WiMAX搭載、NFC対応の「GALAXY S II WiMAX」


 「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」は、約4.7インチのHD SUPER AMOLED(720×1280ドット)ディスプレイを搭載するサムスン製スマートフォン。ソフトウェアプラットフォームはAndroid 2.3となる。

 1.4GHz駆動のデュアルコアCPUや16GBのストレージを内蔵し、au初のNFC(Near Field Communication)対応機種となる。またDLNA、Bluetooth、HDMI対応で、Wi-Fiでは2.4GHz帯に加えて5GHz帯もサポートする。

 すでに国内でもNTTドコモにおいてGALAXY S IIブランドの端末が発売されているが、それらの端末が480×800ドットのSUPER AMOLED Plusを搭載しているのに対し、ISW11SCは720×1280ドットのHD SUPER AMOLEDとなっている。ISW11SCはベースとなるグローバル端末が存在しないが、ディスプレイを含めたデザイン面では、昨秋グローバル向けに発表された「Galaxy S II HD LTE」に似た仕上がりとなる。

 ほかのGALAXY Sシリーズ同様、画面の下中央にハードウェアタイプのホームキー、その左右にタッチセンサーを使ったメニューキーとバックキーが搭載されている。電源キーは右側面、音量キーは左側面、イヤホン端子は上端、充電やデータ接続用のmicroUSB端子は下端。microUSB端子の配置などは、ほかのGALAXY S IIシリーズモデルと共通で、同じようなデザインの卓上ホルダー(別売り)も利用できる。ただし、GALAXY S IIシリーズは、デザインは似ているものの、画面サイズなどがモデルごとにバラバラなため、デザインに依存する周辺機器は流用できない。

 ホーム画面などのUIはサムスン独自の「Touch WIZ 4.0」を搭載する。NTTドコモ向け端末と操作性などは変わらないが、ISW11SCはディスプレイの高解像度化とともに縦横の比率も変わり、より縦長となっているため、アプリケーションメニューでは1画面に並べられるアイコンの数がより多く変更されている。また、卓上ホルダーに乗せると専用のロック画面(縦横両対応)に切り替わる機能もある。このほかにも、アイコンサイズが大きいデザインとなるホームランチャーアプリも搭載しており、それらを切り替えするための専用アプリもある。

 ワンセグや赤外線、おサイフケータイ、防水といった国内仕様には対応していないが、非接触通信の国際規格である「NFC」に対応している。NFCは「Near Field Communication」の略で、非接触ICと組み合わせて、おサイフケータイのようにごく至近距離でセキュアな通信を行なえる。NFCを使った機能としては、電子マネーやポイントカードなどのアプリ機能(今後提供予定)、ポスターなどに埋め込まれたタグを読み取る機能、対応端末同士でURLなどのデータを交換する機能に対応している。

 このうち、端末同士でデータ交換する際には、送受信ともに専用アプリを起動する必要があり、Android 4.0(ICS)搭載のGALAXY NEXUSが搭載する「Android Beam」とは別の機能となっている。このほかの2つの機能については、アプリを起動していなくても利用が可能。

 ISW11SCが搭載しているNFC機能は、SIMカード(au ICカード)内にNFC用の領域を利用することで、電子マネーなどのセキュアなサービスを実現している。このため、ISW11SCでは「バージョン2」のau ICカードが必要で、au ICカードのバージョンが古い人は、ISW11SCへの機種変更時に、カードの切り替え(再発行)が必要となる。

 バージョン2のau ICカードは、2011年4月ごろから利用が開始されている。それ以降に新規契約をした人、あるいはau ICカードの再発行を行なった人の場合、カードの切り替えは不要。au ICカードの個体識別番号を使った端末のロック機能により、カードを再発行してから以前使っていた機種にカードを戻して利用するには、有償の「ロッククリア」という作業をauショップで行なう必要がある。

 サムスン独自の機能としては、ホーム画面に加え、ジェスチャーを利用した操作などが搭載されている。たとえば卓上に置いていて着信したとき、ひっくり返して卓上に置き直すと、それがジェスチャーとなり、着信音が一時停止する機能がある。このほかにも、サムスン独自アプリの配信ストア「Samsung Apps」やPolaris Office、タスクマネージャー、ファイル管理、辞書、Backupなどのアプリが搭載されている。また、遠隔操作で端末の位置検索や情報消去を行なえるサムスン独自の「Find my mobile」サービスにも対応している。

 通信機能としては、CDMAに加えてWiMAXに対応しているが、WIN HIGH SPEEDや旧800MHz帯の通信には対応していない。WiMAXのオン/オフは切り替え可能で、WiMAXがオンになっていても、WiMAX圏外では自動でCDMAによる通信に切り替わる。Wi-FiおよびUSBによるテザリングにも対応。Wi-Fiテザリングは8台まで接続可能。国際ローミングにも対応するが、対応はグローバルパスポートCDMAのみとなる。

 無線LANはIEEE802.11 a/b/g/nとフルに対応し、周波数帯も2.4GHz帯に加えてスマートフォンとしては珍しく5GHz帯に対応している。Bluetooth 3.0+HSに対応するがBluetooth Low Energyには対応しない。

 メッセージ機能としては、SMS(Cメール)とEメール(ezweb.ne.jp)の送受信に対応。緊急速報メールにも対応している。デコレーションメールも利用できる。

 CPUにはC210+QSC6085(デュアルコア1.4GHz)を搭載。内部ストレージはカタログ上は内蔵16GBと表記されているが、発表会展示機にて標準搭載のタスクマネージャー(サムスン独自)を使って調べたところ、「システム」に約2GB、「ユーザー」に約11GBが割り当てられていた。2GBのmicroSDカードが同梱され、最大32GBのmicroSDHCカードが利用できる。

 ディスプレイは約4.7インチHD解像度(720×1280ドット)の有機EL(HD SUPER AMOLED)。メインのアウトカメラは808万画素のオートフォーカスCMOSで、インカメラは207万画素のCMOS。

 プラットフォームには、現時点ではAndroid 2.3(Gingerbread)を搭載するが、Android 4.0以降(Ice Cream Sandwich)へのアップデートも予定している。ただしそのアップデートの提供時期などは、現時点では未定となっている。

 大きさは約69×133×9.5mm、重さは約139g。連続通話時間は約670分、連続待受時間は約420時間。ボディカラーはノーブルブラックのみ。





(関口 聖)

2012/1/16 10:59