「ケータイ白書2010」発刊、スマートフォンの利用が拡大
インプレスR&Dは、携帯電話などモバイルの利用動向を解説する書籍「ケータイ白書2010」を12月3日に発刊する。モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)が監修しており、価格は7140円。同梱CD-ROMのグラフなどは社外プレゼンなどに活用できる。
「ケータイ白書」は、独自のユーザー調査の結果などにより、携帯電話市場やモバイルビジネスの最新動向をまとめた解説書。個人の携帯電話利用者3000人、スマートフォンユーザー2800人、企業1800社に利用実態調査を実施している。スマートフォンなどの端末動向や、コンテンツ業界の動向、LTEやWiMAXといった通信方式や携帯向けOS、認証課金プラットフォームなどについても解説されている。
調査の結果、スマートフォンの利用者は昨年の2.6%から4.0%に、認知度も49.1%から63.4%に上昇しており、非利用者の利用意向も4.2%から5.5%と増加している。利用機種のランキングではiPhoneがトップとなっている。
満足度の項目では、auが昨年比0.01ポイント上昇と微増ながら3.99でトップを守り、続くドコモも0.03ポイント上昇し3.85となった。その一方でソフトバンクは0.04ポイント低下し3.69となっている。
データカード全体の利用率は3.6%(昨年4.2%)と若干減少した。キャリア別のシェアは、ドコモが39.2%(昨年33.7%)、イー・モバイルが20.0%(昨年11.6%)とのなったが、auは12.1%(昨年18.2%)、ウィルコムは15.8%(昨年23.4%)とそれぞれ低下した。なお、データ通信利用者におけるWiMAXへの利用意向は35.8%となり、期待は高いと分析されている。
ケータイ白書では、携帯電話のダウンロード速度「モバイルスピード調査」として計測している。その結果、昨年10月に301.8kbpsだった平均ダウンロード速度は2009年8月に401.5kbpsとなった。キャリア別では、auが439.0kbps、ドコモが423.4kbpsと競り合っている状況で、ソフトバンクは148.3kbpsに留まっている。
インプレスR&Dでは、この1年間の変化ではドコモが上昇傾向にあり、auは450kbps程度で安定、ソフトバンクは150kbps程度で変化が見られないとしている。また通信方式別に見ると、CDMA2000 1xEV-DO Rev.A端末の平均ダウンロード速度が545.3kbps、ドコモのHSDPAが519.0kbps、ソフトバンクのHSDPAが165.1kbpsとなった。
このほか、携帯やPHSを仕事で導入している企業は、音声端末が88.7%、データ通信端末が37.2%となり、大企業ほど利用率が高い結果となった。各キャリアのシェアは、音声がドコモ(57.2%)、au(18.4%)、ソフトバンク(18.0%)の順番で、データ通信もドコモ(44.6%)トップだが、イー・モバイル(13.7%)、ウィルコム(13.4%)が続いており、イー・モバイルは昨年の2.6%から大きく伸びている。
インプレスR&Dでは、ケータイ白書2010に掲載しきれなかった調査結果を「ケータイ利用者動向調査2010」としてまとめ、詳細なデータの販売を予定している。
2009/11/25 13:33