海外SIMカードを手に入れるまでの道のり

2010年2月26日 11:00
(津田啓夢)
YoigoのSIMカード

 先週は「Mobile World Congress 2010」(MWC)の取材でバルセロナに行っていた。現在使っている「CA003」は、バルセロナで利用できないため、それ以前に利用していた「G9」を持って行こうと思っていた。ところが、何が原因かわからないが、「G9」の電源が入らない。結局、auショップで修理することになり、スペインにはショップで借りた代替機「W62S」と、編集部にあったNexus Oneを持っていくことになった。

バルセロナに到着したのは土曜の深夜。MWCは月曜開幕だが、日曜日の夕方にはすぐ取材がスタートする。そこで、時間に余裕のある日曜の昼間に、バルセロナ市内の携帯ショップで現地のプリペイド型SIMカードを購入しようと計画していた。やっぱり日本と同じ感覚で通信したい。そのために日本からNexus Oneも持ってきたのだし。

 ところが、日曜は予想以上に店が閉まっていた。欧州ではそもそも日曜休みの店が多いとは聞いていたが、ここまで徹底しているとは想像していなかった。スペインの大手通信事業者Telefónicaが展開するmovistarのショップも、France Telecom系のOrange、日本でもかつて事業展開していたVodafoneグループ、スペインの事業者であるYoigoのショップも、ぜーんぶひっくるめて休み。キャリアショップだけでなく、市内にいくつかある併売店もやってないっ!カフェやレストランを除くお店は営業しておらず、歩いている人自体もかなり少ない。結局、この日は携帯ショップを探すために2万2000歩以上も無駄に歩いてしまった。

 しかし、月曜日になると街は一変した。人がたくさん! お店も開いてる! 取材帰りに最寄り駅近くのYoigoのショップに立ち寄って、プリペイドSIMカードも購入できた。店員は英語の全く通じない男性が1人。身振り手振りに筆談を交え、想像力と細かいことを気にしない大らかな気持ちを胸に突き進んだところ、なんとかSIMカードが手に入った。購入する際はパスポートとクレジットカードが必要で、読めないスペイン語の契約書へのサインが求められた。店員さんはなにやら電話をしていたので、SIMカードの回線開通作業もやってくれたようだ。

 価格は30ユーロ(約3800円)だったが、もっと安くなったのかもしれない。なにせ相手の話していることがわからんのだ。「○ユーロ+○ユーロ」で合計いくらだ! といったやりとりを筆談で交わしつつ、「この価格で電話とメール、インターネットが使えるのか?」というのをゼスチャーで確認、まどろっこしいことこの上ないのであった。

 苦労の末に手に入れたSIMカード、おかげで期間中はNexus Oneがフル活用できた。MWCは、会期中にひっきりなしにリリースが配信されるので、メールチェックできる点は心強い。パケット通信は1日あたり1ユーロ強、Yoigo同士であればどうやら通話も定額の範疇におさまるようだ。ただ、自分で体験してみて思うことは、こんな苦労はなるべくならしない方がいいということ。びっくりしない料金で、安心して国際ローミングできたらどんなに楽ちんだろうか。

Yoigoショップ内こちらはmovistarショップ