スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

マニュアル車おもしろ~い♪ ロードスター欲しいッ!

MT車を雪上で! 怖いっ……いやオモシロい!

 少し以前、まだ雪のある季節に、クルマ関連のロケ仕事でマツダの「アテンザ」(公式ページ)で走ることになりました。そのクルマはインプレスの中の人が所有するもので、具体的には「マツダ『アテンザ ディーゼル 6速MT』カスタマイズリポート」(該当記事)を連載している瀬戸氏のアテンザ。

マツダの「アテンザ」現行機種のセダンタイプ。マツダの「魂動(こどう)デザイン」が採用されているクルマで、2.2Lディーゼルターボ、6速MT(マニュアルトランスミッション)車です。瀬戸氏のアテンザは初期型XDグレードでした。※画像はメーカーサイトより抜粋。

 ロケと言っても、単に走るだけではなくて、主には雪上を走るという内容です。しかも瀬戸氏のアテンザはマニュアル車。左足でクラッチを操作しつつ左手でギアを操作する、今時ではあ~んまり見かけないクルマです。

 事前に、瀬戸氏から「マニュアル車でのロケなんですけど、マニュアル車の運転って大丈夫ですか?」と訊かれました。それに対してウッカリと「あっ大丈夫っす~たぶん~」とか答えてしまったワタクシ。まあ昔運転してたし、バイク(MT車)も乗ってるしどうにかなるだろ、と気軽に考えたんでした。

 でもよくよく考えてみると、雪道走行。そして思い返せば最後にMT車を運転したのは、えーと……20年くらい前。むむむ。大丈夫かな。ダメかも。いやどうにかなるでしょ。ん~やっぱダメかも。

 そうこうしているうちにロケ日。雪道に入る前に、高速道路のパーキングエリアから、慣れることも含めてMT車のアテンザを運転です。ドキドキ。てゅーかアテンザでかっ! こんな大きいマニュアル車、操作ミスでぶつけたらどうしよぉ~、とか思いつつ発進! はい即エンスト。

 ダメだこりゃ~とは思ったものの、仕事で「スタパが運転しているカットを撮影」というのも含まれているので、逃げられず。頑張って再トライ。発進成功。次いでギアチェンジ成功。高速道路走行開始! って20年ぶりのMT車運転の初っぱなが高速道路ってどうなの? 大丈夫、俺? 同乗者を道連れにしちゃったりして!?

 と、かなりビビっていたんですが、体が覚えているモンですねMT車の運転って。わりとフツーに走れちゃいました。

 そして、久々に思い出したMT車の運転。楽しいなぁこの操作感。うひょ♪

 また、このアテンザ、走りもイイですよ~。けっこーカッチリしていて、路面状況も把握できるし、意外に前方視界が開けていて、リニアな感じの加速が……えっコレってディーゼルエンジン? マジで!? こんなにスムーズに加速しちゃうのか~今時のディーゼルって!

 てな感じで、オモシロがりつつ走り、雪道へ。ここでも発進時にエンストしたりしましたが、やっぱり走って面白いMTのアテンザ。なーんかこのクルマ、イイかも。クルマ買い替え時期だし、アテンザみたいなクルマもいいなぁ~。

こんなロケーションで走りました。3月の志賀高原方面ですが、最後の雪の時期。雪道のMT車走行もなかなかエキサイティングで愉快でした。

 最初はビビっていたMT車運転でしたが、わりとすぐに慣れ、中盤からは楽しんで走ることができました。そう言えば免許取って最初に買ったクルマがMT車でしたし、興奮と緊張により脳内深部にMT車運転が染み込んでいたのかもしれません。いや~マニュアル車、おもしろいですわ~♪

ロードスターはどうよ?

 帰途、瀬戸氏と車内でマニュアル車談義。瀬戸氏は、じつは世界で最も売れている2シータースポーツカーである「ロードスター」シリーズのオーナーです(初代のNAと呼ばれる車種を所有)。現在は車検切れでアテンザだけ運転しているそうですが、そのアテンザがMT車であるのもロードスターからの流れ。ホントに楽しそうにMT車の良さを語ります。

 じつはワタクシもロードスター(初代:NA)に乗っていました。免許を取って最初に買ったMT車というのがロードスターなんです。超絶的に楽しいクルマで、ワタクシ的な印象では「いいバイクみたいに自由に楽しく走り続けられるクルマ」でした。

 ですよね~ロードスターNA、あれ最高ですよね瀬戸さん! そうなんですよね~最高なんですよ~スタパさん! てな会話を交わしていると、瀬戸氏が「あ、NDロードスターって乗りました? いちばん新しい4代目のロードスターですけど。最近ではロードスターRFっていう電動リトラクタブル・ハードトップ車も出ましたよ」と。

