SIMフリーのiPhone 4を手に入れたぞ!

2011年8月2日 06:00
(白根雅彦)

 結局この夏はiPhoneが出なかったので、今さらではあるが、SIMフリー版のiPhone 4を買ってみた。わたしにとってはソフトバンク版に加えて2台目のiPhone 4で、今度はホワイトである。シンガポールからの個人輸入品だが、日本の認証情報が表示できるので、国内でも問題なく利用できる。

 SIMフリー版のiPhone 4は、通信方式と周波数の関係で、日本ではドコモとソフトバンク(およびそれらのMVNO)で利用できる。わたしは元々持っていたドコモの回線契約を、iPhone 4で使えるドコモminiUIMカードに切り替え、SIMフリー版iPhone 4で利用してみることにした。

 ドコモのパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」シリーズは、ドコモ販売ではない機器を接続したとき、上限額が1万395円となる。月々の料金はこれに基本料金やプロバイダ料金などが加わるわけだが、パケ・ホーダイ フラットでドコモ販売のAndroid端末を使ったケースとおおざっぱに比較すると、プラス4935円となるわけだ(Android端末でもテザリングをすると同額になる)。音声通話をしないのであれば、もっと安いデータ専用契約も使えるが、今回は音声通話も可能な通常プランで試してみることにした。

 ドコモminiUIMカードをSIMフリー版のiPhone 4に挿すと、機能・サービス面でソフトバンク版とはいろいろ違いがあることに気がつく。

 まず留守番電話だ。iPhone 4は留守番電話機能を内蔵していないので、必要ならば、ドコモでは月額315円の「留守番電話サービス」を使うことになる。そしてこのサービス、iPhoneでは正式対応していないだけに、使い勝手があまりよくない。センターにメッセージが録音されると、新規メッセージの通知が届くが、通知ウィンドウの[再生]をタップしても、センターに接続されないのだ。どうにもiPhone側にドコモの留守番電話センターの番号が認識されていないようである。電話アプリの[留守番電話]をタップしても、センター接続はできず、手動で「1417」にダイヤルする必要がある。こんなに面倒ならば、もう要らないかな、と思うレベルだ。

 3G回線経由でインターネットに接続するには、mopera Uなどの契約が必要で、アクセスポイント設定も手動で行うことになる。これも少々面倒だ。ちなみにドコモのプロバイダ契約は、2個以上の契約は半額になるため、たとえばiモードとmoperaを契約しても、moperaだけを契約するのと料金は変わらない。

 メッセージサービスとしては、SMSには標準対応しているものの、MMSはドコモがサービスを提供していないため利用できない。SMSでも、絵文字は入力・表示ともに非対応だ。当然、docomo.ne.jpのメールも使えない。そしてなぜか、アップルのビデオチャットサービスFaceTimeも使うことができない。

 逆に、ソフトバンク版のiPhoneでは使えず、SIMフリー版ドコモのiPhoneで使えるサービスとしては、「インターネット共有」がある。「インターネット共有」は、パソコンなどとiPhoneを無線LANなどで接続し、iPhone内の3G回線をパソコンから利用できるようにする、いわゆるテザリング機能だ。最近では一部のAndroid端末も対応しているので、いまさら感のある機能だが、使えたら使えたで便利な機能である。

 ちなみに、SIMフリー版のiPhoneにソフトバンクのiPhone用microSIMカードを挿入すると、ほぼソフトバンク版と同様になる。インターネットアクセスポイントの設定は不要で、留守番電話もワンタップでセンターに接続でき、SMSは絵文字が利用可能となって、逆にテザリングはできなくなる。といっても、SIMロックがかかるわけではなく、ドコモminiUIMカードも引き続き利用できる。ただし、SIMカードを抜き挿しにはピンが必要で、moperaは毎回再設定が必要になるため、頻繁な抜き挿しは少々面倒くさい。

 さすがに正式サポートされていないだけに、SIMフリー版のiPhoneをドコモの回線で利用するのは、いささか面倒な部分が多い。テザリング対応とはいえ、料金が跳ね上がるのも問題だ。あとはエリアや通信速度にどのくらい差があるか、という話になるが、そこはまだ使い始めたばかりということもあり、少ない環境でしか試せていないので結論は出ていない。これからしばらく、ソフトバンク版のiPhone 4とSIMフリー版ドコモのiPhone 4を持ち歩き、いろいろ試していきたい。