みんなのケータイ

6インチユーザーの皆さん、息してますか?

【Nexus 6】

 6.4インチディスプレイを搭載した「Xperia Z Ultra」(通称ズルトラ)のユーザーが後継機を見出だせない状況を、時には揶揄、時には同情の意味を込めて「Z Ultra難民」などと呼んでいたが、この状況は完全に我が身に降りかかりつつある。約6インチ(5.96インチ)のディスプレイを搭載する「Nexus 6」の後継にふさわしいようなモデルが市場に見出だせないのだ。筆者はさらに、ほとんど有機ELディスプレイのモデルを使ってきたということも、状況の悪化に拍車をかけている。

 「Nexus 6」は2014年12月発売で、まもなく発売から2年。筆者が購入してからは1年半が経過している。当時としてちょっと野心的だった約6インチのディスプレイは、なんとなく予感していたように、やがてディスプレイ大型化のギリギリ限界モデルという位置付けになり、その後各社から発表されるモデルはなんとなく5.5インチぐらいまでが主流になった。時おり5.7インチのモデルが登場するが、実際に後継モデルにしたいかといわれるとそれはまた別で、市場にはかろうじて選択肢が残されているという状況だ。

 現在までに、SIMロックフリーのAndroidスマートフォンで「Nexus 6」の後継と思えるのは、筆者の好みなども勘案すると、ZTEの「Axon 7」(関連記事)か、日本でも発売されるとアナウンスされているファーウェイの「Mate 9」(関連記事)になる。

「Axon 7」

 「Axon 7」はディスプレイが5.5インチで、筆者が最重要視しているはずのディスプレイサイズに妥協が求められる形だ。一方で、2560×1440ドットのAMOLED、Snapdragon 820、RAMは4GB、5GHz帯の無線LAN、旭化成のハイレゾDAC搭載、そしてDaydream対応予定と、ディスプレイサイズ以外で重視したいポイントは満点かそれ以上だ。外観デザインも突出して忌避したくなる要素は感じられないが、ボディカラーは金と銀だけで、物足りない感じは残る。

 価格もかなり強力で、仕様を考えれば一回り安いと感じられる5万9800円だ。現6インチユーザーでなくても、ハイエンドモデルとしてかなり注目の内容といえる。

「Axon 7」

「Mate 9」

 「Mate 9」は5.9インチで、まさに求めているディスプレイサイズ。解像度はフルHDで、有機ELでもないため、「Nexus 6」や「Axon 7」と比較すれば妥協する形になる。クアルコム製ではない独自チップセットも性能は高いとみられ、ネックにならないと思われるが、Daydreamへの対応がアナウンスされていない点は気になる。

 「Mate 9」と同時発表のポルシェデザイン・モデル、そしてつい先日中国で発表された「Mate 9 Pro」は、どちらも5.5インチで、Daydream対応とアナウンスされている。Googleの「Pixel XL」も5.5インチのため、少なくともGoogleは5.5インチをターゲットに開発しているのかもしれない。

 Daydream対応の有無は、ほとんどの場合は端末の仕様に起因し、後から対応になるというのは難しいと予想される。スマホVRにかなり期待している筆者としては、Daydream対応は可能な限り妥協したくないポイントでもある。

 ライカとの共同開発による第二世代のダブルレンズカメラは、現在それを使っていないということもあり、「無くても我慢できるが、あるとすごく嬉しい」という位置付け。筆者においては「Axon 7」におけるハイレゾDAC搭載の要素に近い“強力なオマケ”という感じだろうか。

 「Mate 9」の日本での発売時期はまだ発表されていないため、様子見の状態が続いているが、価格については欧州での発表時で699ユーロだったため、8万円以上は覚悟する必要がありそうだ。

「Mate 9」

デカイけど楽しい6インチ

 6インチというサイズは常識的に考えて少しデカイ。片手では指が届かない場所も多く、その結果、端末を落としそうになりやすいなど、はっきりいってデメリットも多い。

 しかし、日々電子書籍を読むようになってしまった電子活字狂にとっては、物理的に大きく、文庫判とほぼ変わらない紙面サイズや文字量を実現する6インチディスプレイに、離れがたい魅力を感じてしまっている。

 スマホVRでも、6インチはVRゴーグルに収納できる最大サイズで、迫力がある。この6インチの呪縛から解き放たれ、常識的なサイズのハイエンドモデルを手にするのか、抗えずに「Mate 9」を手にするのか、もうしばらく悩んでみたい。