皆既月食の夜に星座表アプリを使い比べてみた

2011年12月14日 06:00
(村元正剛)

 先週土曜の12月10日は、皆既月食を見るために夜空を見上げた人が多いだろう。月食の始めから終わりまでを全国で観測できたのは11年ぶりらしい。

 筆者はその夜、実家の都合で大阪に滞在していたのだが、残念ながらあいにくの空模様だった。家族みんなで庭に出て空を見上げたものの、空一面に薄い雲が漂い、月が見つからない……。そのとき、まだ幼い甥っ子が「おじさん、スマホ持っているんやろ? スマホなら、どこに月があるかわかるんちゃうん?」と。スマートフォンのアプリを使えば、あらゆることができる。世間ではそういう認識になっているらしい。

 筆者のAQUOS PHONE SH-12Cには、「Google Sky Map」を入れてある。方位センサーと連係して、端末をかざした方角にある星座がわかる無料アプリだが、なるほど、こういうときに役立つわけだ。起動するのは久しぶりだったが、肉眼で判別できる星座から月の位置を探すこともでき、ずばり「月」と入力して方角を知ることもできた。

「Google Sky Map」で「月」を検索した画面。月がある方角が矢印で表示された矢印の方角にスマホをかざすと、簡単に月がある方角が見つかった。皆既月食の当日は、その方角で雲が動くのを待つと、欠けていく月を時折観測することができた

 「Google Sky Map」で無事目的は果たせたのだが、もっと見やすい星座表アプリがないものかと、Androidマーケットを探してみた。で、見つけたのが、その名もずばり「星座表」というアプリだ。260円の有料アプリだが、ユーザーの評価も高かった(平均評価は4.3点)ので、さっそくダウンロードしてみた。

 この「星座表」というアプリ、有料だけのことはあり、期待していた以上に秀逸。メニューから「検索」をタップすると、星座や惑星をキーワードで検索できることはもちろん、主要な星座や惑星はプリセットされているので、そこから選ぶだけでも簡単に検索できる。

 3D調の奥行きが感じられる画像が美しく、ピンチイン・アウトでの縮小・拡大にも対応。星座に重ねて幻想的なイラストも表示されるので、星座を見ても、どの星とどの星をつなげて見ればいいのかわからない(筆者がそうです)という人にも非常にわかりやすい。赤外線カメラで撮影したような画像になる「夜モード」も備え、これは「Google Sky Map」にも同様の機能があるのだが、見やすさでは、やはり「星座表」が勝る。

イラスト付きの立体的な画像で表示されるので、お目当ての星座が探しやすい。星座をタップすると詳細なデータが表示される「夜モード」にした画面例。画面の照度が落ちても、文字ははっきり読み取れる
特定の惑星や星座を探したい場合は、メニューから「検索」を選択し、プリセットされた項目からタップして指定できる「月」を検索すると、月がある方角が矢印で表示された

 大画面のスマートフォンは、地図を見るときに利便性を実感するが、星座観測にも重宝するんだなぁ~と、今さらながらに実感。詳しくは知らないが、冬は星の観測に最適な季節らしい。役に立つ読者もいらっしゃるかと思い、今回は“即興アプリレビュー”とさせていただいた。