スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

折れにくいシャーペンが気持ちイイ!

不意の「ポキッ」とオサラバ♪

 去年あたりからオモシロがりつつ多用しているのが「芯が折れにくいシャープペンシル」。何種類か市販されていますが、各社独自の機構・方法で芯をガードするなどして、不意にポキッと芯が折れてしまうのを防ぐというシャーペンです。

 最初は「ホントに折れないのぉ~?」的にやや眉唾で使い始めましたが、あらホント! 折れない! スゴい! とビックリ。

 実感としては、各社の製品とも、「折れにくい」というより「ほぼ折れない」という感じ。なかには筆圧をガッツリとかけても折れない製品もあって感心しております。シャーペンも進化してたんだ~便利~ステキ~♪ みたいな。

折れにくいシャーペン各種。どのシャーペンも、ペン先に「芯を折らないためのテクノロジー」が詰め込まれています。今時のシャーペンはデザインや素材質感演出も秀逸ですネ。

 そんな流れで、次第に芯が折れにくいタイプのシャーペンばかり使うようになりました。以前はフツーのシャーペンだと突然の「ポキッ」がたまにありました。ですが、芯が折れにくいシャーペンを使うようになり、その「ポキッ」が「ほぼ皆無」に。芯折れのたびに感じていた小さなストレスが消滅。気持ちよく書けております。

 現在、芯が折れにくいシャーペンを数種類使っていますが、どれも個性的で、超使いやすかったり、クセがあったり、ときには折れにくさとは別の点で残念さがあったり。しかしまあ、独自のアイデアや進化が感じられる「折れにくいシャーペン」各製品です。

 てなわけで今回は、芯が折れにくいシャープペンシルをいくつか見ていきたいと思います。気に入っている順からレポしつつ、何本か。

0.2mm芯でも折れない、ぺんてる「オレンズ」

 最も多用しているのが、ぺんてるの「オレンズ」(公式ページ)です。いくつかタイプがありますが「メタルグリップタイプ」(公式ページ)を愛用しています。

ぺんてるの「オレンズ メタルグリップタイプ」各種。適度な重さがあり握りやすいシャーペンです。金属パイプで芯を常にガードしているので、正しく使えばまず芯が折れたり潰れたりすることはありません。正しく使っている場合、パイプの横から芯が見えることはありません。

 このシャーペンを愛用しているのは、0.2mmの芯が使えるから。「オレンズ」には芯径0.2mm用と芯径0.3mm用がありますが、0.2mmは超極細で手帳などに小さな字を書き込むのには超便利。また、ワタクシ的結論から言えば、0.2mm芯でややラフに書いてもまず折れないのが「オレンズ」の凄さであり実用性だと思います。

 ただ、使い慣れるまでに若干紆余曲折がありました。最初はテキトーに使っていたため、芯が折れたり内部で芯が潰れたりすることがアリガチでした。ので、一時期はお蔵入りにしていました。

 しかし「やっぱり0.2mmで書きたい」と思って、再び使い始めました。そのとき、メーカーの「オレンズの正しい使用方法」ページに目を通したら、「あっ、そうかそうか」と使い方を正しく認識。以降、うっかりミスによりごくたまにペン先で芯が詰まるくらいで、芯が折れることはなくなりました。

 使うのにちょっと作法的なものが必要なシャーペンなんですねコレ。詳細は上記リンク先にありますが、「筆記開始時にいったんパイプの先から芯を出して、芯をパイプ内に押し戻す」という動作が重要です。コレをヤルと、芯が折れることがなく、残った芯が短すぎることによるペン先内部での芯折れも防げます。「オレンズ」の実力をしっかり発揮させるための「儀式」って感じ。この「儀式」がクセになり手が覚えてくれる頃には、非常に快適に「オレンズ」を多用できるようになっていると思います。

 ただ、「オレンズ」は芯の濃さや紙質を選ぶシャーペンでもあります。また、ユーザーによっては、「オレンズ」のやや独特の書き味を嫌う方もあると思います。

 ワタクシ的には、「オレンズ」には(芯径0.2mmも0.3mmも)Bや2Bなどの濃いめ(というか柔らかめ)の芯はあまり向かないような気がしており、HBを使っています。「オレンズ」を使い慣れると2Bとかでも折れることなくフツーに書けますが、最初から柔らかめの芯を使うとトラブルにつながりやすいと思います。

 このシャーペン、残りの芯が短くなった状態で強引にノックし続けると、ペン先内部で芯が潰れがちだったりします。そのトラブルが起きた場合はペン先を外してピンで掃除する手間がかかりますが、Bや2Bだとトラブルの頻度がやや高いような気がします。あと、うっかりとパイプ先から芯が出ている状態だと、Bや2Bなど柔らかい芯だと折れやすい(というより潰れやすい)というのもあります。

