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Spotifyが2023年の年間ランキング発表、日本で一番聴かれたのはYOASOBIの「アイドル」

 スポティファイは、音楽配信サービス「Spotify」における年間ランキングを発表した。2023年、日本でもっとも再生された楽曲はYOASOBIの「アイドル」だった。

YOASOBIなど高い人気だった2023年

 同社によれば、世界でもっとも再生された音楽は、マイリー・サイラスの「Flowers」。アーティスト別では、テイラー・スウィフトがトップだったという。日本では、YOASOBIの「アイドル」がもっとも再生数が多かった。史上最速で再生回数2億回を達成し、4月14日~7月21日の間、Spotify Japanのデイリーチャートでトップだったという。

 SpotifyからSNSへのシェアがもっとも多かったアーティストは、JO1。次いでBE:FIRST、INIがトップ3にランクインしており、熱心なファンが多いアーティストがトップを独占したとしている。

 国内で聴かれた回数が多かったアーティストは、1位がMrs. GREEN APPLE。2位はVaundyだった。トップ10にランクインしたアーティストのうち7組が2年連続でエントリーしており、ヒット曲をきっかけにそのほかの曲も聴きやすいストリーミングの特徴をとらえた結果になった。

アニメ以外のJPOPも高まる海外人気

 YOASOBIは、海外でもっとも再生された国内アーティストとしてもトップでランクイン。藤井風やXGがそれに続いた。YOASOBIは、人気アニメ「推しの子」のテーマ曲である「アイドル」がヒットした結果、他楽曲も多く聴かれたという。

 また、海外でもっとも再生された国内アーティストの楽曲は1位が藤井風の「死ぬのがいいわ」。2位にYOASOBIの「アイドル」、3位には米津玄師の「KICK BACK」がランクインした。

 これまで海外で再生される国内アーティストの楽曲はアニメ関連の楽曲が大半だったというが、2023年はトップ10のうち7曲がアニメのタイアップなどがない作品で新しいトレンドが生まれているとの分析が示された。

 このほか、90年代のJPOPではネットフリックスのドラマ「First Love 初恋」で再注目された宇多田ヒカルの「First Love」が世界でも人気を集めた。80年代では泰葉の「Fly-day Chinatown」や杏里の「Remember Summer Days」など、いわゆるシティポップの評価が海外で高まっている。

YOASOBI

一大コミュニティになったSpotify

 Spotifyが日本国内でサービスを開始しておよそ7年。スポティファイ・ジャパン 音楽部門担当の芦澤紀子氏は「音楽ファンだけではなく、エンゲージメントの高いリスナーが集まる一大コミュニティになった」とこれまでを振り返りながら語る。

スポティファイ・ジャパン 芦澤氏

 若年層を中心に支持を集めており、おおむね1995年生まれ以降を指すいわゆるZ世代での人気が特に高い。過去3年間でZ世代のユーザー数は4倍に成長しており、ほかのソーシャルサービスと比べてもその増加率は高いという。

 近年では、TikTokやYouTube、InstagramなどのSNSで楽曲に触れ、Spotifyで聴かれヒットにつながることが国内外でめずらしくないという芦澤氏。Spotifyは、音楽視聴を取り巻く環境が大きく変わるなか、TikTokとの連携を深めるなどの取り組みを進める。TikTokで視聴した楽曲を、アプリを切り替えずにSpotifyのお気に入りに保存できる機能が米国と英国で提供されており今後、対象地域を拡大していくという。

 また、JPOPの魅力を世界に広める取り組みとして、多様なジャンルのJPOPをまとめたプレイリスト「Gacha Pop」の展開や人気アニメとのパートナーシップへの注力を通じて、さらなる音楽の需要を開拓する。