから。確かに「Chrome」ではカードを重ねたようにスルスルとタブを表示したり、カード(タブ)をサッとスライドさせたりといったアニメーションが印象的。これらはWebサイトの描画性能とは関係ないが、ユーザーインターフェイスの“軽快感”に一役買っている演出だ。
「Chrome」を使った大まかな印象は、標準搭載のブラウザと甲乙つけがたいというものだ。文字サイズは設定で柔軟に変更でき、Webページの表示そのものは標準ブラウザと似たようなものだ。リンクが密集する場所をタップするとサイクロップレンズのように拡大してリンクを押しやすくしてくれるのは「Chrome」の便利なところ。一方、標準ブラウザのLabs設定で有効にできる「クイックコントロール」が使えないのは残念で、この機能を多用していたことに気付かされた。また、Flashには対応しないので、Flashが必須のWebサイトを見るなら標準ブラウザを利用することになる。
タブ表示画面ではカードを重ねたような表示。画像のようにタッチ操作で横にずらせばタブを消去できる | 文字サイズは50%~200%まで5%単位で変更できる。一覧性や読みやすさに直結するので最適な設定を見つけたい | 縮小した表示ではリンクが密集してしまう。押したいリンクのあたりをタップすると拡大され、狙ったリンクをタップできる |
「Chrome」はパソコン版「Chrome」と密接に連携できる点が大きな特徴だ。「Firefox」でも同様の連携・同期機能が用意されているが、「Chrome」は「Chrome to Phone」という追加機能が特に便利。外出前の下調べや、後で読みたいWebサイトなどをパソコンの「Chrome」で表示していたら、ボタンをクリックするだけでAndroid上の「Chrome」にURLをプッシュで送信できる。
Androidでは、さまざまな特徴を備えたブラウザアプリがいくつも登場しているが、Android 4.0のユーザーならパソコン版「Chrome」とセットで試しておきたいところではないだろうか。