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ドコモ「パーソナルデータ憲章」を発表、プライバシーポリシーを再編へ

 NTTドコモは、ユーザー情報の取扱における基本方針を明文化した「NTTドコモ パーソナルデータ憲章」を発表した。また、12月11日に各種サービスのプライバシーポリシーを再編する。

 今回のプライバシーポリシーの再編によって、自社サービス間でのデータ共有やパートナー企業との連携などの取扱範囲が変わることはなく、利用目的などをユーザーにわかりやすく提示すること、透明性の確保が目的。

 プライバシーポリシーの再編にあわせて、ユーザー自身で提供設定の確認や変更ができる「パーソナルデータダッシュボード」をWebサイト上で提供する。

パーソナルデータの取扱に関する理念や配慮を明文化

 憲章におけるパーソナルデータとは、個人情報保護法上の「個人情報」に加えて、「機器やブラウザのIDなどによって識別できる個人に関するデータ」も含めたユーザーに関する情報全般と定義されている。

 パーソナルデータ憲章は2018年5月に制定され、先述のようなデータに関わるサービスを提供する際の行動原則として社内で活用されてきた。公開に至った経緯について、デジタルマーケティング推進部長の白川貴久子氏は、「dポイントなどの会員基盤を軸とした事業戦略を展開する上で、ユーザーひとりひとりにあったサービスを提供するためにはパーソナルデータの活用が欠かせない。安心してもらえるデータ活用のあり方を提示する必要がある」と説明する。

 パーソナルデータ憲章では、透明性の確保、ユーザーや社会への価値提供、利用意思の尊重、パートナー企業との連携におけるプライバシーへの配慮、適切なセキュリティ対策によるデータ保護、プライバシー保護体制の整備・運用という6つの行動原則を定める。

 これらは法令順守を前提として、より安心して利用してもらうためのプラスアルファの取り組みである。同社ではパーソナルデータ憲章の制定以前にも、「モバイル空間統計」など匿名化したパーソナルデータを利用するサービスに早くから取り組んでおり、同様の行動原則に基づいて事業を展開してきた。あらためてこのような発表を行う背景としては、パーソナルデータを扱うサービスの普及・発展に伴う不安の声や、欧州でのGDPR(一般データ保護規則)施行といった社会情勢を受けた対応と説明する。

プライバシーポリシー再編。内容は変わらず、より伝わりやすい見せ方に

 12月に予定されるプライバシーポリシーの再編については、これまで通信や決済などの事業分野ごとに制定してきたものを一本化し、ユーザーに可視化することが目的。既存ユーザーがこれまでに同意した内容や、情報の提供範囲などに変更はない。

 改定までに約3カ月の準備期間を設け、この期間にSMSや店頭での周知を実施。パーソナルデータの活用に向けた体制を整え、自社サービス間でのデータ共有によるパーソナライズ、あるいはdポイント加盟店との連携によるマーケティング施策など横断的なサービスの提供を見据える。

 改定に向けた周知活動の一環として、ドコモにおけるパーソナルデータの活用事例などについて、どのようなデータを何に使うのか、どのような恩恵があるのかを解説するコンテンツ「知ってナットク!ドコモのパーソナルデータ活用」を公開する。

データの利用・提供に関するダッシュボード機能を提供

 パーソナルデータを扱うサービスでは、Googleアカウントに紐付く情報を管理する「Google ダッシュボード」のように、自分がどのようなデータを預けているのか、それをどのような機能に利用できるように許可しているのかといった状況を確認できるダッシュボード機能の導入が広がりつつある。

 NTTドコモでも、自社サービスでのデータ利用やパートナー企業への提供について、従来は各サービスで個別に行っていたパーソナルデータに関する設定をまとめて確認できる「パーソナルデータダッシュボード」を今後提供することが発表された。データの提供状況や、一部の必須項目を除く設定変更などがダッシュボードに集約される。