みんなのケータイ
LTE容量無制限プラン+モバイルルーターの組み合わせが便利
島田純
(2015/1/5 06:00)
通信量制限のないモバイルインターネット接続サービスと言えば、UQコミュニケーションズが提供する「WiMAX」サービスが代表的でしたが、2014年9月1日から提供されている「ぷららモバイルLTE」の定額無制限プランをきっかけとして、ドコモ系のMVNO各社からも「容量無制限」が特長のサービスが複数の事業者から提供されています。
2014年12月23日現在、ドコモのMVNOから提供されている「容量無制限」サービスは以下になります。
ぷららモバイルLTE | U-mobile | 日本通信 | |
---|---|---|---|
プラン名 | 定額無制限プラン | LTE使い放題 | b-mobile SIM 高速定額 |
月額料金(税別) | 2760円 | 2480円 | 1980円 |
通信速度 | 最大3Mbps | 制限なし | 制限なし |
これらの容量無制限サービスは、スマートフォンやタブレットなどにSIMカードを挿して利用するのももちろん便利ですが、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンなど複数の端末から利用するための回線として使う場合には、容量無制限回線+モバイルWi-Fiルーターの組み合わせも便利です。
LTE通信量無制限サービスとモバイルルーターとの組み合わせが便利なのは、モバイルルーターと接続するスマートフォンやタブレットで通信量を気にせずに使えるようになるのはもちろん、WiMAX系のサービスと比べて高速移動中でも通信速度が安定している点、モバイルルーター側の電源を常時ONにしておけば「いつでもどこでも、使いたい時に容量無制限回線が使える」という点です。
WiMAXサービスは通信量制限が無い上に通信速度も高速なため、サービスエリア内での利用に関しては非常に便利なサービスですが、面的な意味ではサービスエリア内であっても建物内では通信速度が低下したり、圏外になることが多いのが弱点と言えます。
また、電車や車などで移動中にWiMAX/WiMAX 2+を使っていてストレスを感じるのは、郊外エリアでは特に移動中の通信速度が安定しないので、移動中にどのぐらいの通信速度で通信が使えるのかの検討が立てにくく、実際に使ってみるとそれほど快適な速度で通信ができないことがある点です。
ドコモ系のMVNOが提供するLTE対応サービスは、エリア面ではドコモと同等のエリアで通信が使えるため、対応エリアはWiMAX系のサービスと比べて広く、圏外となるエリアがほとんど無いだけでなく、電車や車などで移動中の通信についても電波の弱さを理由とした速度低下がWiMAXサービスと比較して発生しにくいというメリットもあります。
筆者はLTE容量無制限サービスを複数使っていますが、MVNO各社の提供する容量無制限系のサービスでは通信速度のトップスピードはそれほど高速にはならなくても、大容量コンテンツを短時間にダウンロードしたり、高画質な動画を閲覧する用途以外については十分実用的な速度で利用できています。
通信量無制限サービスでは、通信速度の最高速がそれほど出なくても「容量無制限」であることを活かして、夜寝る前にアプリケーションのダウンロードや、容量の大きなコンテンツのダウンロードを設定しておけば、翌朝には全てダウンロード完了しているため、旅行先や出張中に大きなファイルをダウンロードする際にも便利です。
似たような使い方は、WiMAXサービスでも当然可能なのですが、WiMAXサービスでは圏外となるエリアでも、ドコモであれば通信が可能なエリアも多くなっており、エリアの心配が不要という点が心強いです。
一方で、容量や通信速度に制限が無いサービスでも、実際には快適な通信速度が出る時間帯が極めて限られているサービスもあり、各社の通信量無制限サービスで利用者が満足する通信速度を保つことや、実際にどの程度の通信速度で利用できるのかをわかり安く説明することが今後の課題と言えるでしょう。
容量無制限サービス+モバイルルーターの組み合わせのデメリットは、前述の通りサービスや時間帯によっては通信速度の低下が激しいことと、それに付随して通信速度が低速な状態での通信が長時間継続すると、モバイルルーター側もスマートフォンやタブレット側も、両方ともバッテリーの消費が大きくなってしまうことです。
冒頭のサービス比較もそうなのですが、料金や速度制限の内容だけでは、実際の環境での通信速度を表すことが難しく、通信速度や通信の安定性については実際にサービスを利用中のユーザーのクチコミを調べてみると良いでしょう。
容量無制限サービスの実効速度については設備増強のタイミングやユーザーの増減によって日々変動しているため、少し前までは評判の良かったサービスが、ユーザー数増加によって速度が低下することもあるのでそういった点にも注意が必要です。