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「AR時代はいつ来るのか」、Nrealが描く次世代インターフェイス
2022年8月24日 19:08
日本Nrealは24日、「Nreal Air」の周辺機器「Nreal Adapter」や「Nebula」のアップデートを発表した。
発表の場には、Nreal 副社長兼日本Nreal 代表取締役の呂正民氏が登壇し、同社がかかげるARのビジョンを語った。
ARは次世代のインターフェイス
呂氏は、パソコンやスマートフォン、インターネットが普及した一方でその世界へのインターフェイスは平面な画面に限定されていると指摘。「Nrealは、単純に技術を改善するのではなく、2Dの世界から3Dの立体空間へ転換し、直接デジタル世界を体験できるようにする」と語る。
AR技術は、人々の考え方を2Dの平面から3Dの立体へと変化させるとも語り「メタバース」の普及を示唆した。仮想空間には、次世代のプラットフォームや2Dの画面を超える技術が必要で、それがARであるという。
同社がAR製品を開発するときに重要なポイントと位置づけているのが「デザイン」「オプティカルエンジン」「安全性」の3つ。
単純なハードとソフトのデザインのみではなく、ユーザーがどのくらいでARを使えるかを研究してデザインしているという。画面の大きさはそのひとつ。大画面が求められるテレビなどがある一方、スマートフォンなど携帯性・コンパクトさを追求するものもあり、これらの条件をクリアできるのがARグラスと説明。
ハードウェアとしても軽く、持ち運びがしやすいといったことも合わせて「外につけて出かけても恥ずかしくない、ファッションの一部になるデザインも追求する」とした。
また、「オプティカルエンジン」では、4mの距離で130インチのスクリーンを投影できるといった性能を実現。同社が開発した次世代の光学エンジンと最新型のソニー製マイクロOLEDスクリーンにより、鮮やかな映像表現を可能にしたという。
同社では、製品品質を維持するために、中国に世界初の全自動化されたオプティカルモジュールを生産する工場を建設した。
性能だけではなく、ユーザーの安心につながる安全性も重視すると呂氏。目と画面の距離が近いARグラスでは健康上の不安を持たれがちだが、同社では独TUV RheinLandのローブルーライト、アイコンフォート、フリッカーフリー認証を取得。XR系でアイコンフォート認証取得は唯一という。
また、コンテンツもARグラスには欠かせない。特に日本はクリエイティブなアイデアをもつ会社が多いとして、さまざまなパートナーと新しい活用事例を開発することを目指すとした。
AR市場は右肩上がり
日本市場においては、同社として最初の海外オフィスを設立するなど、日本市場を重視する立ち位置をアピール。
Nreal製品は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクで取り扱われ、ECサイトや家電量販店などでも販売されるなど販路も順調に拡大している。レビューサイトなどでの評価も高く、呂氏は日本市場に同社製品が受け入れられているとの認識を示した。
携帯各社とは、メタバースなどの普及に備えて共同でコンテンツの開発や実証を通じて協力しているという。
一方で今後のAR市場はどうなるのか。呂氏が示した、ストラテジーアナリティクスの資料によるとグローバルでXRデバイスは今後も伸長していくことが予測されている。ARデバイスの2020年~2021年の実績では、同じくグローバルで231%の出荷台数となり、コンシューマー向けに限っても、161%の増加と注目を集める分野であることがわかる。
Nrealとしては、2022年上半期のコンシューマー向け市場でシェア81%と世界一となったとしており、今後も成長が期待される。