2台のiPhoneで海外取材

2012年3月16日 06:00
(白根雅彦)

 先日、スペインで開催されたMobile World Congressには、iPhone 4Sを2台持って取材にのぞんだ。1台は日本でメインに使っているauのもので、もう1台はシンガポールで購入したSIMフリーのものだ。予備としてAndroid端末も持っていたが、結局現地ではこの2台のiPhone 4Sを使い分けていた。

 2台のiPhoneというと、なんだか無駄なようにも感じられるが、現地の安いプリペイド契約を使うためのSIMフリー端末と国内の電話番号を受けられるローミング用端末の2つを持っていた方が、いろいろと都合が良い。iPhoneにこだわらなければ、デュアルSIMなどの手もあるが、しかし普段と同じアプリとデータをそのまま使えるということも重要だ。

 SIMフリーのiPhoneで利用したプリペイドの電話番号は、一緒に現地で取材をする編集部スタッフやライター陣との連絡に利用した。日本語対応端末同士であれば、日本語のSMSを送受信できるので、取材中の連絡にも重宝する。もちろん音声通話も可能だが、取材中はSMSの方がいろいろと便利だった。

 今回利用したプリペイド契約では、標準で500MBまでのデータ通信が可能だった。これでメールやWeb、地図表示などなど、いろいろなデータ通信を行うわけだが、今回は10日間、そこそこ使っていても、Wi-Fiが使える場所ではなるべくWi-Fiに迂回することで、10日間で400MBも使わずに済ませられた。

 ちなみにSIMフリーのiPhoneだと、Wi-FiもしくはUSB接続でのテザリングも可能である。今回はホテルのWi-Fiがメールを通さないなど、Wi-Fi環境が不安定だったので、このテザリング機能も活躍した。パソコンだけでなく、auのiPhoneからも接続することで、auの回線ではパケットを飛ばさずに済ませられた。プリペイドの30ユーロだけで10日間を過ごせたのだから、わりとリーズナブルだったと言えるだろう。

 SIMフリーのiPhoneは、元々はドコモ網で使ってみたい、という理由で入手したが、海外出張時には思った以上に役に立っている。こんなに便利なのだから、国内でもSIMフリー版がもっと買いやすくなると良いのだけどなぁ。