神奈川で「津波警報・注意報」のエリアメール、配信は誤報


 27日20時ごろ、東北地方で発生した地震にあわせ、神奈川県の一部地域のNTTドコモユーザーに対し、津波警報や注意報が発令されたという内容のエリアメールが配信された。気象庁から、神奈川県内に向け、こうした内容の発表は行われておらず、神奈川県では誤って配信したことを明らかにした。

 ドコモによれば、気象庁から津波警報や津波注意報は受け取っておらず、ドコモとしてそうした内容のエリアメールは配信していないと説明。Twitterなどのソーシャルメディア上では、神奈川県でエリアメールを受信した、という報告が相次いでいたが、神奈川県では「気象庁の発表があってエリアメールが反応した」と説明し、神奈川県の相模湾、東京湾沿岸部のドコモユーザーに誤報として配信された、という。

 原因は調査中とのことだが、神奈川県は「気象庁からのデータの表題(津波警報・注意報などと表記)に反応したのではないか」として、ドコモとの調整の上で、同じくエリアメールを使い、先に受信したユーザーへ誤報を通知する。

 なおNTTドコモでは2月24日よりエリアメールで津波警報の配信を開始。3月27日時点で、津波警報を一斉同報で携帯電話宛に配信できるのはドコモだけで、auは3月以降、ソフトバンクモバイルは2012年中に対応する予定。神奈川県ではエリアメールによる津波警報配信を3月15日より導入していた。2月24日のドコモの会見によれば、津波警報は発表から数秒で携帯電話へ配信されるとのこと。

【追記 2012/03/28 15:45】
 神奈川県は28日、エリアメール誤報の原因は、本来運用する配信条件だけではなく、導入試験の際に設定した配信条件が削除されていなかったため、と発表した。この試験用の条件は、津波警報・津波注意報・津波予報の全てに対応するもの。27日夜の地震では、気象庁から北海道および東北に向けて津波予報(若干の海面変動)が発表されていた。また誤報直後は「神奈川県の沿岸部だけに配信」とされていたが、調査の結果、神奈川県内の全市町村に配信されていることが判明しており、これも試験用配信条件によるものだった。神奈川県では今後、システム改修を実施して、検証した後、エリアメールによる津波情報配信サービスを再稼働させる。




(関口 聖)

2012/3/27 21:03