みんなのケータイ

MWC取材に向けて通信環境を整える@バルセロナ

バルセロナでも、ファーウェイの「Mate 9」をメイン端末として活用した

 「Mobile World Congress 2017」の取材で、スペイン・バルセロナに来ている。本稿が掲載される頃には閉幕に近づいているはずだが、今は会期の前々日。取材の準備を、着々と進めているところだ。1月のCESと同様、今回も現地ではファーウェイの「Mate 9」に、ドコモのSIMカードと現地VodafoneのSIMカードの2枚を挿して利用している。

 データ通信については、VodafoneがMWCに合わせたキャンペーンを行っており、20ユーロで4GBというプランを選択できた。幸いにして宿泊しているアパートメントのWi-Fiは快適に通信できるため、このSIMカード一本でMWCを乗り切るつもりだ。

日本への発信で1分180円、着信で1分110円かかり、回数や時間が増えると料金が高額になる

 海外渡航というと、どうしてもデータ通信やその料金の話になりがちだが、ほかにも、国際ローミング中の通話で料金がかさんでしまいがちだ。ドコモの場合、スペインで日本に発信すると1分あたりの通話料は180円。日本への発信とは、日本の電話番号という意味になり、スペインにいる人同士で電話をしても、同様の料金がかかる。

 発信だけなら自分である程度コントロールできるが、困るのは着信料。こちらは通話料よりは安めに設定されているものの、それでも1分あたり110円もかかってしまう。友人や家族への通話はLINEなどのアプリを使えばいいが、日本から仕事の電話がかかってくる可能性もあるため、何も手を打たないと意外と料金がかさんでしまう。うっかり長電話しようものなら、それだけで数千円になるおそれもある。

「転送でんわサービス」の設定は、日本出発前に行っておく。Galaxy S7 edgeなど、ドコモブランドの端末では電話アプリからの設定が可能だ

 そこで、筆者は、海外出張時には、電話をIP電話に転送することにしている。これなら、転送は日本側でかけられるため、着信料が発生しない。「転送でんわサービス」で転送したぶんの通話料もカケホーダイの範囲に含まれるため、基本料以外の料金はかからなくなるというわけだ。

 IP電話アプリは、楽天コミュニケーションズの「SMARTalk」を活用している。他のサービスと比較したときに、決め手となったのが、基本使用料がかからないというところ。国内にいるときはほとんど使わないため、年に何回の海外出張用にはこれがちょうどいい。留守番電話サービスなどもきちんとそろっているため、つかいがっても悪くない。

 料金は、通話先を問わず、30秒8円となる。固定電話や有料のIP電話に発信した際の料金をSMARTalkより大幅に安く設定しているサービスもあるが、基本料金が0円であることのトレードオフとして割り切っている。また、携帯電話にかけた場合も30秒8円で、この場合は競合のサービスと比べても同額かやや高い程度。発信先は携帯電話のことが多いため、実は通話料もそこまでは高くならないのだ。

 データ通信がしっかり通っていれば、音質もよく、着信漏れも少ない。ただし、海外、特に欧州や米国では、都会から少々外れると、2G(GSM)になってしまうこともある。このようなときは、残念ながら、品質は一気に落ち、サーバーへの接続も不安定になってしまう。専用の帯域が確保され、無線レベルでQoSも効いている音声通話とは異なる、IP電話ならではの弱点と言えるかもしれない。もっとも、出張で行くのはほとんどが大都市で、今のところこれで困ったということはほぼない。

IP電話アプリは、「SMARTalk」を利用している
アプリは常駐して、通知に状態が表示される

 国際ローミング中の通話は都度課金のため、定額制になっているデータ通信よりも、総額がいくらになるのかが読みづらい。海外出張、海外旅行での通信料を節約したい人は、ぜひ試してみることをオススメしたい。