テーマは宇宙、7色防水の「STAR7 009Z」にかけるZTEの意気込み
写真左からソフトバンクの丹波氏、ZTEの丁氏、王氏 |
ZTEジャパンは、Androidスマートフォン「STAR7 009Z」の発売に伴って、商品発表会を開催した。
「STAR7 009Z」は、宇宙をテーマに7色のカラーバリエーションをラインナップしたZTE製のAndroidスマートフォン。Android 2.3を搭載する。防水やワンセグといった国内向けの機能を搭載し、フィーチャーフォンの利用者も使いやすいように、オリジナルのアプリメニューなども用意されている。
ZTEジャパンの副社長兼端末最高責任者の王旗(ワン・チー)氏は、「今年最後の商品は7色防水のSTAR7。ソフトバンクと一緒に企画開発し、製造、量産まで非常に苦労を経験した。日本は商品への要求が高く、顧客は使い勝手にこだわり、非常に厳しいマーケットと認識している。STAR7で日本のユーザーに喜びを提供したい」と話した。
王氏によると、ZTEの2010年度のグローバルでの出荷数は約9000万台で、その内の7割がハンドセット、残りの3割がデータ通信端末という。現在、世界シェアでは5番手にあたり、2011年第3四半期だけに限ると、端末出荷台数はアップルを抜いて4位となる。世界トップ40の携帯電話事業者のうち、36キャリアに端末を供給している。
グローバル企業であるZTEにおいて、日本市場は端末の数を出荷するにはインパクトが小さい市場だ。しかし、王氏は発表会の中で再三、日本市場の商品への要求は高く、ユーザーの目が肥えていることを語っており、日本の市場で要求に応えられれば、ほかの市場で展開しやすくなることを臭わせた。ZTEの端末ロードマップの中で、日本向けのモデルはハイエンドモデルの中でもトップクラス、王氏が「本社からも多大な支援をもらっている」と語るように、ハイエンドモデルをグローバル展開するための拠点といった意味があるようだ。
「STAR7 009Z」は、防水・ワンセグと国内向けの需要を満たす機能が盛り込まれている。ZTEジャパンのモバイルターミナル事業部 第二営業部 部長の安岡浩氏は、「STAR7 009Z」のターゲットについて「スマートフォンの購入をためらっているユーザー」と説明。国内ユーザーのカラーバリエーションに対するニーズと、グローバルメーカーとしては珍しい防水機能、ワンセグのサポートなど、ZTEとしてもチャレンジの多い端末だったという。
なお、製品パッケージも宇宙をイメージしたパッケージが採用され、数量限定だが、ソフトバンクのお父さん(犬)が宇宙服を着用したストラップも同梱される。「STAR7 009Z」は、ソフトバンクのプロモーションと連動した端末となっている。
ソフトバンクモバイルのプロダクトサービス本部 本部長の丹波廣寅氏は、「STAR7 009Z」について、「ワンセグがない、防水がないとネガティブなイメージからスタートすると売りにくい」と語り、フィーチャーフォンから乗り換えさせるために日本の仕様を盛り込んだことを説明した。同氏は、「アーリーアダプタ向けの商品であれば、標準のAndroidのユーザーインターフェイス(UI)をそのまま持ってきた方が喜ばれるが、一般ユーザーにはそれは使いにくい端末と響く」と話し、UIを一般層向けに工夫したことを説明。「STAR7のUIでは、受け入れられ易いUIを意識し、AndroidのUIをキャラクターメニューにした。コンベンショナル端末(ソフトバンクのフィーチャーフォンのこと)のメニューのように、カメラのアイコンがいつも真ん中にあるなど工夫した」と語った。
このほか丹波氏は、STAR7がローエンドモデルではなく、ミッドハイ、ミッドローなどと呼ばれるボリュームゾーンを狙った端末であると説明した。また、フィーチャーフォンの全盛期のように、ハイエンドとミドル、ローエンドがバランスよく棲み分けられているのとは異なり、Android端末は、一定の基準以上を満たすように企画した方が向いているとした。
このほか、ZTE本体のGSM&UMTSプロダクトライン総経理である丁寧(テイ・ネイ)氏は、「STAR7 009Z」について「ソフトバンク向けモデルが最優先だが、防水モデルは世界でも売れると確信している」と語り、グローバル展開にも意欲を見せた。
2011/12/19 20:15