 正直言って、ワタクシは初代ロードスター以降、2代目や3代目のロードスターはほとんどノーチェックでした。4代目が出ていることも曖昧にしか知りません。

 ちなみに、ロードスターは、初代がNA、2代目がNB、3代目がNC、4代目(現行機種)がNDと呼ばれています。最新ロードスター(ND)の公式ページはコチラ、最新ロードスターのリトラクタブル・ハードトップ車の公式ページはコチラです。

最新型のロードスター(ND)。左が「ロードスター」で、右が「ロードスターRF」です。※画像はメーカーサイトより抜粋。

 初代ロードスターのおもしろさを思い出しまくりつつ、瀬戸氏が試乗した最新型ロードスターのフィーリングを訊いたりしていましたら、急激にロードスターに対する興味が沸きまくって来まくりでした。「そうか、改めて今、ロードスターってのもイイかも!」なんて思ってしまいました。

 瀬戸氏は「ロードスターいいと思いますヨ~」「アリですよ~ロードスター」「一度試乗したほうがいいですよ」「ソフトトップ車なら既に中古も出ていたりしますよ」などと、なんかテンション高い感じ。わかります。同じロードスターNAというクルマを乗っていた者として、最新型ロードスターに興味を持ったことを後押ししたい気持ち。

2シータースポーツカーの不便さ

 帰宅後、最新型ロードスターについて調べまくりました。けっこーカッコイイ。装備も現代的。よく走りそう。でも高いっすね~。250万円くらいからで、RFは300万円台。

 ロードスターシリーズは、とてもよくできたスポーツカーです。でも、2シーター。2人しか乗れません。従来のロードスターはキャビン後部にちょっとした小物置きスペースがありましたが、最新型はそういうのもありません。トランクはありますが、運転席にはドライバーがひとり、助手席には同乗者ひとり+足元にちょっとしたバッグ程度しか置けません。

 てなコトを考えていたら、ロードスターの不便さも思い出しました。荷物が全然載りません。買い物に使いにくいし乗れる人数もドライバーを含めて2人までで、なかなか日常の汎用には使いにくい……というかフツーのクルマみたいな汎用は「ほぼできないクルマ」です。

 それからオープンカーであること(RFはハードトップが開いて頭上だけ開くタイプのオープン)。オープンカーって、渋滞中はジロジロ見られるわトラックとかの排ガスが流れ込んでくるわ夏に渋滞したら直射日光で汗だくだわ季節関係なくホコリっぽいわで、「この道でオープンにしたのは間違いだった~」というシーンも多々。ソフトトップだとな~んか盗難とかに遭いそうで不安ってのもあります。

 ツイデに雪道もキビシイです。ロードスターシリーズはどれも軽量で、1t以下とか1t少々という車両重量。軽い。しかもFR(エンジンが前にあって駆動は後輪)。スタッドレスタイヤを履いても、かなり慎重に運転しないと危なっかしい雰囲気。ノーマルタイヤで凍結路面に乗っちゃったりすると、もうクルックル回っちゃう感じです。

 そんな不便感のあるクルマが、250万円とか300万円とかするわけです。そーとー好きでなければ現実的ではありません。というわけで、最新型ロードスターは、情報収集後しばらくして「やっぱこういうの無理だよな」と諦めモード。

 ただ、乗るとホントに楽しいんですよね、2シータースポーツカーっていうかロードスター。抜群です。サイコーです。

 初代ロードスターに乗っていた頃は、荷物が載らない~とか言いつつも、秋葉原で17インチモニター(ブラウン管式)を購入してロードスターに無理矢理積んで帰ったりしましたし、2人分のキャンプ用品を積んでキャンプに行ったりしました。スノーボードを積んでスキー場にも行きました。「ロードスターでスキー場に行く」のが目的でロードスターにスノーボードを積んだ感じでしたが、サイコーのクルマなので実は何だってできるんだぜ~という心意気で何でもしちゃいました。

 オープンもサイコーです。初代ロードスターでは富士山の周辺をよくドライブしましたが、風の流れ、空、木漏れ日、たっぷり実感できます。森の中をトレッキングしているような感覚。もちろんバイクと違ってノーヘルメットですので、高速で移動する乗り物としては最も開放感があると思います。その感覚で街中を走ってもサイコーで、都心~横浜の高速道路なんかは物凄く楽しいドライブコースとなります。

 そして走りそのものがサイコーなんです。乗ると、いつまでも走っていたくなる。エンジンを扱うことや、クルマの向きを変えること自体が楽しいんです。音や振動や操舵感で道路状況がよくわかって不安がなく、排気音も心地良い。……そういうクルマ、最近全然乗ってないかも。

ロードスターRFに試乗したら激ヤバだった件

 ロードスター最高! なんだけど、ん~実際は汎用には向かないし、なかなか購入に踏み切れないクルマです。まあ、結局、やっぱり、ちょっと無理かな~、とか思いつつ、1カ月くらい経過。

