iPhone入手までの長い道のり

2008年8月21日 11:00
(白根雅彦)

 もともとMacユーザーであり、日本で使えもしない2G版iPhoneも買ってしまったわたしにすると、日本版のiPhone 3Gは渇望してやまないものだった。当然、発売日に購入する以外の選択肢は考えられなかった。しかしコネもナニもないので、普通に並んで購入するしかなかった。

 覚えておられる方も多いだろう。iPhone発売日の7月11日は、各地で常軌を逸する行列が形成された。とくに先行発売されるソフトバンク表参道には、前日から数百人規模の行列ができていた。わたしが午前4時半ごろにソフトバンク表参道(から数百メートル離れた行列の終端)に到着したときには、当日販売分は締め切られていた。次の日販売分に並ぶにしても、整理券などの配布予定はなく、購入まで並び続けなければいけないという。

 今年で"20歳"(16進法)になるわたしには、さすがに30時間以上も屋外で並ぶ体力も気力もなかったので、すぐさま方針転換をし、ビックカメラ有楽町に向かった。ビックカメラ有楽町の行列はさほど長くなく、わたしが到着した午前6時半時点でも購入可能だった。しかも12時の販売開始と同時に整理券が配布され、それ以後は行列に並ぶ必要はないという。方針転換は正解だったようだ。

 この種の行列では、椅子や暇つぶしアイテムなど「行列装備」が重要になる。わたしも折りたたみ椅子だけは持ってきたが、不覚にも暇つぶしアイテムは持ってくるのを忘れてしまった。そんなことをメールでケータイ Watchの湯野編集長に愚痴っていたら、思わぬ金言が。

「ワンセグがあるじゃないか」

 恥ずかしながら、このときほどワンセグを素晴らしい感じたことはなかった。iPhoneを買いに来ておいてワンセグに心打たれるあたりが皮肉だとしか言いようがない。

 12時になると整理券が配られ、最終的には17時ごろにiPhoneを手にすることができた。実に行動開始から12時間以上が経過している。何かの購入にここまで苦労したことは初めてだ。しかし、苦労はこれだけではなかった......。