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CESで活躍した「Mate 9」と「世界データ定額」

【HUAWEI Mate 9】

12月に発売されたMate 9を購入した

 昨年12月に、ファーウェイのフラッグシップモデル「Mate 9」を購入した。「Galaxy S7 edge」や「iPhone 7」と併用する形で利用しており、国内では主にDMM mobileやワイモバイルのSIMカードで利用している。Mate 9は、3GとLTEのデュアルSIM/デュアルスタンバイ(DSDS)対応なので、月初はまずワイモバイルで通信し、容量を使い切ったら、もう一方の回線に切り替えている。このような使い方ができるのは、DSDSならではだ。

 デュアルカメラで撮れる味のある写真や、指紋センサーの応答速度の速さ、5.9インチの迫力ある映像などは満足度が非常に高く、メイン端末に昇格させたいほど。複数台持ち歩いていても、ついついMate 9を触ってしまうことが多い。おサイフケータイを常用していることもあって、どうしてもGalaxy S7 edgeは手放せないが、もしこの機能があれば、併用ではなく、完全にメイン端末を乗り換えていただろう。CESでファーウェイのケヴィン・ホー氏にインタビューした際には、FeliCa対応にも前向きだったため、今年発売される端末での対応には期待したいところだ。発売が近いというペンも、楽しみにしている。

デュアルカメラで撮る写真が、とにかく楽しい。ワイドアパチャーでボケ味を出す

 そんなMate 9を、CES取材中にメインで使ってみた。デュアルSIM対応のため、普段のメイン回線であるドコモのSIMカードと、現地のSIMカードを同時に使うことができるからだ。Mate 9は対応バンドも広く、LTEは「Band 1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/25/26/28/29」を利用できる。日本国内ではもちろん、AWS(Band 4)をメインで使う米国のT-Mobileや、Band 12、17を中心にするAT&Tにも完全に対応しているのがうれしい。

 実際、現地ではAT&TのSIMカードを挿してみたが、すぐにLTEにつながり、CES会期中も問題なく通信できた。場所によっては「4G+」という表示になり、キャリアアグリゲーションも利用できていたようだ。昨年まではT-Mobileをメインにしていたが、エリアについては、AT&Tの方がよりきめ細やかに構築されているように感じた。特に、T-Mobileと比べると、屋内できちんとつながることが多かった印象だ。お陰で、ちょっとした調べものやSNSへのアクセスに加え、ラスベガス中を移動するために使ったライドシェアサービスのLyftもスムーズに利用できた。ワイドアパチャーを使った写真撮影が楽しく、撮った写真の枚数も例年以上になっていた。

モノクロ撮影で印象的な写真を撮れたり……
2倍ズームで被写体に寄れたりと、工夫のしがいがある
電話はIP電話アプリに転送していたが、着信をSMSでチェックできるのが便利

 ドコモの電話番号にかかってくる電話は、IP電話アプリの「SMARTalk」に転送していた。CES会期中、取り逃すことはほぼなかったものの、データ通信が混雑しているなど、通信環境によってはきちんと着信しないこともある。この場合でも、デュアルSIMでSIMカードを挿しておけば、同時にSMSも届くためすぐに気づけるので便利だ。対応バンドが広く、デュアルSIM対応のMate 9は、海外で利用するのにうってつけな端末と言えるだろう。

 現地SIMを入手するまでの間は、国際ローミングに頼ることにした。試してみたのは、auの「世界データ定額」。Mate 9自体はauのネットワークに非対応で、スペック表にもその旨が明記されている。ただし、これはあくまで“無線区間”に限った話。海外で接続する際の無線はその国のキャリアのものになるため、論理的にはMate 9でも接続が可能になるはずだ。実際、auのSIMカードを入れたところ、しっかり電波をつかんだ。APNを設定し、「データローミング」をオンにすると、通信も始まった。

auのSIMカードを挿しても、通信することができた

 ただし、Mate 9はSIMフリーのAndroid端末のため、世界データ定額のアプリをダウンロードできない。iPhoneの場合は、au版、SIMフリー版問わずApp Storeからアプリをダウンロードできる一方で、Android版のアプリは公開先がau Marketになっているからだ。筆者のような使い方もあるため、アプリはGoogle Playからダウンロードできるよう、もっとオープンにしてほしいと思ったが、できないものは仕方がない。この場合は、データローミングをオンにしたあと、ブラウザを開き、適当なサイトにアクセスすればよい。アプリとは異なり、残り時間などを見る際にサイトにアクセスしなければならないので、ブックマークは忘れずにしておきたい。

 ブラウザで通信しようとすると、リダイレクトがかかり、世界データ定額のページが表示された。ここで開始ボタンを押すと、通信が始まる。本当にSIMフリー端末が定額の適用対象になるかどうか、少々不安だったが、後から「My au」を確認した限りでは、きちんと定額の範囲に収まっていた。「au STAR」にも加入していたため、1日分の料金980円も無料になっている。

ブラウザで適当なサイトを開こうとすると、世界データ定額のページにつながる
アプリがないため、残り時間を確認もブラウザ経由になる

 ちなみに、KDDIの公式見解では、iPhoneを除くSIMフリー端末を利用する場合、APNはau端末用の「LTE NET」ではなく、「LTE NET for data」を指定する必要があるということになっている。なぜ“公式見解”とわざわざ書いたのかは色々と察してほしいが、それは置いておいても、LTE NETはAPNの設定項目自体が公開されていない。LTE NET for dataを契約すれば済む話ではあるものの、こちらは料金が525円で、324円のLTE NETより216円も高いのが残念だ。

 日本でauのネットワークに接続できるSIMフリー端末も徐々に増えており、今回のように海外ローミングで使うケースも考えられるため、この仕様は少々不自由。spモードをオープンにしているドコモにならい、auにも、ぜひLTE NETを解放してほしいと感じた。こういうところは横並びでも、喜ぶユーザーは多いはずだ。