中国でHYBRID W-ZERO3を使ってみる

2010年4月16日 06:00
(石川温)

 筆者はこの原稿を書いている今、シャープの中国向けモデルの新製品発表会の取材で北京にきている。こちらはまだ冬かと思うくらいに寒かったりする。

 ここ最近、海外取材のお供になっているのがHYBRID W-ZERO3。データ通信用のSIMスロットは、今話題の「SIMロックフリー」になっているので、現地キャリアのSIMカードを使えるのが魅力だ。

 北京に到着してまずやるべきことは現地キャリアのSIMカードカードをゲットすること。早速、北京の町を出歩いてみた。

 ホテルの近くにあったのが、チャイナユニコム(中国聯通)の看板。店に入ってSIMカード購入を試みる。予想通りと言うべきか、英語はほとんど通じない。筆者は中国語がわからないので、とりあえず「SIMカード」という言葉を連発し、所有している電話機のSIMカードスロットを指さして、「これを使いたい」風なジェスチャーで購入にチャレンジ。

 すると出てきたのはチャイナモバイル(中国移動)の「神州行」というプリペイドSIMカード。説明書にはGPRSという言葉も書いてあるので、170元を支払って購入してみた。

 早速、HYBRID W-ZERO3に挿入し、APNを「cmnet」に設定するも、残念ながらSIMカードを認識すらしない。試しにiPhoneやNexus Oneに挿入して同様の設定をしてみたが、EDGE通信を示す「E」のマークが画面表示されるもののパケット通信はできなかった。

 このままでは、せっかく中国にHYBRID W-ZERO3を持ち込んだのが無駄になってしまう。そこで、今度は北京の電器店街である中関村にいくことにした。

 ビルの地下、小さな携帯電話ショップがひしめく中、チャイナユニコムのフリースを着たお姉さんを発見。ショーウィンドウを見れば、同社のSIMカードを扱っている模様だ。さらに、売られている電話番号の一覧を記した紙も置いてあるなど、間違いなくSIMカードが買える雰囲気。早速、英語が通じない中、「SIMカード」を連発して購入を試みた。

 チャイナユニコムは中国でiPhoneを扱っているせいか、iPhoneを見せたらすぐに購入手続きに入ってくれた。しかし、前回の店とは違い、契約書に名前を書き、さらにはパスポートを提示するだけでなく、デジカメでパスポートを撮影するなど、えらく手続きに時間がかかってしまった。

 予めリストアップされた中から電話番号を選べるのだが(良い番号はそれなりに高い)、今回はほぼ使い捨てなので、160元(120元程度の通信料込み)の番号を選ぶことにした。

 購入したSIMカードをHYBRID W-ZERO3に装着してみると、きちんと認識し、データ通信が可能となった(APNはcmnetでOK)。単体でメールチェックができるだけでなく、インターネット共有機能でパソコンの接続もできるのはとても便利だ。

 ちなみに、3Gのデータ通信だけの用途であれば、HYBRID W-ZERO3のオプションとして別売り予定のW-SIM型GSMモジュールは不要。FOMAカードを挿しているスロットに海外キャリアの3GのSIMカードを挿入すればそのまま使える。なお、まだ発売されていないW-SIM型GSMモジュールは、「5月の連休前には発売したい」(ウィルコム関係者)とのことだ。