DATAで見るケータイ業界
携帯各社が体制強化はかる中小法人市場、現在の導入状況を探る
(2014/5/29 12:00)
携帯電話の契約者数は1億3955万加入(TCAデータ2014年3月時点)と人口突破が叫ばれて久しいが、携帯各社の主戦場は新規から他社から顧客を奪うMNP(Mobile Number Portability)へと移っている。そんな中、数少ないフロンティアとして注目されているのが、法人市場である。中でも従業員100名以下の中小企業市場は裾野も広く、潜在成長性が高いとされている。先日、NTTドコモが今年7月より中小企業向けにグループ企業を含めた再編を打ち出したことは記憶に新しいが、実はKDDIとソフトバンクはここ1~2年で1000名超の人員増強を図り、既に新たな態勢を整備済みだ。
今回は、そんなホットな市場として注目されている「中小企業と携帯電話」について、現状を切り取ってみたい。
≪中小企業における法人契約モバイル機器の契約数(単位:万台)≫
総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」(http://www.stat.go.jp/data/e-census/2012/)によると、2012年2月1日現在の国内の企業等の数は412万8215企業である。なかでも従業員数99名以下の中小企業は約188万社となっている(個人事業主を除く)。
株式会社MCAが行った調査では、このうち法人契約のモバイル機器を導入しているのは51.8万社、導入率は中小企業全体の27.6%との推計結果となった。他方、従業員数100名以上の企業における導入率は約6割に達するとみられる。大企業に比べ、中小企業への法人契約がいまだ進んでいないことが明らかになった。
視点を法人契約モバイル機器の契約台数に移すと、中小企業全体で535万台と推計される。端末種別では依然として従来型携帯電話が233.3万台(43.6%)で、スマートフォンの203.3万台を上回っている。
ただし、携帯会社によって様相が異なっていることを最後に指摘したい。従来型携帯電話とスマートフォンの契約数を携帯会社別に比較すると、NTTドコモは従来型携帯電話の方が多いのに対し、KDDIとソフトバンクはスマートフォンが高いという傾向が見られる。