 それから書き味。パイプの先が紙に触れているので、芯だけが紙に触れるフツーのシャーペンより「少しカリカリした書き味」です。たぶん筆圧が高いほうがそう感じやすいと思います。また、紙質によっては金属のパイプで紙を傷めてしまう(引っ掻いてしまう)こともあります。ので、私見では「筆圧が一定以上に高い人には向かないシャーペン」という印象。

 使うのに少し慣れが必要で、筆記前のちょっとした動作も要って、筆圧の高い人には向かない。けっこーユーザーを選ぶ製品かもしれませんが、0.2mmとか0.3mmの芯で書きまくって全然折れないのは素晴らしい。使い慣れるとホントに便利で快適なシャーペンだと思います。

トガり続けて折れない「クルトガ アドバンス」

 書いているだけで芯先を自動的に尖らせてくれるシャーペンとしておなじみの、三菱鉛筆(uni)の「クルトガ」(公式ページ)。文字を一画書く毎に芯が少し回転することにより、芯先が偏って減らず、芯先端が円錐状に尖るという独自機構。いつもほどよく尖った芯先で書けるので、ムラのない綺麗な文字が書けます。

 何種類かタイプがありますが、「アドバンス」や「パイプスライドモデル」には、芯先を保護する機能があります。前出の「オレンズ」とよく似た機構で、芯がスライドパイプで保護されて折れにくいというシクミです。

使っているのは三菱鉛筆(uni)の「クルトガ アドバンス」です。芯径は0.5mm。書いていると芯先が一定に尖り続けるシャーペンで、金属パイプが芯折れを防ぎます。

 芯の折れなさ具合ですが、こちらも十分に実用的。全然折れません。ただ、残念ながら芯径は0.5mmのみ。0.5mmのシャーペンなら、やや筆圧が高くても折れにくいので、芯折れ防止機構の恩恵はそーんなに大きくないかも? なんて思ったりします。ちなみに、芯をガードするパイプですが、「オレンズ」ほど細くないからか、紙へのアタリもソフトで、書いていてもあまり違和感がありません。

 ただ、前述のとおりこのシリーズは「書いているだけで先端が一定の尖り続ける」という機構があります。ので、使う芯は0.5mmでも、フツーの0.5mmシャーペンよりも細め鋭め濃いめの線を書けます。0.3mmくらいのシャーペンを使っている感じでしょうか。十分細い線が書けますし、濃い(柔らかい)芯の使用も現実的でイイ感じです。

 いや~しかし「クルトガ」シリーズもクセになる書き心地ですネ。0.5mmシャーペンは最も選択肢が多い芯径だと思いますが、使いやすさで選ぶとしたら、ワタクシは「クルトガ アドバンス」(もしくは「クルトガ パイプスライドモデル」)。芯の先端が尖って文字をクリアに書けて、芯が折れにくく、それから0.5mmだと芯の多様性も楽しめるからです。

 あと、「クルトガ アドバンス」や前出の「オレンズ」は、芯がグラつかないという書き味も共通項。後述のバネ式の芯先保護機構だと、書いているときに芯がグラついて違和感があったりしますが、「クルトガ アドバンス」や「オレンズ」は紙に対してシッカリと安定的に芯を走らせることができ、快適に使えます。

隠れた名品? プラチナ万年筆「オ・レーヌ(OLEeNU)」シリーズ

 前出の2種類は、芯折れ防止機構として芯を金属パイプが包み込んでいるタイプです。で、ここから以降は芯折れ防止機構としてバネによる筆圧吸収のシクミが加わった、いわば「バネ式」です。

 バネ式は筆圧に応じて芯やその周辺部分が手前などに引っ込みます。ので、書き味として多かれ少なかれ「ペン先がグニグニ動く」という印象があります。個人的にはこの「グニグニ」があまり好きではありません。慣れられますが、な~んか小さな違和感が残りがち。

 そんなバネ式のなかで「コレならイイかも」と思えるのが、プラチナ万年筆の「オ・レーヌ(OLEeNU)」シリーズ(公式ページ)です。なかでも「オ・レーヌ プラス」を気に入って使っています。なおこのシリーズ、わりと複雑な機構と機能性がありますので、詳細はリンク先を見ていただければと思います。

プラチナ万年筆の「オ・レーヌ(OLEeNU)」シリーズ各種。どれも芯径0.5mmです。ペン先には、芯をガードするパイプ機構、複数の衝撃吸収機構、芯の中折れ防止機構、残りの芯0.5mmまで書けるゼロシン機構など独自のテクノロジーが多々詰め込まれています。

 芯の折れにくさですが、金属パイプで芯を保護していることに加え、過剰な筆圧がかかると芯が引っ込む機構が搭載されていることで、かなり折れにくいという印象です。常識的な範囲でならワイルドにガッシガシ書いても大丈夫。

 バネ式にアリガチなペン先のグニグニ感ですが、これも最小限という感じ。ワタクシの場合だと、敢えて筆圧を加えるようにしなければ、ほぼグニグニ感がなく、安定的に芯を走らせることができます。バネ式の芯折れ防止機構搭載シャーペンのなかでは、いちばん違和感なく書けると感じています。

