みんなのケータイ

「radiko.jp」+「ラジオクラウド」で快適ラジオアプリライフ

 中学生の頃、深夜のラジオ番組に投稿していた“はがき職人”だったこともあり、今でもラジオは好きでよく聞いている。昔は、一生懸命、アンテナの位置を調整し、ラジオがきれいに聞こえるように努力したものだが、最近は全国のAM・FM局が放送のまま聞けるradiko.jpアプリのおかけで、スマホでしか聞かなくなってしまった。移動中や散歩中に熱心にradiko.jpを聞いていたのだが、昨年10月からは「タイムフリー聴取機能」が加わって、さらにアプリの稼働時間が増えてしまった。

 タイムフリー聴取機能とは、過去1週間前までの放送をさかのぼって聞けるサービスで、たとえば、深夜に放送された番組を翌朝に聞くことができる。CMや音楽もそのまま配信されている。なぜかTBSラジオの人気番組「安住紳一郎の日曜天国」は、タイムフリーに対応していないのだが、それ以外に自分がよく聞く番組はタイムフリーで聞くようになってしまった。

 ただ、タイムフリー機能は「聴取開始から3時間で聞けなくなる」という制限がある。おそらく、音楽などを「何度も繰り返し聞かれては困る」という配慮なのだろう。だが、2時間番組などは、朝の移動時間で1時間分、夜の帰宅時間に1時間分といった聴き方をしたいだけに、できれば3時間制限はもしくは24時間制限ぐらいに緩和して欲しいものだ。

 ちなみにradiko.jpには「エリアフリー」という機能もあり、自分のエリア外のラジオ局も聞くことができる。月額350円ではあるが、東京では放送していないJFN「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREMAER」を聞くためだけに加入している。

「ラジオクラウド」アプリ

 ラジオファンにもう一つ、注目のアプリとして「ラジオクラウド」が登場した。これは、ラジオ番組の一部が配信され、アプリの中に自由に保存できるようになったのだ。

 今までは、「ポッドキャスト」として、ラジオ番組の一部やオリジナル番組を配信しているラジオ局が多かった。しかし、ポッドキャストでは、収入の見込みが立たず、サーバーの運営なども苦しかったためか、TBSラジオはポッドキャストから撤退。「TBSラジオクラウド」としてストリーミング配信に切り替えたのだった。

 しかし、ポッドキャストを愛用していた根強いファンからは「番組を保存して楽しみたい」という声が上がっていた。そのため、TBSラジオとしては「ラジオクラウドアプリ」を投入し、スマホにダウンロード保存できる環境を整備したようだ。

 1月30日からアプリが配信されており、ポッドキャストのように番組の保存や再生速度の調整などが可能となっている。個人的には、海外渡航時の飛行機の中で、暇つぶしにポッドキャストを聞いていたこともあり、TBSラジオがラジオクラウドという形で、スマホに保存できる番組配信を再開してくれたことは大歓迎だ。

 アプリを使って驚いたのが、TBSラジオだけでなく、他のラジオ局も参加していることだった。実は、アプリの配信元は広告代理店の博報堂になっている。おそらく、TBSラジオというよりも、博報堂が音頭をとり、ラジオ番組の配信プラットフォームを作っているのではないか。そこにTBSラジオだけでなく、他局も相乗りした感がある。ラジオ局全体として、ネット配信でのマネタイズに苦労しており、博報堂の呼びかけに応じたのだろう。将来的には動画のCMも入るようなので、これによって広告料を稼ぐ考えのようだ。

 なお、radiko.jpは電通がとりまとめを行っている。つまり、ラジオ業界は、広告代理店が仕切るネットサービスに将来を委ねているわけだ。

 そんな大人の裏事情はさておき、いずれにしても、電波の入るところはradiko.jp、圏外ではラジオクラウドという2つのアプリで、快適なラジオアプリライフを送ることができそうだ。