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耳につけて話すだけ、未来感漂うイヤホン型翻訳機「Timekettle WT2 Plus」

 Timekettleは、イヤホン型同時通訳機「WT2 Plus」へのオフラインモードの追加と対応言語の追加を発表した。

イヤホン型翻訳機「WT2 Plus」とは

 「WT2 Plus」は、中国深センのTimeKettle社によって開発されたワイヤレスイヤホン型の同時通訳機。日本では、フォーカルポイントが販売代理店となり、販売されている。36の言語と84のアクセントに対応し、人口カバー率は90%に及ぶ。

 スマートフォンにアプリをインストールし、ペアリングを済ませておけば、イヤホンを耳につけただけで、自動的に翻訳が開始される。翻訳結果はリアルタイムで相手のイヤホンに音声で伝えられるため、従来のように機械に向かって話し、その結果を相手に向けるというような動作が必要ない。

 もし、イヤホンの音声を聞き取れなかった場合は、ペアリングしたスマートフォンの画面にも翻訳結果のテキストが表示されるため、目でも確認できる。1セットに2つのワイヤレスイヤホンが付属し、会話相手と分け合って使うことができる。イヤーチップなどを失くした場合に備えて、付属品を別売する予定もあるという。

 動作時間はおよそ5時間、付属の充電機を用いた場合は15時間で、待機時間はおよそ30日間。使用するには、専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンとBluetoothでペアリングする必要がある。対応OSは、Android 7.0以上、iOS 11.0以上のデバイス。Bluetoothは4.2以上。

コミュニケーションのための翻訳機を

 Timekettleのカザフ・イェ氏は「市場には、多くの翻訳機があるがそれらは翻訳するだけでしかなかった。コミュニケーションを高めるという意味での翻訳機を作りたいと思った」と開発した背景を語った。

アレックス・キン氏
カザフ・イェ氏

 翻訳機で大事なことは、言葉をしっかりと捉えることだというカザフ氏は語る。「WT2 Plus」がイヤホン型になったのはそのためだという。ヘッドセットには、ノイズキャンセリング機能とビームフォーミング機能が搭載されており、話者の言葉を正確に集音することが可能。

 オンラインで使用することになる同製品についての心配事は、翻訳精度のほかにも翻訳速度だが、Timekettleは東京にデータサーバーを設置し、遅延の低減を図っている。耳につけて、自然に会話するだけの同製品は、ほかのサービスに比べて50%の翻訳速度の向上を実現したという。

使用シーンに応じて3つのモードを搭載

 「WT2 Plus」は使用する状況によって3つのモードを使い分けることができる。

自動通訳モード

 耳に「WT2 Plus」を装着するだけですぐに翻訳がスタートする。途中でボタンを押すなどの操作は必要なく、マイクが集音した会話がすべて翻訳されるため、まるで翻訳機なしで普通に会話をしているかのような没入感を得られる。

タッチモード

 「WT2 Plus」には本体にタッチセンサーを内蔵しており、タッチモードに設定した場合は、本体のセンサーにタッチしながら話し、センサーから指を離すと翻訳がスタートする。パーティ会場など店内のような騒がしい場所で、複数の声が集音されてしまいそうな状況で有効なモード。

スピーカーモード

 初対面の人や、旅行で立ち寄った店先などの相手にイヤホンをつけてもらいづらいような状況で使用できるのがスピーカーモード。相手はヘッドセットを耳に装着しなくてもアプリを入れたスマートフォンから音声が流れてくる。これを使うことで1対1だけでなく1対多数での会話が可能になる。

今秋に対応言語とオフラインモードを追加予定

 Timekettleは、「WT2 Plus」において対応言語のアップデートと新機能「オフラインモード」の追加を発表した。

 「WT2 Plus」は、現在36の言語に対応しているが今秋、40まで対応言語を増やすと発表した。また、これまでのフィードバックで要望が多かったというオフラインモードを追加するという。

 カザフ氏は、「我々は、WT2 Plusが最適な翻訳機になることを目指している。そのために我々ができることは対応言語を増やすことだ」と語った。