 それから、ちょっと驚けるのが、ゼロシン機構。次の芯が送り込まれている状態なら、使用中の芯が残り0.5mmになるまで書くことができるそうです。使っていると0.5mmになる前に数ミリの短い芯がペン先からポロリと抜けたりしちゃいますが、「えっこんなに短くなるまで芯って使えるのォ!?」とビックリ。芯をムダにしないシャーペンでもあるようです。

 もうひとつ、芯が短くなって書けなくなったとき、ペン先を紙にグッと押しつけると芯が1mm程度出るというポイントプッシュ機構。あと数文字で書ききるのに芯が出ていない~みたいなときでも、ペンを握り直してノックすることなく少し芯を出せて書き終えられるという利便があります。細かな機能ですが、気分良く書き終えられることが多くてイイ感じです。

 なんかこのシャーペンシリーズ、スペック訴求もしてはいますが、それよりユーザーの鬱憤を晴らす機構が多々盛り込まれていて、ユーザー目線でつくられたという感じで好印象です。プラチナ万年筆の万年筆って、比較的に安価だけれどすご~く書き味がイイ! 使いやすい! みたいな製品がけっこーあるんですけど、そんなような良さがこの「オ・レーヌ(OLEeNU)」シリーズからも感じられます。

2つの可動部で芯折れを防止する「デルガード」

 続いてゼブラの「デルガード」(公式ページ)。ペン先に2つの可動部があり、垂直方向の筆圧はバネにより吸収し、斜め方向の筆圧にはペン先の金属部品がせり出して芯を保護するという芯折れ防止機構を備えています。たまに使う感じで使用中。

ゼブラの「デルガード」。使っているのは「デルガード タイプLx」(公式ページ)です。芯径は0.3mmと0.5mmがあります。

 より多く使うのは0.3mmのほうですが、芯の折れなさについては十分実用的だと感じられます。0.3mmでけっこーガシガシ書いていても芯折れがほぼ起きませんので、この独自機構、なかなかの実力派という気がします。

 また、コレ、筆圧によって書き味(可動部の挙動)が違ってくるシャーペンです。でも、ワタクシの場合はバネがあまり反応しない程度の筆圧なので、フツーのシャーペンとほとんど同様の書き味だと感じられます。

 ただ、筆圧が強くかかると、可動部が動いて芯への筆圧を回避するので、ペン先が「グニッ」と曲がるようなヘコむような感じがあり、ソレがちょっと違和感アリ。筆圧の高い人だと、書いている間いつもペン先がグニグニ動くことになると思います。慣れられる範囲だとは思いますが、使い始めはいつも「なんかヘンな感じ」と思ってしまいます。

 この、ペン先がときどき(もしくはいつも)動く機構、動きは僅かなんですが、気になる人は気になりまくりでしょうし、気にならないという人もあると思います。芯折れ防止機構としてはよくできていると思いますが、指先の感覚は鋭敏。良くも悪くも書き味にクセがあるシャーペンですので、買う前に試し書きしたほうがいいかもしれません。

折れないし振れば芯が出る「モーグルエアー」

 最後にパイロットの「モーグルエアー」(公式ページ)。前出の「デルガード」に似たバネ式の芯折れ防止機構を備えたシャーペンです。芯折れとは関係ありませんが、ノックで芯を繰り出せるほか、ペンを振る動作でも芯を繰り出すことができます。

パイロットの「モーグルエアー」。ペン先にバネ式の芯折れ防止機構を備えています。本体を振るだけで芯を繰り出せる=芯を出すときにペンを握り直す必要がないという便利機構も装備。芯径は0.5mmです。

 まず芯折れ防止機構ですが、折れないという点に関しては十分実用的だと感じられます。また、振れば芯が出てくるという機構は非常に便利。使うと「あ~ノックのためにペンを握り直すのって一手間だったんだな」と改めて感じます。

 ただ、このペン、買って使ってみてから、間もなくお蔵入り状態になってしまいました。というのは、書き心地に大きな違和感を感じたからです。

 その原因は芯折れ防止機構。確かに巧く芯折れを防いでくれていますが、可動部が動くときに「ゴリゴリ」という感触があるんです。前出の「デルガード」よりも弱い力で可動部が動いて芯折れを防止するようで、この「ゴリゴリ」という感触が頻繁にあります。書いていてとても気持ち悪い~、というわけで、全然使っていません。

 あと、振ると芯が出る機構。コレ、とても便利ではあるんですが、振ると「カシャカシャ」と音がします。静かな場所でこの音がしたら、気にする人は気にするかも。「ゴリゴリ」感触にせよ振ったときの音にせよ、このペン独特のものなので、やはり購入前には店頭などで確認するのが無難だと思います。

 てな感じの「芯が折れにくいシャープペンシル」各種。昔はこーゆーのなかったですネ。昔と比べると芯自体も良くなっています。今時的な高機能シャーペン、試してみると案外楽しいですよ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。