ケータイ用語の基礎知識

第751回:スマートフォン・モバイル実務検定 とは

携帯電話の販売スタッフ向けに

 スマートフォン・モバイル実務検定は、携帯電話ショップの販売スタッフやモバイル業界の非技術系スタッフ向けの検定試験です。モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)という団体が行っているもので、以前は、「MCPCケータイ実務検定」と呼ばれていましたが、スマートフォンやタブレットなども含むようになり、名称が変更されました。

 合格すると携帯電話本体や関連サービスの販売などに携わる人にとって、業務で求められる基本的な知識を持っていると認定する「スマートフォン・ケータイアドバイザーカード」がもらえます試験は年2回行われ、満16歳以上であれば、誰でも受検できますが、販売スタッフ、人材派遣会社の登録者、消費者相談窓口の相談員といった人が受検すると想定されています。

 検定を行っているMCPCは、携帯電話事業者やメーカー、ソフトウェアベンダー、システムインテグレーターなどが参加する団体です。「スマートフォン・モバイル実務検定」のほかにも、モバイル関連の技術者向けの認証である「モバイルシステム技術1・2級」、モバイルシステム構築のコンサルタント技術に関する認証である「モバイルシステムコンサルタント」といったものも行っています。「モバイル技術基礎検定」と並んで、この「スマートフォン・モバイル実務検定」は、これら一連のスキル認証の一環となっています。

幅広い「基礎知識」が必要

 この「スマートフォン・モバイル実務検定」の試験では、

  • スマートフォンなどのモバイル端末の市場に関する知識
  • 商品・サービスなどの知識
  • モバイル関連技術
  • コンテンツ・アプリに関する知識
  • 消費者保護に関する知識
  • 有害情報、紛失/盗難時の対処
  • 個人情報保護に関する知識
  • 関係法令/ガイドラインに関する知識

といった知識が問われます。

 出題範囲としては、市販されている「モバイル基礎テキスト」のほか、新聞などで取り上げられているニュースなどからも出題されることがあります。MCPCのサイトにはサンプルの問題も掲載されています。問題の難易度としては、基礎的でやさしいものです。

次の空欄にあてはまる最も適切な語句を、選択肢の中からひとつ選びなさい。

 MVNO(Mobile Virtual Network Operator)は仮想携帯電話会社と呼ばれ、既存の携帯電話会社(MNO)から「〇〇〇」を借り受けて、独自の自社サービスを提供する企業(事業者)のことをいいます。既に通信以外の分野で事業を行っている会社が、移動体通信事業に参入する時のビジネスモデルのひとつになります。

1:投資資金

2:通信運用資金

3:MVNE 設備

4:通信設備

 基礎的な部分に限定されるとはいえ、顧客となる携帯電話のユーザーを保護する、という観点を踏まえたうえで技術・サービス・法律といった幅広い分野の知識を習得していることが必要とされます。また、ニュースになるような最新の携帯電話・スマートフォン事情もある程度フォローしている必要もあります。回答方法は4者択一形式ですが、問題数は60問で、これを60分以内に回答する必要があります。

 試験方式は、以前はマークシート方式でしたが、2016年現在ではコンピュータ技術者試験などでも使われるCBT(Computer Based Testing)という出題・回答をコンピュータ上で行う形式のものとなっておりマウスやキーボードを使って回答するようになっています合否発表は即時ではなく、後日、MCPCのサイトで行われます。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)