そのような事実はない――DeNAがグリーと田中社長に反訴


 ディー・エヌ・エー(DeNA)は、グリーおよびグリーの代表取締役社長の田中良和氏を相手取り、損害賠償請求や謝罪文の掲載を求めて東京地裁に提訴した。グリーが提訴した内容へのDeNA側の反訴となる。

 DeNAは31日、グリーと同社田中氏に対して、不法行為等に基づく損害賠償と、謝罪文の掲載を請求する訴えを起こした。なお、損害賠償額については非公表で、DeNA側の主張する内容についても裁判で明らかにするとしている。

 2011年11月21日、グリーはDeNAを相手取り、10.5億円の損害賠償訴訟を起こし、同日会見を行った。原告側にはKDDIも加わっており、賠償請求の内訳はグリーが9億円、KDDIが1億5000万円となっている。

 2011年6月、公正取引委員会はDeNAが取引妨害行為および独占禁止法違反をしているとして排除措置命令を行った。DeNAはこれに不服申し立てを行わず、8月には排除命令が確定。11月のグリーの訴えは、排除命令までの期間の損害賠償を求めるとともに、排除命令以降もDeNAの妨害行為が継続していると主張するものだった。

 これに対してDeNAでは、「(グリーから)DeNAが独占禁止法に違反する行為を行っているかのようなリリースがなされたが、そのような事実はない」とのコメントを出しているほか、グリーの田中氏が各所で違法行為が現在も続いているとする発言を行ったことについて、DeNAは法的措置の検討を示唆していた。今回DeNAがグリーに対して反訴した形になる。

 




(津田 啓夢)

2012/1/31 18:22