Stormで日本語入力を可能にするアプリ

2009年5月21日 11:00
(山根康宏)

 BlackBerryのウリといえば文字入力。歴代BlackBerry端末が大人気なのはとにかくその打ち易いQWERTYキーボードと言われているほど。筆者もBlackBerry Boldを使うと「これでもか!」ってくらい文字を打ちまくってしまうこともある。ところが我が愛機であるBlackBerry Stormにはそもそもキーボードが無い。たまにソフトキーボードで英字を数文字打つくらいで、普段はメール読みに特化して使っている。

 そうは言っても、やっぱりたまには受信したメールにちゃんと返信したい。しかも日本語で。しかし海外版のStormには日本語FEP(文字入力機能)など存在しないし、そもそもソフトキーボードで日本語なんて打てるのだろうか? ちょうど香港ではStormが発売されたばかり。地下鉄駅構内などに設置されたStormのデモコーナーで香港版の実機をいじってみると、ソフトキーボードを10キーとして中国語FEPが動いていた。なるほどこの方法なら日本語FEPの登場も期待できそうだが、現時点ではStormの日本での発売や日本語入力対応は何のアナウンスも無いし、今後の可能性についても不明だ。

 ところがこんなStormでも日本語を入力する方法があったのだ。海外向けの携帯電話、中でもQWERTYキーボードを搭載した端末向けにローマ字で日本語を入力できるアプリがあり、それをインストールすることで無事日本語入力に成功した。

 そのアプリとは上海在住のコザック氏によるフリーソフト「KKJConv」。元々はNokiaなどのスマートフォン向けに開発されたMIDPアプリだが、BlackBerryで利用できるバージョンも提供されている。ただしフリーソフトなので利用は自己責任で行いたい。

 KKJConvはFEPとして働くのではなく、KKJConvのアプリ内で日本語を入力し、できた文章をほかのアプリ(たとえばメール)に貼り付けて利用する。本来は物理的なQWERTYキーボードを搭載したBlackBerry端末向けに開発されたのだが、ソフトキーボードのStormでも利用可能であった。ただし若干のクセはある。

 KKJConvは同氏のWebサイトからPCにダウンロードし、PCに接続したStormへBlackBerryデスクトップソフトからインストールする。インストール後はメニューのDownloadフォルダ内にあるKKJConvのアイコンをダブルタップして起動するだけだ。あとは画面にソフトウェアキーボードを出せばローマ字で日本語が入力できる。記号などに一部入力できないものもあるが、そもそも日本語入力できないStormで、ある程度日本語を書けるようになるだけでも素晴らしい。

 入力した後はメニューから「挿入」を選択すると、別画面に入力した文字が貼り付けられるので、この文字列を選択してコピー。そして他のアプリに切り替え、そちらに貼り付け(ペースト)ればよい。文章で書くと煩雑なようだが、慣れてしまえばそんなに面倒なものではない。

 ただ問題が一つ。Stormのメニューにはテキストの「全体を選択」が無いのだ。文字列すべてをコピーしようとすると、最後の文字から最初の文字までを、Stormの沈む画面上で指先をずらして選択する必要がある。これがちょっと大変で、なかなか全文を選択できない。コピペさえ簡単なら日本語メール端末として常用できるかもしれないだけに、Stormのこの仕様はちょっと残念。とはいえ日本語入力を実現してくれたアプリ、KKJConvには大感謝である。