 でもマジメな話、現在乗ってるクルマはもう10年オーバーでかなりボロボロ。そしてもうすぐ車検。今年はクルマ買い換えの年となる感じ。なので、そろそろ、めぼしいクルマを見つけて、ディーラー巡りをする必要があります。

 そう考えたら、とりあえずマツダのディーラーへ行きたくなりました。最新型ロードスターの高価さ不便さ特殊さを確認しないと、フツーのクルマを探すのに集中できません。20年くらいぶりに脳内でくすぶり始めたロードスター熱を、しっかり冷まし、良い思い出は良い思い出、買い替える道具は買い替える道具、として割り切らないとモヤモヤしていけません。

 そんな流れでマツダのディーラーへ。試乗車は「ロードスターRF」(公式ページ)。非常に美しい動きをする電動リトラクタブル・ハードトップを見たかったのと、実は乗っていた初代ロードスターも(別売の)ハードトップを装着していたからです。

 MT車は、こないだのアテンザから約1カ月ぶり。試乗車でいきなりエンストしたらどうしよぅ~恥ずかしいぃ~ん、ていうかRFって300万円とかのクルマでしょぉ~ブツケたらどうしよぉぅ~逃げるしか? とかビビりつつの試乗となりました。

 結果、もう最高です。サイコー。

 まず、試乗直前、ロードスターRFの外観がカッコイイ! 素晴らしく美しいっていうかセクシーっていうかマツダすげえなおい! って感じですので、ぜひ実車を見てください。

 シートに座ったら「うわっ狭っ!」って感じ。初代のロードスターより狭い? ていうか20年前より太ったから? 明らかに後者ですが、シートを調節したらポジションがキマり、ステアリング高を調節したらさらにビシッとキマりつつ、下ろした左手にシフトノブがピタリ。エンジンをかける前から、もう高揚させるこのコックピット。

 エンジン始動。ロードスターRFは2Lエンジンでトルクフルです。エンストすることもなく走り出すと、現代のクルマなのに思ったよりイイ音だし、も~の凄く久々に感じる「それらしい足回り」と「手にも目にも耳にも体にも伝わるクルマの挙動と道の様子」。「うわぁ~楽しい~っ♪」って、声に出しちゃいました。

 あとコレ、周囲の見え方もイイですよ~。ボンネットの左右の、前輪がある部分が盛り上がっていて、スポーツカー然としてカッコイイのと同時に、その部分が目安になって車幅とかクルマの向きがすごくわかりやすい。試乗車って最初の30分くらいは車幅感覚とかつかみにくくて不安ですが、このロードスターRFはアッという間に自分のクルマみたいにアレコレ把握&余裕をもって走れました。

 ほかイロイロ、良かった部分が多々あった……というより、想像を遙かに超えて良すぎたロードスターRF。物凄く楽しい! 試乗は1時間くらいでしたが、走っている間じゅう、「おぉー」とか「う~ん」とか「やっべ~イイわ~」とか感嘆しきり。ホントに交差点ひとつ曲がるだけでも楽しいし、走ることが豊かな時間を過ごすことに思えてくる。移動の意味を変えてしまう。凄いなこのクルマ。感動しましたマジで。

 なお、試乗車のお値段を訊いたら、ロードスターRFの最高グレード+高級オプション付きだったらしく、税込乗り出し価格で440万円くらいでした。高っ!

 ……いや、高いのか? 高いか。ていうか、ロードスターとか無理~不便~ダメ~的な感じで、興味本位でちょっと乗っただけのオッサンを、赤子の手をひねるがごとく感嘆させて感動させてしまう、希有なハードウェアですよコレ。

 5年乗るとして、440万円÷5年=年間88万円。88万÷12ヵ月=1カ月で約7万3000円。1カ月に6回しか乗らなかったとして、1回1万2222円。この1回ってのが1時間とかじゃなくて、24時間でもいいんですからね、1回は1回で。まあ燃料代とかは別にありますが。ともあれ1回1万2222円とかで感嘆して感動できるハードウェア。安いんじゃないだろうか?

 はっ、危ない危ない! 初代ロードスターと同じ轍だ! 初代もそういう計算して「これなら安い~♪」とか思って速攻でディーラー行ってハンコ押したんだった! やっぱりヤバいなロードスター!

 と、「イマココ」なわけですが、あんなクルマ乗っちゃいますと、ホント考えちゃいますね~。悩ましい。でも、こういう悩ましい存在を知り得たのって、物凄く久々です。楽しいですネ、自動車って。ロードスターに限らず、気になるクルマがあったら、ディーラーにちょっと行ってみるのはアリだし、非常に楽しいナと思った次第です。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。