ニュース

コミュニケーションを通じて詐欺被害防止を、東京都とLINE、特殊詐欺防止に向けた連携協定を締結

LINEで架空請求などのはがきを判定する仕組みも

 東京都とLINEは、特殊詐欺の被害防止に向けた連携を締結した。9日に東京都庁第一本庁舎で両者による締結式が開かれた。

 式の中で小池百合子東京都知事は「詐欺の手口は巧妙化している。被害防止にはコミュニケーションが重要。SNSを使用したコミュニケーションで詐欺被害を未然に防ぐための大きな一歩が今日、結ばれたと思う。高齢者から子供世代、孫世代までLINEでつながって、家族の絆が強くなることを期待している」とコメントした。

小池百合子氏
出澤剛氏

 LINE 代表取締役社長の出澤剛氏は「このような特殊詐欺の防止、撲滅の協定を結ぶことができて嬉しく思う。こうした取り組みは国内でも初となる。LINEユーザーには高齢者も増えてきており、家族間コミュニケーションの増加にもつながっている。我々も最大限努力して、皆様の役に立っていきたい」とコメントした。

 具体的な取り組みについては、LINE公式アカウント「特殊詐欺対策・東京都アカウント」の開設がある。警視庁および警察庁との協力で、特殊詐欺被害防止のための情報発信を行うほか、請求書などのはがきを撮影することで、架空請求の可能性があるかどうかを無料で判定するLINE公式アカウント「ScamDetector(スカムディテクター)」と連携する。

 これにより、「特殊詐欺対策・東京都アカウント」上からはがきを撮影することで、AIが対象のはがきが詐欺であるかどうかを判定し、詐欺だった場合は最寄りの弁護士会へ相談するように促す。また、AIで判定ができなかった場合、原則24時間以内に弁護士が確認し、ユーザーに連絡される。なお、「特殊詐欺対策・東京都アカウント」は都民以外でも、友だち登録することで利用できる。

 また、詐欺被害のターゲットとなる高齢者とその子供世代向けに被害防止に寄与するLINEの活用方法を紹介するポスターとリーフレットを作成し都内で配布、掲示する。

 そのほか、特殊詐欺被害防止のための調査研究を行う。全国に500万人弱いるLINEパネルユーザーからの調査結果では、高齢者と家族のコミュニケーション促進にLINEが有効であることを確認したという。LINEは主たる被害者である高齢者と家族の密接なコミュニケーションづくりに有効であり、SNSを通じたコミュニケーションやLINEの活用法などに関する調査、研究を行うとしている。